2014年4月17日
朝日が相変わらずの詭弁に満ちた‘情緒的記事’で国民を惑わせている。それはたとえば、6日付けの「(日曜に想う)日中韓 試される包容力」と題された特別編集委員・山中季広氏による記事である。これは社説ではないから、必ずしも社としての主張とは言えないが、同紙はこれに類する論理を盛んに展開しているから、これが朝日の報道姿勢を表していると言えるはずである。また、国内の一部にもこれに類した考えを持つ人たちがいるから、この記事についてその欺瞞性を指摘しておくことは意味あることだと考える。
「…略… 安重根(アンジュングン)、南京事件、強制連行――。中韓が日本の歴史認識を揺さぶり続ける。(日本の菅)官房長官らが同じ土俵で反論すれば、いっとき国内世論の留飲は下がる。けれど対外的には紛糾の度を増すだけである。むしろいまの日本は、土俵を超え、国境も超えるような包容力を見せる時なのかもしれない。」
「たとえば、なでしこジャパンの選手たちが反日一色の中国観客に向けて感謝の横断幕を掲げたことがある。「ARIGATO 謝謝 CHINA」 強烈な印象を与えた。中国紙は「日本の選手は不快な感情を乗りこえた」と論評。「負けた」と反省する声がネットにあふれた。7年前のことだ。一連の歴史問題で、私自身および安倍政権に足りないと思うのは、なでしこが見せたあの大きさのことである。」(以上 6日 朝日)。
記者氏が言いたいのは、悪化している韓中との関係を改善するためには、「国境を超え、恩讐も超える」ような「大きな包容力」を日本は見せるべきだということらしいが、なんと情緒的な話、まるで子供に聞かせる説話のようなものではないか! これだけならともかくも、話は一転して大きくなる。「安倍政権に足りないと思うのは、なでしこが見せたあの大きさのことである。」と言って、これを無理やり政権批判にまで結び付けているのは、論理の飛躍であり、国民の情緒に訴えて国民を誤った結論に導こうとする詭弁的レトリックとしか言いようがないだろう。記者氏が取り上げているなでしこや、次に取り上げる千葉氏のような行為が、草の根的なそれとして、関係改善にそれなりの役割を果たすことは否定できないにしても、こんな姿勢を日本政府が見せれば関係改善が進むかのような話は国民に誤った考えを抱かせるものだろう。横断幕のようなことで問題が解決するのならだれも苦労はしない。実際、日中関係が良かった頃、70年代、80年代には、「日中友好!」とか「熱烈歓迎!」などの横断幕を掲げ、両国民が握手を(時には抱擁も)する光景が、国のあらゆるレベル、さまざまな所で見られたものであるが、残念ながらそれらは、90年代の江沢民による「反日」政策への転換で、蹴散らかされてしまった。それをまともな関係に戻そうとしていたのが胡錦濤・前国家主席であり、「7年前」は彼の時代だったから、なでしこの行為は関係改善に向けての政治的キャンペーンに活かされたということだろう(実際、彼はさまざまな局面で、日本のイメージアップに尽力していた_もちろん、国益を害さない範囲内での話だが…)。しかし今は、江沢民以上に「反日」的な習近平の時代である。彼は、本格的な領土拡張に乗り出そうとしており、そのために「対日戦争」準備までをも支持している。中国の対日外交は、共産党内部の派閥の政策と権力闘争の結果で決まることである。このような現在の中国に対して、‘大きな包容力’で対抗しようという考えは、寝ぼけた言説と言わざるを得ない。
朝日記事は更に、韓国人テロリストの安重根に触れて、次のようにも書いている。なお、案重根はご承知の通り、1909年に初代朝鮮統監であった伊藤博文元首相を射殺して死刑に処せられた韓国独立運動家、テロリストである。
「安と接した日本人の中にも大きな人物がいた。1885年宮城県生まれの陸軍憲兵、千葉十七は、旅順の刑務所で安の看守を務めた。 最初は憎しみを抱くが、監房や尋問室の行き帰りに話して感銘を受ける。教養が深く沈着で、暴漢に殴られても動じない。「みずからの罪だ」と死刑判決すら従容として受け入れた。 10年後に退役し帰郷した千葉は、安の遺墨を仏壇に供える。50歳で亡くなるまで朝晩手を合わせたが、世間には隠した。韓国の大罪人と友情を結ぶことなど許されない時代だった。 この話は、千葉が眠る宮城県栗原市の大林寺境内で、斎藤泰彦住職から教わった。住職は元朝日新聞記者で、毎秋ふたりの追悼法要を営んできた。韓国からの訪問客はとぎれず、安の孫らも来日して千葉の墓前で頭を下げた。日韓で安について意見がぶつかるのは避けられない。私が強く打たれるのは、国境を超え、恩讐(おんしゅう)も超えた千葉十七という日本兵の生き方である。」(同)。
ここには、個人の問題と国と国との問題のすり替えがある。ここに記述されていることは、事実であるにしても、だからと言って、日本の国民や政府もこの千葉氏のような心根で韓国に接するべきだとは言えない。一般論として、国と国の外交関係は、基本的には利害関係で決まるものであり、記者氏が言うような個人間の関係は、二義的、三義的なものであるだろう(首脳同士であれば話は違うだろうが、それにしても国益が優先することに変わりはない)。記者氏が言う内容を政治・外交、軍事の問題にまで敷衍(ふえん)して語ることは、実質的な虚偽であり、詭弁であると言わざるを得ない。その目的は、国民を惑わせ、日本を混乱させて、韓中の主張と行動を支援することにあるように思える。
