エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

標高年2013ニペソツ山

2013年09月23日 | 山紀行 (十勝・大雪)
標高年2013・・・ニペソツ山 (2013m)
(2013ニペソツ山で贅沢テント泊計画山行・・・)
■ 山 行 日   2013年9月21日(土)~22日(日)  山中テント泊
■ コ ー ス    十六の沢(杉沢)コース
■ メ ン バ ー   エバ、他6名
■ 登 山 形 態   登山道
■ 地 形 図   1/25000地形図  「ニペソツ山」
■ 三角点・点名  二等三角点・点名「二屏卒山(二ペイソツザン)」
■ コースタイム  テン場まで登り 4時間12分  頂上まで登り1時間25分
         テン場まで下り 1時間20分  登山口まで下り 2時間43分

<登り>
登山口8:05--小天狗岳岩場10:15~20
           --天狗のコル10:35~55休--前天狗テン場12:17 (テント設営)
前天狗テン場13:15---ニペソツ山14:40
<下り>
ニペソツ山14:55---前天狗テン場16:15  テント泊
前天狗8:00--天狗のコル9:03~15休--小天狗岩場9:25~30--登山口10:43


★ ニペソツ山で泊まりたい企画・・・
今回「ニペソツ山でテント泊したい」という所属する会の山行に参加して来ました。

私個人としては9/8に続くひと月に2回目のニペソツ山になりますが、大人気となっている
「標高年2013ニペソツ山」には週末を中心に連日の大賑わいで、この日も登山口から約500m
離れた林道横の土場が私たちの駐車地になりました。

【9月20日(金)】

前日の20日は、国道273号線十勝三股の某所に集合。全員が揃ったのは午前1時だった。
すぐに軽い安着をして2時には早々就寝する。

【9月21日(土)】

6時には起床して各自朝食を取る。6時45分には出発、登山口に続く林道へ移動・・・
7時10分、登山口に行くまでも無く登山者の車がびっしりと林道脇に停めてあったので、
前回停めた土場(登山口から約500m手前)に決めてここに駐車し、出発準備に掛かった。



準備を終えてリーダーから出発の決意表明を受ける・・さてリーダーは誰?(土場にて)


登山口まで約500mの林道を歩く・・・


登山口からびっしりと駐車された車が続く・・・

★ 贅沢山行・・・
登山口8:05出発
連日大勢の登山者で賑わうニペソツ山も重装備で登る登山者は少ない。
前回(9/8)のニペソツ山である程度テン場の偵察を確認していたが、第一希望のテン場は前天狗だ。
本峰ニペソツ山を望み絶景が期待出来る場所、多少の風があっても少し窪んだ場所にある唯一の
テントサイトがここにある。手前のテン場は、天狗のコル・・ここはキャンプ指定地にもなっているらしく
比較的広いテントサイトになっているが、コルだけに展望は前天狗を望むだけで、頂上までの距離も
半分以上残す場所だ。折角重荷を背負っての贅沢山行なので、出来れば展望の良いテン場が望ま
しいだろう。その他には、天狗岳の手前にある天狗平にもテントサイトを確認した。ここは数人用テント
なら2張分位のスペースがあったが、吹きさらしの場所なので強風の時は難儀するだろう・・・。

テントサイトが少ないニペソツ山なのでテン泊登山者が重なってしまうと早いもの順で埋まってしまう
のでその時の「運」も必要なのかも知れない。

この日、テント泊したのは2パーティー、私たち7名と2名パーティーで希望は双方前天狗だった。



スタートは、十六の沢の渡渉から始まる・・・微妙なバランスで丸太橋を渡る
★ 余裕・・・
休憩 C1200付近 8:35~40
休憩 C1375付近 9:10~20
休憩 C1640付近 小天狗南尾根末端の岩場 10:15~20

最大の目的はテント泊、とにかく希望の前天狗まで頑張って登れば重荷を下ろす事が出来る。
スタート8時は登山組の中でも最後尾だが、時間に気にする事無くゆっくり休みながら登れる余裕の
登行は最近にない幸せも感じてしまう。それもパーティーを先導してくれたサブリーダーのSAさんの
パーティーに合わせたペースはベストで30分毎の休憩も私には合った登行だった。



