もとなりくんの「今週の政治 ‘とんでも’」

日本の経済、安保危機を打開する力は、国民の結束と強い政治しかない

自民宏池会_ 古賀氏の「保守本流」は時代錯誤の虚妄だ! 岸田、小野寺…新リーダーは時代要請に対処を!

2014-04-30 19:29:56 | 政治
2014年4月30日
良くも悪しきも日本政治に大きな影響を与えてきた、そしてこれからも与えるであろう自民党宏池会(岸田派)内で、前会長の古賀氏と現会長の岸田外相とが、安倍首相との関係および派閥運営を巡って火花を散らしている(以下、28日付産経記事に沿って述べる)。
「23日夜、自民党岸田派(宏池会)の政治資金パーティーが開かれた都内のホテル会場は一瞬、緊張が走った。 来賓としてあいさつした首相、安倍晋三は、今派内で影響力を示す派名誉会長の元自民党幹事長、古賀誠に目をやるとこう言い放った。 「安倍内閣は、宏池会の皆さんの助けなしにやっていけない。古賀名誉会長にも久しぶりにお目にかかったが、よろしくお願いしたい、と思う次第だ」 その後、乾杯の音頭をとるために壇上に上がった古賀も、すでに会場を去った安倍への対抗心をむき出しにした。 「いずれ宏池会を主軸とする保守本流の政権を再現するため努力を重ねる」 出席者の一人は「2人の関係は険悪なのがよくわかった」と振り返る。リベラルな宏池会「保守本流」-。古賀がいつも口にする言葉で、このときも2、3分の間に4回も使用した。 池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一と首相を輩出した名門派閥の意地がある。「保守本流」には、政権の「ど真ん中」にいたとの意味合いが強い。 しかし、自民党内での宏池会の政治信条は、保守というよりもリベラルだ。実際に古賀は、集団的自衛権行使容認に強く反対する急先鋒(せんぽう)に立つなど、安倍の政治信条を「タカ派」だと嫌う。」(28日 産経)。
日本が中韓から国家主権を侵され、領土侵略を強められ、経済不振、異常な財政赤字、少子高齢化…という「国家危機」に直面している現在、政治の責務は限りなく重い。ところが古賀氏は、「保守本流」という過去の栄光?に頼る派閥政治を行おうとしている。せっかく安倍政権のもとで、派閥の力が弱まり、自民党がまがりなりにも結束し、政高党低という本来あるべき体制が出来上がりつつあるのに、それを昔ながらの派閥と数の論理がまかり通る政治に戻そうとする古賀氏の野望は、日本にとって百害あって一利なしである。氏の動向を見ていると、国民や国の利益そっちのけで、30年も前の政治感覚で、個利個略、派利派略の言動を繰り返していることがわかる。最近では、日本の安全保障強化に否定的発言を行ない、まるで尖閣を中国に差し出さんがばかりのことも言っている。議員辞職したにも関わらず、裏で権力を行使しようとする姿勢もいただけない。宏池会(岸田派)の人達には、古賀氏を相手にせず、岸田外相、小野寺防衛相など、時代の要請に添う考えを持った有能な新たなリーダーのもとで、結束して国民と国家のために奮闘してほしいものだ。