事実、この記事では、朴大統領と習主席の「反日」連携によって今年1月19日に中国ハルビン市に開館した安重根記念館および彼に関する‘宣伝’をしっかり行っているのである。「遺墨や判決文など展示内容は、予想していたほど一方的ではない。」と、その‘公平性’を強調してみたり、韓国人や中国人の言葉を引用して、安重根の偉大さや、行為の正しさ、彼がいかに韓中で尊敬されているかを説明しているのである。
<どんな理屈で賛美しても、安重根は、犯罪者であり、卑劣なテロリストだ! 賛美は民主主義、国際社会に対する重大な挑戦だ>
韓中が安重根をいかに賛美しようと、彼が憎むべき卑劣なテロリストであるという厳然たる事実は変わらない。民主主義や人権、人命が何よりも重要とみなされている現代において、テロリストを「英雄」視し賛美しようとする韓中(そしてそれを肯定するかのごとき朝日)の言動は異常な行為と言わざるを得ない。これは、人間社会の摂理、普遍的価値観に対する挑戦である。
朴大統領は両親をテロで殺された。だが、現在の韓中の論理に従えば、北朝鮮や韓国の「民主派」がその犯人を英雄として賞賛して、世界に喧伝しても、朴大統領はそれを許容するということになる??! チベット、ウイグル、台湾の独立派が、中国の要人を暗殺したら英雄になってしまうのか?! そもそも、人類の歴史の中で国の指導者を非合法な手段で暗殺した人物が英雄になったためしはないはずだ。テロの結果が歴史を健全な方向に代えたため、そこそこの評価を受けた人はいたにしても、一時的、一部の人からのそれに限られており、後世から英雄視されることはない。と言うのも、暗殺という手段があまりにも卑劣で陰湿なものだからであり、暗殺者はあくまでも日陰の存在でしかない。
安の行為は、単なる殺人者のそれでしかなかった。伊藤博文は篤実な政治家であり独裁者でもなければ圧政者でもなかった。安は、日韓併合に否定的であった伊藤を暗殺して、却って日韓併合を加速させてしまった。日韓併合派、両政府の合意で成立したものであり、日本の朝鮮統治は当時の世界では「奇跡的に公平、穏健」なものであったから、独立運動などというものはほとんど無に等しかったのであり、伊藤暗殺によってもその状況が変わることはなかった。
韓国が安重根という、一介のテロリスト賛美を国内で限定的に行うのであればともかくも、それを中国までも巻き込んでやろうというのは、人間社会の摂理に反する所業である。ましてそれを日本や、世界にまで認めさせようとするのは狂気の沙汰と言わざるを得ない。安重根を賞揚する記念物を中国に作ることについては、韓国は随分前から中国に要望していたとされるが、さすがにこれまでの中国指導者は、テロ賛美がいかに危険であるか、それが人間社会の摂理に反するものであることを知っていたから同意することはなかった。ところが、習主席と朴大統領は、テロリスト安重根を賛美することによって、‘テロ’と言う恐ろしい悪魔が棲むパンドラの箱を開けてしまった。二人の愚昧さにはあきれるしかない! これによって中国や韓国の国内の治安が乱れるのは自業自得であるにしても、国際社会にも悪い影響を与えるだろうから迷惑千万な話である。日本そして国際社会は、彼らの愚行を厳しく批判する必要がある。
さて、以上のようなわけで、朝日の記事はそれ自体 詭弁的で欺瞞的内容を含むものであるが、記事の主眼である「大きな包容力」も外交政策としては何の効果もないばかりか、却って事態を悪化させるものでしかないことが歴史的、現実的に証明されている。それを次に述べたいが、韓中の二か国について述べると長くなるので、以下では韓国についてだけ述べておく(韓国と中国とでは異なる点も少なくないが、韓国の所業がより卑劣で巧妙であるので、韓国の理解を誤らなければ中国もカバーできる)。
<日本が韓国に示して来た「大きな包容力」はすべて逆効果だった!>
日本側の善意は、韓国には通じない。韓国人は、善意として受け止めるのではなく、日本人は、疚(やま)しい点があるから、そうしたのだと解釈するのである。これまでの日本が示した善意、「大きな包容力」のほとんどが、無残な結末で終わっている。以下、これまでも書いたことではあるが、確認の意味も含めて書き出しておきたい。
日韓国交正常化時の日本からの膨大な経済援助、その後の技術支援は、日本側の誠心誠意の取り組みにも関わらず、韓国国民には全く知らされず、また日本に対しては、償わさせてやった、仕事をさせてやったということにしかなっていない。いわゆる、宮沢談話、河野談話、村山談話の三つは、日本の誠意の証しとしての一方的、身を削る譲歩の産物であったが、彼らはそうは理解せず、これらを逆手に取って要求を益々エスカレートさせて来た。97年の韓国通貨危機での日本からの援助は、頼みもしないのに日本が押し付けがましく勝手に援助したとされている。韓流ブームは、日本が、一方的に不利な文化交流協定を受け入れてまでも両国の関係改善を進めようとした結果であるが、このことは理解されず、すぐれた韓国文化が日本文化を席巻したと理解されて韓国を増長させるだけに終わった。民主党政権が行った韓国への「朝鮮王朝儀軌」引き渡しも、日本の誠意は理解されず、彼らの要求をエスカレートさせ、他方では、韓国が所持している日本の重要文物の返還は拒否されるという結果で終わった。対馬仏像盗難事件では、儒教化政策によって韓国が廃棄した仏像を正当な手続きで入手、大事に保管していた日本側に対して、韓国は「日本が盗んだものだから韓国にとどめる」として返還に応じていない(韓国の行為は国際法違反)。先ごろの南スーダンPKOにおける、韓国軍からの要請に答えておこなった銃弾提供は、感謝されるどころか、出鱈目な理屈でもって却って非難される結果に終わった。