1500m付近から小天狗岳の紅葉を望みながら展望が広がって行く・・・


振り返ると通称オッパイ山(ピリベツ岳と西クマネシリ岳)などを見下ろす・・・

★ 岩場・・・
岩場 10:15
コースを一区切り出来る中間地点の岩場は、小天狗岳(1681m)の南尾根の末端に位置し
標高約1640m付近にある。「足元注意」の看板もあるが微妙なバランスと多少のクライミング感覚を
味わえるこのコースのウィークポイントかも知れない。
中には補助を求める岩場苦手なメンバーも居たので励ましながら手の位置足の位置を指示してようやく
通過する場面もあったが、ここを過ぎればこれまでと違う景色と花の時期ならお花畑に出逢えるところ
なので仮に怖い思いをしても気持ちの切り替えもスムーズだろう。



標高1640m付近の岩場・・・

★ 天狗のコル・・・
天狗のコル 10:35~55 休憩
岩場を越えてすぐに南西へ90度方向を変える。
その正面には本峰と間違えそうな前天狗の頂を望み、紅葉も終わりかけのナナカマドやダケカンバの
樹林帯を見下ろしこれまでの景色が一変して気分も新たにニペソツへの登行意欲が増す場所だ。
岩場から数十メール降りたところが天狗のコルでここから前天狗の北東斜面の登りとなって行く。
すでに花期を終えたチングルマの果実に羽状にのびた雄しべが秋風に揺れている。
前回はウメバチソウも咲いていたが、一輪も無く唯一咲いていたエゾオヤマリンドウが印象的だった。



岩場付近から望む前天狗と紅葉の進んだ北東斜面を眺める・・・


唯一花の咲いていたエゾオヤマリンドウが秋の終わりを告げてるようだった・・・

★ 叶う・・・
前天狗テン場 12:17着
私たちのパーティーより少し遅れて登って来た男女二人パーティーと抜きつ抜かれつを繰り返していた
がテン場は私たちと同じ場所を希望しているようだった。
彼らが先にテントを張ると私たちのテン場は無くなってしまうが、幸い?先頭を歩くサブリーダーSAさんは
かなり前を登っていたのでテン場の確保は叶う結果となった。

二人パーティーのテン場は、私たちのとなりにしてもらうが凸凹をみんなで手伝って整地し
何とかスペースを確保して張ってもらった。



前天狗への最後の登りとなるロックガーデン・・・


遂に勇姿を現した「ニペソツ山」本峰を望む前天狗に到着・・・歓声が沸く

★ 設営・・・
この時間になると日帰り組の下山者と多く遭遇する。
前天狗の下りルート上にあるこのテン場は必ず通る場所だ。
邪魔にならないよう注意するも全スペースを埋める8人用のドームテント設営だったので
一部の方にはご迷惑をお掛けしたかも知れない。風が非常に強かったのでこの場に
張れた事で大変安堵し、今月すでに登頂してている私はもうここでいいかな?・・・って
テントキーパーを申し出る(冗談)が、もちろん行動は皆と一緒だった。





快適なテン場の完成・・・

★ アタック・・・
前天狗出発 13:15
パーティー7名中2名が未踏のメンバーだった。
一枚上着を着ないと寒いくらいの強風が吹いていてカッパやダウンを着る。
重装備から空身に近い軽装備となり強風も視界の良い絶景に登行意欲は失せない。
全員でのアタックは不思議に力が湧いて勇気付くのでありがたい・・・。



