ひとごとではない

イトーヨーカドーが、今後５年間で
不採算店の４０店を閉鎖すると公表したとの
報道がありました。


商売ですから、儲からないものは止める　－
それは仕方ないこととは思います。


自家用車を持つ若い世代にしてみたら、
別のお店に行けばいいだけのこと。
大した問題にもならないでしょう。


しかし、困る高齢者はたくさんいると思います。


大型店舗がオープンすると、
周囲にある小規模な商店にとって
大打撃となります。
潰れるお店は少なくないでしょう。


周辺地域に大きな影響を与えてオープンしておきながら、
採算が取れないといって閉店する。
だからといって、
元あった商店が戻るわけではありません。
まち自体も、元の姿に戻るわけではありません。


私の故郷、釧路市にも
イトーヨーカドーがあります。
かなり前の話ですが、
不採算で閉店するという噂が流れたことがありました。


私の母も、買い物難民です。
私が子どもの頃は、徒歩５～１０分圏内に
農協のスーパーや個人商店がたくさんありました。


しかし、ヨーカドーができたことで、
あちこち点在する商店に行くより、
ヨーカドー１ヶ所で買い物をする人が確実に増えました。


私の母も、
ヨーカドーができて便利になったと喜んだ１人です。


しかし、今度はそのヨーカドーが撤退するというのです。


ヨーカドー“だけ”のせいとは言いませんが、
ヨーカドーができて以降、
個人商店は少しずつ潰れました。
うちの近所は今、コンビニが１軒ポツンとあるだけ。
そのコンビニも、何度も潰れては
別のコンビニに姿を変え、
細々と現在に至っている状況です。


近年、町ハズレにイオンもオープンしましたが、
（先月？通り魔殺人事件が起きた場所）
バスでは行きにくい場所にあるのと、
巨大ショッピングモールは、
お年寄りの買い物には広すぎて向きません。


母の話では、
高齢者から、ヨーカドーを撤退しないでくれという
嘆願が出されたと聞きました。


幸い、釧路のヨーカドーは現在も営業しています。
でも結局、先のことはわかりません。
今回のような閉店のニュースが出るたび、
不安は続くと思います。



近年、ＣＳＲ（企業の社会的責任）の重要性が
注目されています。


企業は利益を追求するだけでなく、
社会に与える影響についても責任をもち、
消費者、投資家、社会全体など、すべてに対し、
適切な意思決定をする責任を持つ、ということです。


儲からなかったら、撤退すればいい、
あとがどうなろうと、そんなことは知らない　－
そんな理念を持つ企業であってはいけないということです。


今回の閉店はもう決定事項だから仕方ないでしょうが、
ヨーカドーに限らず、
これからますます高齢化社会になり、
独り暮らしや、高齢者だけの世帯が増える一方の日本、
高齢者の買い物について、
もっと真剣に考えて取り組んでほしいと切に願います。


（さいたま新都心にオープンしたコクーンなど、
お店ができるのはありがたくても、
中に入っているお店が若者向けのお店だけ、というのも
この先どうなんでしょうね・・・。）


私もいずれ独居老人、
買い物難民になるのが、今から怖いです



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