以上は、ほんの一部の例にしか過ぎない。
<同じことであっても、自国や強国は非難せず、日本だけを選別的、集中的に非難する韓国>
韓国の日本批判は矛盾だらけで、虚偽に満ちており、しかも欺瞞のそれである。たとえば次のようなこともそうである(13日付 産経記事「から(韓)くに便り」からの抜粋)。
「(朝鮮)戦争は北朝鮮軍による突然の奇襲攻撃で始まり、首都ソウルはたちまち陥落し北朝鮮軍に占領された。その後、米軍(国連軍)の支援でソウルを奪還し、その勢いで韓国・国連軍は北朝鮮軍を中朝国境まで追い詰めた。 しかしそこで中国軍が30万の大兵力で軍事介入し、北朝鮮軍とともに再び南下してきてまたソウルは占領されてしまった。51年1月4日。「1・4後退」といわれ多くの避難民がソウルの南に逃れた。…略… 中国は朝鮮戦争への介入を「米国に抗し北朝鮮を支援した正義の戦争」といい、戦死者は「烈士」として英雄になっている。 しかし首都まで占領された韓国にとって中国の軍事介入は侵略である。被害は人的、物的なもののみならず、侵略者・金日成政権を中朝国境まで追い上げ、韓国主導の南北統一までいま一歩のところを中国に妨害されたのだ。 ところが韓国は政府もマスコミもこの過去について、92年の国交正常化時を含め中国に「謝罪と反省」を求めようとしない。…略…(黒田勝弘)」。
韓国のこの態度は、日本に対し‘植民地支配’の過去を限りなく追及し続ける態度とは対照的だ。彼らは、「中国の戦争責任と日本の植民地支配とは違う。日本の方が責任が重い。」と言うかもしれないが、客観的に見れば、戦争被害や南北分断、統一妨害など現代韓国への悪影響を考えれば中国の戦争介入責任の方が重いことは明らかだ。第一、日韓併合派、両国政府の正式合意、そして国際的な承認のもとに行われたものだから、完全に合法的なものであるが、中国のそれは一方的な武力侵攻であるから、非合法であるのは言うまでもない。韓国にとって日本の‘支配’は近代化というプラスの副産物(?)ももたらしたが、中国の韓国侵略戦争は社会システムの破壊、国土の荒廃、経済の壊滅的打撃以外の何物ももたらさなかった。
結局、韓国は侵略戦争責任を追及しても、中国は応じないと分かっているので、そして中国が強大な軍事力を持っていて、何をされるかわからないので黙っているのだ。韓国が日本を批判しているのは、そのほうが彼らの得になり、中国を批判すると損になるからということである。とすると結果的に日本のように韓国の要求に唯々諾々と応じる国は限りなく追及されることになるし、また実際このことは上述のように事実でもある。
韓国が日本を選別的に攻撃しているのは、戦争責任問題だけではない。たとえば、慰安婦問題についてもそうだ。韓国はこれを普遍的な「女性の人権問題」として世界中に喧伝しているが、韓国や米国が活用していた「慰安婦」については反省も謝罪もない。朝鮮戦争では韓国軍は、北の女性も「慰安婦」化し、それこそ本当に凌辱の限りを尽くした。また、ベトナムでは多くの現地女性に暴虐の限りを尽くした。韓国はこうした自国の「罪」には頬かぶりしている(その事実を発信すべき日本が黙っているから、この結果は当然と言えば当然なのだが…)。韓国内での女性の人権侵害はひどいもので、現在でも韓国は日本とは比べ物にならないほどの比率でレイプ事件が発生している。また、韓国は、現在でも世界中に10万人以上の売春婦を送り出しており、売春婦大国の一角を占めている。こんな韓国は、とても女性の「人権」を言えるような国ではないのだが、それが可能なのは、日本が‘大きな包容力’を発揮して、彼らの出鱈目を許して来たからにほかならない。もちろん、朝日が、この問題の虚偽報道をして、日本の‘罪’を捏造し、国内外に喧伝したことも大きい。
韓国が、日本を選別的に批判するのは、彼らの経済力が増加し、相対的に日本の経済力が弱くなったことも影響している。彼らは益々増長して、「水に落ちた犬はたたけ」とばかりに、日本が謝罪すればするほど、「日本タタキ」を強めるのである。なぜ、ここまでやるか?と言えば、それは、日本を叩けば叩くほど彼らが得をする論理構造があるからにほかならない。
<韓国が「反日」を止めないのは、日本に怒っているからではなく、それが得になるからであり、またそうしないと国が保てないからだ! こんな国は突き放して、距離をおいた付き合いをするしかない!>
韓国が日本の戦争責任や、歴史認識問題を執拗に追及するのは、竹島略奪の正当化、歴史を捏造して韓国を「戦勝国?」にしてしまうこと、日本の国際的地位や利権の横取り…、そして国内統治のための手段ということである。彼らの「反日4点セット」つまり竹島、慰安婦、靖国、教科書を始め、彼らの反日グッズ(言い掛かりのネタ)はいずれも、韓国の利益を確保するためのものであり、そこには巧妙な計算とからくりがある。たとえば、それは次のようなものである。