アタックを前に本峰を背に記念の集合写真を撮った・・・


天狗岳の下で一休みしながら登路と本峰を一望するビューポイントだ・・


ここから見るニペソツ山が一番好きなエバである。


最後の登り途中から振り返ると糠平湖が見えて来た・・・


ニペソツ山の南側に連なるウぺぺサンケ山や丸山を展望する

★ 全員登頂・・・
頂上 14:40
10mを超える強い西風が吹き荒れる頂上に全員が登頂する。
日帰りの登山者も無く私たちの貸切だった。全員と握手しながら登頂を喜び、ゆっくりしたいところだが
強風に耐えられないメンバーは下山を急いでいた。そこに遅れて来た隣人となった二人パーティーが
タイミング良く登頂したのですぐに集合写真のシャッターをお願いする。

寒い中でもぬるい缶ビールがやけに美味しい・・・



皆さん、登頂おめでとう!  お疲れ様でした・・・・ビールを持っているのがリーダーのKOさん



★ 満足感・・・
下山開始 14:55
僅か15分の滞在。絶景の眺望も短時間の下山は止む負えない強風だった。
隣人の二人を残して私たちが先に下山を開始した。天狗岳との最低コルで大休憩を取り
登りと変わらない時間でテン場に戻った。


前天狗テン場 16:15着
日帰りなら焦る時間の16時過ぎも今日はここに泊まる安堵感と登頂を終えた満足感でみんなの
顔は明るい。早々に安着&夕食の準備に突入も驚く事がいくつかあった・・・。



ニペソツ山頂上直下の下り場面、最低コルへ向けて軽快な足取りのメンバーたち・・・

★ これぞ会山行・・・
アルコールは各自呑む分だけ・・・と計画書には書いていた。
なのに出て来たビールは○○本、それも氷付きでキンキンに冷やされていたからびっくり!
とにかく「乾杯」を急ぐ声が多くリーダーの音頭で歓声が上がる。夢にまで見たテン泊での
祝宴が始まった。

食当は女性陣のFUGIさんとMIYAさん、長年の名コンビ?かそのメニューも去ることながら
手際の良さに言葉が出ない・・・。久しぶりに感じた「これぞ会山行の醍醐味か・・」を実感する。



キャベツにニンジン、カボチャ、ソーセージにネギや鶏肉、キノコも入る。トマトスープがベースという
煮込み鍋だが、第一弾、第二弾があって二つの味を存分に味わった・・・



第二弾は具も変わって増々酒の進むエバである・・・

★ 隣人もびっくり・・・
宴会には、隣人となった二人パーティーを招待する。
遠路・函館から来たと言う二人は、軽量に努めるためにアルコールは持たずにレトルト食に徹した
と語る。9名になってもテントは広く鍋を中心にして更に盛り上がる宴となる。

びっくりびっくりの連続も美味しい料理と酒を飲み、満足のお開きとなるもビールとウイスキーは
飲み切れずに残してしまった・・・。

疲れもあってか21時前には就寝体制となり、気が付くと風はすっかり収まって静かな月夜の
テン場だった。明日の朝も一応6時起床と決めるが、降りるだけなので緊張感無く安堵の就寝だった。


★ ご来光・・・
【9月22日(日)】

家で寝るより長い睡眠で目を覚ます。
外の様子を気にしながら目覚まし時計は5時だった。
トイレも行きたいがシュラフの温もりも離れがたい・・・

ウトウトしているとメンバーの一人がトイレでテントを出た。
日が昇る少し前の5時半頃だろうか・・・歓喜の声で他のメンバーも目を覚ます。
ここに居る特権の一つ、ご来光が期待出来る天気だぞ~の声に全員が起きて来た。

テントの入口を大きく開けると目の前にご来光の兆しを見てテントを飛び出た。
テントの外張りはバリバリに凍っていてピリッと冷たい風に自分の居る場所を認識する。



ご来光を何とか収めて幸福感を実感し、朝陽を体全体に感じて気持ちが良い・・


朝陽を浴びた「ニペソツ山」・・・


リーダーKOさんとKIさんも満足のご来光と本峰を望む・・


テントと前天狗岳

★ 朝メニュー・・・
びっくりびっくりの昨夜の夕食でしたが、朝はなにやら粉ものが出て来た。
聞くと「蒸しパン」を作ります・・・と言う。「えっ!蒸しパン?」「テントで?・・・」
相変わらず手際の良いFUGIさんの手は止まらず、こちらはただ見てるだけで感動さえ覚える技だ。