《古賀氏の「保守本流」、「ハト派」路線の本質は、個利個略のための派閥活用であり、自分の利益のためには国を売ることも厭わないことを隠すための欺瞞でしかない》
古賀氏の発想が、国民や国家よりも、自分の権力基盤を固めることに向いていることは、例えば2012年9月の自民党総裁選での彼の行動を見れば一目瞭然である。「本命とみられた現幹事長、石破茂の選出を阻止すべく、当時の総裁の谷垣禎一を不出馬に追い込み、幹事長だった石原伸晃を担いだ。安倍の再登板にも慎重論を唱えた。しかし、石原は人気が集まらず、決選投票にも入れなかった。最終的に安倍が選出された。」(同)。石原氏(現環境省、元幹事長)に不足していたのは人気だけではなかった。「中国は尖閣に攻めてこない。誰も住んでいないんだから。」という脳天気な迷言からわかるように、彼には国の最高指導者としての見識、知識、能力が圧倒的に不足していた。なぜ古賀氏はそんな石原氏を担いだのか。それは、そういう人間なら傀儡として動かせるし、それによって自分の権勢を強めることができると踏んだからであろう。小沢氏が言った?という「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」の話を彷彿とさせるやり方だ。
古賀氏は古き悪しき自民党における誰やら(何人か)のように「キングメーカー」の座に就きたいものと見える。彼には「ポスト安倍」づくりを最後の仕事にしたいとの思いがある。彼が担ぐのは宏池会の後継会長に推した外相の岸田文雄氏である(だが、岸田氏は石原氏よりはるかに優れているように見える…!)。「もし、第2派閥の額賀派(55人)と第3派閥の岸田派(45人)が手を組めば、安倍を支える町村派(92人)を上回る勢力になる…。 特に古賀は毎月、岸田派参院議員を集め、岸田や農林水産相、林芳正を囲んだ会食を開催し、派の結束に余念がない。2500人を集めた23日の岸田派パーティーでは、資金を集めた力を誇示するように「こんなに大勢集まった。派閥の会長が違えば、こんなにも違うと痛感している」と(岸田氏に対する)皮肉交じりに挨拶した。」(同)。
彼にとって望ましい政治状況は、政権が弱いものであることだろう。そうであれば彼の出番が増える。ところが安倍政権は現状では安定している。そこで、安倍政権には独断専行の傾向があるなどとして政権に揺さぶりをかけている。彼は、安倍首相は「愚かな坊ちゃん」」とか、「みんな首相のポチになっている」などと口を極めて、情緒的で抽象的な政権批判を繰り返している。

《鈴木、宮沢、河野が日本を混乱させ、中韓を付け上がらせた! 古賀氏もそれを踏襲している!》
古賀氏は、宏池会を「保守本流」だと豪語しているのであるが、実際は宮沢首相以後の宏池会は「保守」ではなく社民党ばりの左派、「リベラル(=無責任)」であり、「本流」どころか、政治の本旨を忘れた大衆迎合による政権獲得、自分たちの軟弱さを「ハト派」という言葉で装う欺瞞的な議員集団だった(もちろんそうでない良心派もいたのであるが)。なお、「リベラル」とは、「政治的に穏健な革新をめざす立場をとるさま。本来は個人の自由を重んじる思想全般の意だが、主に1980年代の米国レーガン政権以降は、保守主義の立場から、逆に個人の財産権などを軽視して福祉を過度に重視する考えとして、革新派を批判的にいう場合が多い。」(大辞泉)とされる。古賀氏は、かつての自民党左派の中心人物として有名である。野中広務とそろって親中派として活躍した。古賀氏は昨年春、共産党機関紙「しんぶん赤旗」で「憲法96条改正は絶対反対、9条は平和憲法の根幹で世界遺産」と述べている。そもそも「世界遺産」というのは過去のもので、現代で使えないもの、未来永劫に固定化され、見るだけの飾りものである。憲法をこんな「世界遺産」に例えるところが、古賀氏の非現実的で観念的国家観、政治信条をよく表している(どう日本を守るかの具体的、現実的政策、戦略は皆無! これは社民党、共産党、民主党のそれである)。昨年6月には、日中間で尖閣の「棚上げ」合意があったと発言した野中元幹事長を擁護している。この野中発言は、根拠がないばかりか、「尖閣についての領土問題は存在しない」という日本政府の立場に反するもの、それゆえ中国の主張に与するものだから、到底許されるものではないのである。それを擁護する古賀氏も相当な「売国的」言動の仁であると言える。古賀氏は、道路族として土建政治を引っ張ってきたり、天皇の靖国神社参拝を推進していたりして、保守的な側面も持っているが、基本的に思想は左寄りである。中韓寄りの外交姿勢を貫いてきたし、選択的夫婦別姓制度・人権擁護法案などを推進してきた人物でもある。
そもそも宏池会は、鈴木善幸、宮澤喜一という2人もの軟弱な首相を出し、更に河野洋平という左寄りの総裁を出して、日本の政治を混乱させたばかりか、外交に疎く、中韓や米国からの圧力のままに、譲歩に譲歩を重ねて「先送り外交」、「土下座外交」の元凶となった。鈴木政見は、大平首相の急死を受けて、派閥力学の逆理的偶然によって、急遽誕生した政権であった。自民党内で究極の「和の政治」を実現したとはされるが、成果は少なく、「首相就任以来、一部マスコミからは直角内閣、暗愚の宰相と揶揄されていた。」(ウイキペディア「鈴木善幸」)。「一方で、元々社会党から政界入りしたこともあって外交面ではハト派色が強い一方で、苦手だった安全保障外交を中心に度々発言を修正することがあるなど発言に隙が出た。1981年(昭和56年)5月のレーガン大統領との会談後、記者会見で日米安保条約は軍事同盟ではないと発言。これに宮澤喜一内閣官房長官も同調したが、外務大臣の伊東正義は「軍事同盟の意味合いが含まれているのは当然だ」と反発して辞表を提出し、外相を辞任した。また中国と韓国から戦争に関する記述に反発する歴史教科書問題に直面した際には、外交懸念を抑えるために中韓の意向を受けることになったが、後世で保守派から「鈴木首相、宮澤官房長官は事実確認を怠ったまま謝罪に走った」と激しく批判されている。」(同 ウイキペディア)。この時出された「宮沢談話」によって、以後の日本の教科書が中韓の主張ばかりを取り上げ、肝心の日本の立場が説明されないという、およそ主権国家としてあるまじき状態に陥れられた。宮沢氏はその後、首相になったが、その時の官房長官だった河野洋平氏(同じ宏池会)と共に「河野談話」を発表し、日本が「強制連行」によって韓国をはじめとする多くの女性を「性奴隷」化したという根も葉もない虚偽を世界にまきちらす元凶になった。
宏池会の問題は、これら鈴木、宮沢、そして河野氏だけにとどまらず、軟弱で、「親中韓」、実質的に「反日」の指導者を生み出してきたことである(たとえば、宏池会に関わる人として、加藤紘一元幹事長、谷垣禎一前総裁、河野太郎元副幹事長(現在 麻生派)など_これら各氏の‘罪’の説明はキリがないので省略)。