「(官房長官の)菅氏は(3月)29日のテレビ番組で、中韓両首脳が23日の会談で、安重根の記念館開設を評価し、連携を確認したことに対し、「日本で言えば犯罪者、テロリストの記念館だ」と不快感を示した。(これに対して、韓国外務省の)報道官は「伊藤博文こそ植民地支配と侵略を統括した元凶であり、安重根義士を非難することは(植民地支配と侵略を謝罪した)村山談話を否定することだ」と主張。」(3月30日 時事)。
ここで注目したいのは「安重根義士を非難することは(植民地支配と侵略を謝罪した)村山談話を否定することだ」と言っていることである。この主張を言い換えれば(論理学的な対偶を作れば)、「日本は村山談話を肯定しているのだから、安重根を義士として認めなければならない」ということになる。なぜ韓国はそうまでして安重根を「英雄」にしたいのか? それは、「韓国は日本による過酷な植民地政策に抗して、英雄的に独立運動を戦った」という‘歴史的事実’を捏造したいからであるだろう。実際は独立運動など無いに等しい状況であったし、それどころか韓国人は日本軍として連合国と‘果敢に’戦ったのであるから、このままでは世界にあまり偉そうなことが言えない。そこで‘被害者’を装うことになるが、これだけでは格好がつかないから、‘英雄的な抗日、独立運動’を捏造することになる。そうすると欲が出て、韓国を「戦勝国」に準ずる地位に押し上げることも夢ではないと思い始めたのだろう。まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」式の妄想の連鎖! 準「戦勝国」になればその旨みは計り知れないし、また最大のライバル?と見做している日本の地位をかすめ取ることも容易になるだろうからである。全く実体のなかった「光復軍」を独立、抗日戦争の象徴に祭り上げようとしていることも、同じ文脈のものだろう。
あるいはまた、韓国では「日本が竹島領有を主張していることは、日本が戦争責任を反省していないことの何よりの証明だ」という主張がなされている。これも対偶をとれば、「日本が戦争責任を反省していると言うなら、竹島が韓国領であることを認めねばならない」ということになり、韓国が日本の戦争責任を追及する目的の一つは竹島の略奪を正当化し固定化することにあると言えるだろう。それはまた、「日本海」の呼称を「東海=韓国の海」に変えることにも貢献する。同様に、河野談話をネタにした「慰安婦問題」の追及の目的は、日本のイメージダウンであり、これは、日本が営々と築き上げてきた国際的地位と権益を、横取りするためのものである(これは生物学でいうところの「スニーキング」に近い行為!)。これが事実であることは、たとえば、「韓国起源説(=ウリジナリティ)」による、日本文化の横からの略奪行為を見れば明らかだ。これは、サクラ、柔道、剣道、味噌、武士道、日本刀…、世界で高い評価を受けている日本固有の文化は、すべて韓国が発祥であるとする虚偽である。こんな出鱈目を世界中で触れ回っているのだが、「ウソも百回言えば本当になる」で、それなりの効果を上げている。なにしろ、世界の国々に、隣通しで顔も似ている日本と韓国の細かい違いなどわかるはずもないし、また優れた文化であれば、どちらが発祥かなどはどうでもよいことと思うだろう。韓国は多くの分野で日本のマネをして、国を豊かにしてきたが、現在では競合するところが少なくないから、先を走る日本がイメージダウンすれば、その代役は‘似たような国’である韓国が務めるのは、‘自然なこと’になるのだ(工業製品、文化・芸術、国際機関のポストなど)。また、「日本タタキ」は韓国の国としての統一を保つためにはどうしても必要なものとなっている。彼らは非理性的で身勝手で、しかもプライドだけは高いから、協調することができず、喧嘩ばかりする(同族による虚しい南北対立が一例)から、国を統一できない。国を統一するには核となる思想が必要だが、韓国にはそれがない。米国のように自由と民主主義の理念もないし、日本のように天皇を中心とする民族意識もないから、誰もが溜飲を下げる「反日」で国をまとめるしか方法がないのである。「反日」は上述のように経済的な利益も見込まれるから、「一石三鳥、四鳥」の妙策なのである(ただし、矛盾だらけの間に合わせのものだから、いずれ破綻するしかないが…)。
韓中の実態は以上のようなものであり、したがって朝日の記者氏が言うような「大きな包容力」などで関係改善などできるはずもないのであるが、それをあたかもできるがごとき夢想を振りまくところに朝日の陰湿な悪意が見て取れるのである。朝日は「大きな包容力」などという偉そうなことをのたまう前に、まず、「慰安婦問題」、「南京大虐殺」などについての虚偽報道で、対韓中関係を悪化させた元凶であることを厳しく反省してもらいたいものだ。そして朝日が、情緒的で欺瞞的な報道を止めることが、韓中との関係改善の有力方策であることを知るべきだ。対韓中外交についての事実は朝日の記事の逆、すなわち「大きな包容力では、韓中外交はうまくいかない」ということであるので、それゆえ、韓中外交の基本はこの対偶、「韓中外交をうまくやるためには、韓中に厳しく対応する」ということになる。つまり、日本はもう韓中の詭弁には騙されないことをしっかり示し、彼らの理不尽な言動には事実関係でもって断固とした反論を行い、毅然たる反撃行動で応えることである。