ほのかに甘くふっくらと仕上がった蒸しパンの出来にびっくり・・・
その食する間に次なるメニューは、コンデンスミルクをお湯で溶き見た目牛乳を装った。
食器にフレークを入れてお湯溶きミルクを入れると「あっという間に出来上がり」
そして第二弾の蒸しパンは中の具も変えて鍋一杯に膨らんだ大きなパンを作る。

コーヒーと合わせてこれを食す・・・きっと忘れられないメニューになるだろう。

フレークに直接コンデンスミルクを掛け混ぜて食べてもグッとな味でした。



これが蒸しパンの第一弾・・・


カルビーのフルグラとお湯溶きコンデンスミルクを和えたフレーク


蒸しパン第二弾は鍋一杯に膨れた大きなパンに化けた・・・

★ まったりの下山・・・
下山開始 8:00
一応8:00下山と決めたのは6:30頃でその時間までは充分過ぎた。
まったりとした朝は、夫婦登山ではよくあるが団体行動の山行では中々出来ないのが現実だ。
なんとなくテントを撤収し、洗顔やトイレを済ませてもまだ時間が余っていた。

立ち上るガスの量が増えて来てニペソツ山の東側から姿を隠し始めた。
日帰り登山の筆頭は4:30にテント場を通過して行ったが、その後次々と切れる事無く登って来る。
なのに私たちはこれからゆっくりと下山だ。何故か優越感に慕ったような気分でザックの重さは気に
ならなかった。三連休中日の日曜日・・・今日は一体何人登って来るのだろう?



下山前のニペソツ山・・・色々な表情に飽きる事は無い


前天狗を後に下山を開始した我がパーティー一行・・・

★ 待ち時間・・・
下山開始から天狗のコルまで降りるのに1時間以上掛かっていた。
前回は日帰り装備とは言え35分で降りていたので倍の時間を要している。

登り優先・・・の登山マナーで待ち時間が多く登行者との会話も加わって呑気なパーティーになった。



岩場で緊張の女性陣も安全地帯まで来るとピースの余裕です・・・


秋を満喫した下山、ケガも無く安全にそして楽しい山行でした・・・

★ ありがとう・・・
登山口 10:43着
下りてしまうのがもったいない・・・と感じる好天の下山だったが、帰路の長い道のりを思うと丁度良い
時間なのかも知れない。
登山口には、停めてはいけない場所にも車がびっしりと駐車してその数も半端では無かった。
自分たちが停めていた土場にも奥までびっしりと駐車していた。土場は登山口から約500mだったが
帰りに車の途切れるまでの距離を測ったら登山口から1.8キロまであった。

すれ違う登山の数も半端では無かったが、若い山ガールや山ボーイも目立って多く、中高年の登山
ブーム時代から今やファッション感覚の登山ブームに変わったのか?・・と思うほどだ。

ニペソツ山に月に2度来れる幸せをしみじみと感じながら、今回も大変お世話になった会のメンバー
全員に感謝の気持ちで一杯だ。本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。


今年限りの「登頂証明書」

ぬかびら温泉郷のひがし大雪自然館でニペソツ山の登頂証明書がもらえる



★ 温泉と食事・・・
下山後の温泉は次なる贅沢・・・
前回入浴して気に入ってた「中村屋」にメンバーを誘って行く事にした。
しかし、昼からの日帰り入浴は14:00~と言われ諦めて他を探す事になった。
その間、登頂証明書がもらえると言う「ひがし大雪自然館」に寄り全員の証明書を発行してもらった。

温泉は幾つかあるも以前と比べるとシャッターの降りている所も有り、食事も・・となると限られる
様だった。見つけた温泉と食事がセットの場所がここ。


温泉と食事がセットで利用出来る唯一のお店レストラン「リーフ」 入浴は500円です。


レストラン「リーフ」で食べたみそラーメンです・・美味しかったですよ!