デモンストレーション

夜、食事をし終わってテレビをボ～と見ていると、



アリスが喜び勇んでペンギンさんを咥えてやって来た。……来ると思った。
別にオカァサン、ヒマじゃないんだけどね。



ペンギンさんを投げて欲しくて、私の食事が終わるのを待っていたのだ。
いや、でも今医学番組見ていて結構タメになるからね、とそのまま無視を決め込む。

しばらくしてチラッと横目で見てみると、



アリスは諦めて、ペンギンさんとひとり遊びをしていた。



いや！このソファの、わざわざひじ掛けのへりで遊ぶということは！？
私には見当がついている。



ありゃ！　目が合ってしまった！　形勢不利な私。



ほら！



ほらほら！！



ボトンッ！という音と共に、アリスの動きが止まった。
尻尾はちぎれんばかりに振っている。



これがアリスの作戦だ。



ペンギンさんを床に落とした後は、決して私の顔を見ることはない。
私にペンギンさんを拾わせるつもりなのだ。　尻尾の振り子は勢いを増すばかり。



わかったわかった……わかりました。

まんまとアリスの作戦に乗せられた。いや、毎回乗ってやっているので学習してしまったようだ。
こうして落とせば拾ってくれる♪　拾った後は遊んでくれる♪

ま、ほんの１０分も遊んでやれば満足してくれるのだから、



可愛いものだけど

一方……別の日。

私がパソコンの前にずっと座っていると、奥の部屋でガタッ！と音がした。
暗がりの向こうに、なんだかグレーのカタマリが見える……。電気を点ける。



ジャ～スミンッ！　そんなところで何やっているんですか！？



そういえば昼間、天袋の扉をちょっとだけ開けて探し物をしていた私。
ジャスミンは、どうもその時から気になっていたようだ。



いやぁ、押入れの中はたまに私の許可付きで入っていることがあるが、天袋の中は……なぁ。



ジャスミン（猫）の未知の遊び場。　どうするかなぁ……。
バカ親は真剣に悩むのデシタ。

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