朝日が相変わらずの詭弁に満ちた‘情緒的記事’で国民を惑わせている。それはたとえば、6日付けの「(日曜に想う)日中韓 試される包容力」と題された特別編集委員・山中季広氏による記事である。これは社説ではないから、必ずしも社としての主張とは言えないが、同紙はこれに類する論理を盛んに展開しているから、これが朝日の報道姿勢を表していると言えるはずである。また、国内の一部にもこれに類した考えを持つ人たちがいるから、この記事についてその欺瞞性を指摘しておくことは意味あることだと考える。
「…略… 安重根(アンジュングン)、南京事件、強制連行――。中韓が日本の歴史認識を揺さぶり続ける。(日本の菅)官房長官らが同じ土俵で反論すれば、いっとき国内世論の留飲は下がる。けれど対外的には紛糾の度を増すだけである。むしろいまの日本は、土俵を超え、国境も超えるような包容力を見せる時なのかもしれない。」
「たとえば、なでしこジャパンの選手たちが反日一色の中国観客に向けて感謝の横断幕を掲げたことがある。「ARIGATO 謝謝 CHINA」 強烈な印象を与えた。中国紙は「日本の選手は不快な感情を乗りこえた」と論評。「負けた」と反省する声がネットにあふれた。7年前のことだ。一連の歴史問題で、私自身および安倍政権に足りないと思うのは、なでしこが見せたあの大きさのことである。」(以上 6日 朝日)。
記者氏が言いたいのは、悪化している韓中との関係を改善するためには、「国境を超え、恩讐も超える」ような「大きな包容力」を日本は見せるべきだということらしいが、なんと情緒的な話、まるで子供に聞かせる説話のようなものではないか! これだけならともかくも、話は一転して大きくなる。「安倍政権に足りないと思うのは、なでしこが見せたあの大きさのことである。」と言って、これを無理やり政権批判にまで結び付けているのは、論理の飛躍であり、国民の情緒に訴えて国民を誤った結論に導こうとする詭弁的レトリックとしか言いようがないだろう。記者氏が取り上げているなでしこや、次に取り上げる千葉氏のような行為が、草の根的なそれとして、関係改善にそれなりの役割を果たすことは否定できないにしても、こんな姿勢を日本政府が見せれば関係改善が進むかのような話は国民に誤った考えを抱かせるものだろう。横断幕のようなことで問題が解決するのならだれも苦労はしない。実際、日中関係が良かった頃、70年代、80年代には、「日中友好!」とか「熱烈歓迎!」などの横断幕を掲げ、両国民が握手を(時には抱擁も)する光景が、国のあらゆるレベル、さまざまな所で見られたものであるが、残念ながらそれらは、90年代の江沢民による「反日」政策への転換で、蹴散らかされてしまった。それをまともな関係に戻そうとしていたのが胡錦濤・前国家主席であり、「7年前」は彼の時代だったから、なでしこの行為は関係改善に向けての政治的キャンペーンに活かされたということだろう(実際、彼はさまざまな局面で、日本のイメージアップに尽力していた_もちろん、国益を害さない範囲内での話だが…)。しかし今は、江沢民以上に「反日」的な習近平の時代である。彼は、本格的な領土拡張に乗り出そうとしており、そのために「対日戦争」準備までをも支持している。中国の対日外交は、共産党内部の派閥の政策と権力闘争の結果で決まることである。このような現在の中国に対して、‘大きな包容力’で対抗しようという考えは、寝ぼけた言説と言わざるを得ない。
朝日記事は更に、韓国人テロリストの安重根に触れて、次のようにも書いている。なお、案重根はご承知の通り、1909年に初代朝鮮統監であった伊藤博文元首相を射殺して死刑に処せられた韓国独立運動家、テロリストである。
「安と接した日本人の中にも大きな人物がいた。1885年宮城県生まれの陸軍憲兵、千葉十七は、旅順の刑務所で安の看守を務めた。 最初は憎しみを抱くが、監房や尋問室の行き帰りに話して感銘を受ける。教養が深く沈着で、暴漢に殴られても動じない。「みずからの罪だ」と死刑判決すら従容として受け入れた。 10年後に退役し帰郷した千葉は、安の遺墨を仏壇に供える。50歳で亡くなるまで朝晩手を合わせたが、世間には隠した。韓国の大罪人と友情を結ぶことなど許されない時代だった。 この話は、千葉が眠る宮城県栗原市の大林寺境内で、斎藤泰彦住職から教わった。住職は元朝日新聞記者で、毎秋ふたりの追悼法要を営んできた。韓国からの訪問客はとぎれず、安の孫らも来日して千葉の墓前で頭を下げた。日韓で安について意見がぶつかるのは避けられない。私が強く打たれるのは、国境を超え、恩讐(おんしゅう)も超えた千葉十七という日本兵の生き方である。」(同)。
ここには、個人の問題と国と国との問題のすり替えがある。ここに記述されていることは、事実であるにしても、だからと言って、日本の国民や政府もこの千葉氏のような心根で韓国に接するべきだとは言えない。一般論として、国と国の外交関係は、基本的には利害関係で決まるものであり、記者氏が言うような個人間の関係は、二義的、三義的なものであるだろう(首脳同士であれば話は違うだろうが、それにしても国益が優先することに変わりはない)。記者氏が言う内容を政治・外交、軍事の問題にまで敷衍(ふえん)して語ることは、実質的な虚偽であり、詭弁であると言わざるを得ない。その目的は、国民を惑わせ、日本を混乱させて、韓中の主張と行動を支援することにあるように思える。