《岸田氏、小野寺氏は安倍路線の正しさを守り抜け! 宏池会は古き悪しき体質から脱却し、時代の要請に応える活動を!》
「ある岸田派議員は「古賀さんには『おれが岸田を会長にしてあげたんだ』という態度が強い」と懸念を示す。」(同)に示されているように、宏池会の少なからぬ議員が古賀氏の言動に懸念を抱いているという。「岸田は21日、都内での講演で、古賀との微妙な違いをにじませた。「ハト派だろうがタカ派だろうが、立場を超えて国民の生命・財産を守るためにはどうしたらよいかを考えるのは大切だ。宏池会のハト派、リベラルという立場は課題によって使い分けないといけない」」(同)。これは全くの正論であり、会長がこういう姿勢であれば、宏池会も積極的、建設的な意味で大きな役割を果たしていくことができるだろう。岸田外相、小野寺防衛相は菅官房長官と共に、国家安全保障会議(日本版NSC)メンバーであり、安倍政権を支える最重要閣僚だ! 林農水省も岸田派所属である。もちろん「積極的平和主義」や集団的自衛権を推進する立場である。まさに首相の言うがごとく「安倍政権は宏池会抜きでは成り立たない」のである。時代はどんどん変化しており、政治に求められるスタイルも変化している。「保守本流」などという「俺が、俺が」の思考で権力の快感に酔いしれる時代ではない(小沢氏の哀れな末路を見よ!)。また「ハト派」を装っていれば、それで中韓外交、米国との外交がうまくいくという時代でもない。鈴木、宮沢、河野氏らが示した「ハト派」とは、すべてを先送りするか、無節操な譲歩を行う路線であり、軟弱で無責任な姿勢を美辞で飾る欺瞞的なものだった。岸田派は過去の宏池会の問題点を克服せねばならない。本来あるべき「ハト派」とは、国民、国家のための政策をしっかりした現実認識にもとづいて実現すべく毅然たる姿勢、断固たる行動を貫くなかで、無用な対立抗争を避ける努力をすることであるはずだ。「古賀は岸田の言葉に不満だったのか、25日のTBS番組収録でこう嘆いた。「安倍さんに代わるリーダーシップが見えてこないのは残念だ」(同)。これは岸田氏に、安倍首相との対決路線を促しているものと思えるが、そうする必然性も大義もないわけだから、小沢張りの「政局至上主義」とでも言うべきものであり、古賀氏のエゴ丸出しの悪あがきとしか言いようがない。現在の宏池会(岸田派)には見識があり有能な人が多いのだから、こんな言葉に惑わされるはずはないだろうし、惑わされてもらっては困るのである。上述の岸田氏の言葉からは、氏が時代の要請を良く理解していることが感じ取れる。頑張ってもらいたいものだ。