事実、この記事では、朴大統領と習主席の「反日」連携によって今年1月19日に中国ハルビン市に開館した安重根記念館および彼に関する‘宣伝’をしっかり行っているのである。「遺墨や判決文など展示内容は、予想していたほど一方的ではない。」と、その‘公平性’を強調してみたり、韓国人や中国人の言葉を引用して、安重根の偉大さや、行為の正しさ、彼がいかに韓中で尊敬されているかを説明しているのである。
<どんな理屈で賛美しても、安重根は、犯罪者であり、卑劣なテロリストだ! 賛美は民主主義、国際社会に対する重大な挑戦だ>
韓中が安重根をいかに賛美しようと、彼が憎むべき卑劣なテロリストであるという厳然たる事実は変わらない。民主主義や人権、人命が何よりも重要とみなされている現代において、テロリストを「英雄」視し賛美しようとする韓中(そしてそれを肯定するかのごとき朝日)の言動は異常な行為と言わざるを得ない。これは、人間社会の摂理、普遍的価値観に対する挑戦である。
朴大統領は両親をテロで殺された。だが、現在の韓中の論理に従えば、北朝鮮や韓国の「民主派」がその犯人を英雄として賞賛して、世界に喧伝しても、朴大統領はそれを許容するということになる??! チベット、ウイグル、台湾の独立派が、中国の要人を暗殺したら英雄になってしまうのか?! そもそも、人類の歴史の中で国の指導者を非合法な手段で暗殺した人物が英雄になったためしはないはずだ。テロの結果が歴史を健全な方向に代えたため、そこそこの評価を受けた人はいたにしても、一時的、一部の人からのそれに限られており、後世から英雄視されることはない。と言うのも、暗殺という手段があまりにも卑劣で陰湿なものだからであり、暗殺者はあくまでも日陰の存在でしかない。
安の行為は、単なる殺人者のそれでしかなかった。伊藤博文は篤実な政治家であり独裁者でもなければ圧政者でもなかった。安は、日韓併合に否定的であった伊藤を暗殺して、却って日韓併合を加速させてしまった。日韓併合派、両政府の合意で成立したものであり、日本の朝鮮統治は当時の世界では「奇跡的に公平、穏健」なものであったから、独立運動などというものはほとんど無に等しかったのであり、伊藤暗殺によってもその状況が変わることはなかった。
韓国が安重根という、一介のテロリスト賛美を国内で限定的に行うのであればともかくも、それを中国までも巻き込んでやろうというのは、人間社会の摂理に反する所業である。ましてそれを日本や、世界にまで認めさせようとするのは狂気の沙汰と言わざるを得ない。安重根を賞揚する記念物を中国に作ることについては、韓国は随分前から中国に要望していたとされるが、さすがにこれまでの中国指導者は、テロ賛美がいかに危険であるか、それが人間社会の摂理に反するものであることを知っていたから同意することはなかった。ところが、習主席と朴大統領は、テロリスト安重根を賛美することによって、‘テロ’と言う恐ろしい悪魔が棲むパンドラの箱を開けてしまった。二人の愚昧さにはあきれるしかない! これによって中国や韓国の国内の治安が乱れるのは自業自得であるにしても、国際社会にも悪い影響を与えるだろうから迷惑千万な話である。日本そして国際社会は、彼らの愚行を厳しく批判する必要がある。
さて、以上のようなわけで、朝日の記事はそれ自体 詭弁的で欺瞞的内容を含むものであるが、記事の主眼である「大きな包容力」も外交政策としては何の効果もないばかりか、却って事態を悪化させるものでしかないことが歴史的、現実的に証明されている。それを次に述べたいが、韓中の二か国について述べると長くなるので、以下では韓国についてだけ述べておく(韓国と中国とでは異なる点も少なくないが、韓国の所業がより卑劣で巧妙であるので、韓国の理解を誤らなければ中国もカバーできる)。
<日本が韓国に示して来た「大きな包容力」はすべて逆効果だった!>
日本側の善意は、韓国には通じない。韓国人は、善意として受け止めるのではなく、日本人は、疚(やま)しい点があるから、そうしたのだと解釈するのである。これまでの日本が示した善意、「大きな包容力」のほとんどが、無残な結末で終わっている。以下、これまでも書いたことではあるが、確認の意味も含めて書き出しておきたい。
日韓国交正常化時の日本からの膨大な経済援助、その後の技術支援は、日本側の誠心誠意の取り組みにも関わらず、韓国国民には全く知らされず、また日本に対しては、償わさせてやった、仕事をさせてやったということにしかなっていない。いわゆる、宮沢談話、河野談話、村山談話の三つは、日本の誠意の証しとしての一方的、身を削る譲歩の産物であったが、彼らはそうは理解せず、これらを逆手に取って要求を益々エスカレートさせて来た。97年の韓国通貨危機での日本からの援助は、頼みもしないのに日本が押し付けがましく勝手に援助したとされている。韓流ブームは、日本が、一方的に不利な文化交流協定を受け入れてまでも両国の関係改善を進めようとした結果であるが、このことは理解されず、すぐれた韓国文化が日本文化を席巻したと理解されて韓国を増長させるだけに終わった。民主党政権が行った韓国への「朝鮮王朝儀軌」引き渡しも、日本の誠意は理解されず、彼らの要求をエスカレートさせ、他方では、韓国が所持している日本の重要文物の返還は拒否されるという結果で終わった。対馬仏像盗難事件では、儒教化政策によって韓国が廃棄した仏像を正当な手続きで入手、大事に保管していた日本側に対して、韓国は「日本が盗んだものだから韓国にとどめる」として返還に応じていない(韓国の行為は国際法違反)。先ごろの南スーダンPKOにおける、韓国軍からの要請に答えておこなった銃弾提供は、感謝されるどころか、出鱈目な理屈でもって却って非難される結果に終わった。
以上は、ほんの一部の例にしか過ぎない。
<同じことであっても、自国や強国は非難せず、日本だけを選別的、集中的に非難する韓国>
韓国の日本批判は矛盾だらけで、虚偽に満ちており、しかも欺瞞のそれである。たとえば次のようなこともそうである(13日付 産経記事「から(韓)くに便り」からの抜粋)。
「(朝鮮)戦争は北朝鮮軍による突然の奇襲攻撃で始まり、首都ソウルはたちまち陥落し北朝鮮軍に占領された。その後、米軍(国連軍)の支援でソウルを奪還し、その勢いで韓国・国連軍は北朝鮮軍を中朝国境まで追い詰めた。 しかしそこで中国軍が30万の大兵力で軍事介入し、北朝鮮軍とともに再び南下してきてまたソウルは占領されてしまった。51年1月4日。「1・4後退」といわれ多くの避難民がソウルの南に逃れた。…略… 中国は朝鮮戦争への介入を「米国に抗し北朝鮮を支援した正義の戦争」といい、戦死者は「烈士」として英雄になっている。 しかし首都まで占領された韓国にとって中国の軍事介入は侵略である。被害は人的、物的なもののみならず、侵略者・金日成政権を中朝国境まで追い上げ、韓国主導の南北統一までいま一歩のところを中国に妨害されたのだ。 ところが韓国は政府もマスコミもこの過去について、92年の国交正常化時を含め中国に「謝罪と反省」を求めようとしない。…略…(黒田勝弘)」。
韓国のこの態度は、日本に対し‘植民地支配’の過去を限りなく追及し続ける態度とは対照的だ。彼らは、「中国の戦争責任と日本の植民地支配とは違う。日本の方が責任が重い。」と言うかもしれないが、客観的に見れば、戦争被害や南北分断、統一妨害など現代韓国への悪影響を考えれば中国の戦争介入責任の方が重いことは明らかだ。第一、日韓併合派、両国政府の正式合意、そして国際的な承認のもとに行われたものだから、完全に合法的なものであるが、中国のそれは一方的な武力侵攻であるから、非合法であるのは言うまでもない。韓国にとって日本の‘支配’は近代化というプラスの副産物(?)ももたらしたが、中国の韓国侵略戦争は社会システムの破壊、国土の荒廃、経済の壊滅的打撃以外の何物ももたらさなかった。
結局、韓国は侵略戦争責任を追及しても、中国は応じないと分かっているので、そして中国が強大な軍事力を持っていて、何をされるかわからないので黙っているのだ。韓国が日本を批判しているのは、そのほうが彼らの得になり、中国を批判すると損になるからということである。とすると結果的に日本のように韓国の要求に唯々諾々と応じる国は限りなく追及されることになるし、また実際このことは上述のように事実でもある。
韓国が日本を選別的に攻撃しているのは、戦争責任問題だけではない。たとえば、慰安婦問題についてもそうだ。韓国はこれを普遍的な「女性の人権問題」として世界中に喧伝しているが、韓国や米国が活用していた「慰安婦」については反省も謝罪もない。朝鮮戦争では韓国軍は、北の女性も「慰安婦」化し、それこそ本当に凌辱の限りを尽くした。また、ベトナムでは多くの現地女性に暴虐の限りを尽くした。韓国はこうした自国の「罪」には頬かぶりしている(その事実を発信すべき日本が黙っているから、この結果は当然と言えば当然なのだが…)。韓国内での女性の人権侵害はひどいもので、現在でも韓国は日本とは比べ物にならないほどの比率でレイプ事件が発生している。また、韓国は、現在でも世界中に10万人以上の売春婦を送り出しており、売春婦大国の一角を占めている。こんな韓国は、とても女性の「人権」を言えるような国ではないのだが、それが可能なのは、日本が‘大きな包容力’を発揮して、彼らの出鱈目を許して来たからにほかならない。もちろん、朝日が、この問題の虚偽報道をして、日本の‘罪’を捏造し、国内外に喧伝したことも大きい。
韓国が、日本を選別的に批判するのは、彼らの経済力が増加し、相対的に日本の経済力が弱くなったことも影響している。彼らは益々増長して、「水に落ちた犬はたたけ」とばかりに、日本が謝罪すればするほど、「日本タタキ」を強めるのである。なぜ、ここまでやるか?と言えば、それは、日本を叩けば叩くほど彼らが得をする論理構造があるからにほかならない。
<韓国が「反日」を止めないのは、日本に怒っているからではなく、それが得になるからであり、またそうしないと国が保てないからだ! こんな国は突き放して、距離をおいた付き合いをするしかない!>
韓国が日本の戦争責任や、歴史認識問題を執拗に追及するのは、竹島略奪の正当化、歴史を捏造して韓国を「戦勝国?」にしてしまうこと、日本の国際的地位や利権の横取り…、そして国内統治のための手段ということである。彼らの「反日4点セット」つまり竹島、慰安婦、靖国、教科書を始め、彼らの反日グッズ(言い掛かりのネタ)はいずれも、韓国の利益を確保するためのものであり、そこには巧妙な計算とからくりがある。たとえば、それは次のようなものである。
「(官房長官の)菅氏は(3月)29日のテレビ番組で、中韓両首脳が23日の会談で、安重根の記念館開設を評価し、連携を確認したことに対し、「日本で言えば犯罪者、テロリストの記念館だ」と不快感を示した。(これに対して、韓国外務省の)報道官は「伊藤博文こそ植民地支配と侵略を統括した元凶であり、安重根義士を非難することは(植民地支配と侵略を謝罪した)村山談話を否定することだ」と主張。」(3月30日 時事)。
ここで注目したいのは「安重根義士を非難することは(植民地支配と侵略を謝罪した)村山談話を否定することだ」と言っていることである。この主張を言い換えれば(論理学的な対偶を作れば)、「日本は村山談話を肯定しているのだから、安重根を義士として認めなければならない」ということになる。なぜ韓国はそうまでして安重根を「英雄」にしたいのか? それは、「韓国は日本による過酷な植民地政策に抗して、英雄的に独立運動を戦った」という‘歴史的事実’を捏造したいからであるだろう。実際は独立運動など無いに等しい状況であったし、それどころか韓国人は日本軍として連合国と‘果敢に’戦ったのであるから、このままでは世界にあまり偉そうなことが言えない。そこで‘被害者’を装うことになるが、これだけでは格好がつかないから、‘英雄的な抗日、独立運動’を捏造することになる。そうすると欲が出て、韓国を「戦勝国」に準ずる地位に押し上げることも夢ではないと思い始めたのだろう。まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」式の妄想の連鎖! 準「戦勝国」になればその旨みは計り知れないし、また最大のライバル?と見做している日本の地位をかすめ取ることも容易になるだろうからである。全く実体のなかった「光復軍」を独立、抗日戦争の象徴に祭り上げようとしていることも、同じ文脈のものだろう。
あるいはまた、韓国では「日本が竹島領有を主張していることは、日本が戦争責任を反省していないことの何よりの証明だ」という主張がなされている。これも対偶をとれば、「日本が戦争責任を反省していると言うなら、竹島が韓国領であることを認めねばならない」ということになり、韓国が日本の戦争責任を追及する目的の一つは竹島の略奪を正当化し固定化することにあると言えるだろう。それはまた、「日本海」の呼称を「東海=韓国の海」に変えることにも貢献する。同様に、河野談話をネタにした「慰安婦問題」の追及の目的は、日本のイメージダウンであり、これは、日本が営々と築き上げてきた国際的地位と権益を、横取りするためのものである(これは生物学でいうところの「スニーキング」に近い行為!)。これが事実であることは、たとえば、「韓国起源説(=ウリジナリティ)」による、日本文化の横からの略奪行為を見れば明らかだ。これは、サクラ、柔道、剣道、味噌、武士道、日本刀…、世界で高い評価を受けている日本固有の文化は、すべて韓国が発祥であるとする虚偽である。こんな出鱈目を世界中で触れ回っているのだが、「ウソも百回言えば本当になる」で、それなりの効果を上げている。なにしろ、世界の国々に、隣通しで顔も似ている日本と韓国の細かい違いなどわかるはずもないし、また優れた文化であれば、どちらが発祥かなどはどうでもよいことと思うだろう。韓国は多くの分野で日本のマネをして、国を豊かにしてきたが、現在では競合するところが少なくないから、先を走る日本がイメージダウンすれば、その代役は‘似たような国’である韓国が務めるのは、‘自然なこと’になるのだ(工業製品、文化・芸術、国際機関のポストなど)。また、「日本タタキ」は韓国の国としての統一を保つためにはどうしても必要なものとなっている。彼らは非理性的で身勝手で、しかもプライドだけは高いから、協調することができず、喧嘩ばかりする(同族による虚しい南北対立が一例)から、国を統一できない。国を統一するには核となる思想が必要だが、韓国にはそれがない。米国のように自由と民主主義の理念もないし、日本のように天皇を中心とする民族意識もないから、誰もが溜飲を下げる「反日」で国をまとめるしか方法がないのである。「反日」は上述のように経済的な利益も見込まれるから、「一石三鳥、四鳥」の妙策なのである(ただし、矛盾だらけの間に合わせのものだから、いずれ破綻するしかないが…)。
韓中の実態は以上のようなものであり、したがって朝日の記者氏が言うような「大きな包容力」などで関係改善などできるはずもないのであるが、それをあたかもできるがごとき夢想を振りまくところに朝日の陰湿な悪意が見て取れるのである。朝日は「大きな包容力」などという偉そうなことをのたまう前に、まず、「慰安婦問題」、「南京大虐殺」などについての虚偽報道で、対韓中関係を悪化させた元凶であることを厳しく反省してもらいたいものだ。そして朝日が、情緒的で欺瞞的な報道を止めることが、韓中との関係改善の有力方策であることを知るべきだ。対韓中外交についての事実は朝日の記事の逆、すなわち「大きな包容力では、韓中外交はうまくいかない」ということであるので、それゆえ、韓中外交の基本はこの対偶、「韓中外交をうまくやるためには、韓中に厳しく対応する」ということになる。つまり、日本はもう韓中の詭弁には騙されないことをしっかり示し、彼らの理不尽な言動には事実関係でもって断固とした反論を行い、毅然たる反撃行動で応えることである。