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ワシのメディスン(修正再掲)

2017年09月16日 | ・アニマル・メディスン
(以前書いたものを大幅に修正しました。)

今回は、アニマル・メディスン ワシ Eagle の巻です。


写真は、ネットからお借りしました。








動物として


ワシ  タカ目
学名:Aquila  英名:Eagle 


鳥綱タカ目に属する鳥のうち、
比較的大型で、強力な種を指す通称であり、
分類学的には、ワシというグループは存在しない。


また、ワシとタカの間には
分類学的な違いはなく、
全長80~90センチの大型のものをワシ、
全長50~60センチの小型のものをタカと
慣習的に呼び分けているだけである。


ただし、例外もあり、
クマタカは、全長約80センチでもタカ、
カンムリワシは、全長約50センチでも
ワシと呼ばれている。


タカ科は現在、14亜科に分かれ、
65属250種から成る。


そのうち、ワシと呼ばれるものには、
ヘビクイワシ、オウギワシ、ヒゲワシ、ウミワシ類、
ハゲワシ類、カンムリワシ類、イヌワシ類などがいる。


■ヘビクイワシ■

単独で、タカ目 ヘビクイワシ科を構成する。
アフリカの草原に生息し、
爬虫類、鳥類、小型哺乳類を主食とする。






■オウギワシ■

単独で、タカ目 タカ科 オウギワシ属を構成する。
中央アメリカから南アメリカの熱帯雨林に生息し、
サルなどの哺乳類、鳥類を主食とする。






■ヒゲワシ■

単独で、タカ目 タカ科 ヒゲワシ属を構成する。
アジア中部、ヨーロッパ南部、中東、アフリカの
山岳地帯や草原に生息し、死肉を主食とする。







■ウミワシ類■

約10種から成る。
多くが北半球北部の海岸や湖沼に生息し、
魚類を主食とする。

オオワシ


ハクトウワシ




■ハゲワシ類■

約14種から成る。
アフリカ、インドを中心に生息し、
哺乳類の死肉を主食とする。

クロハゲワシ


ミミヒダハゲワシ




■カンムリワシ類■

約12種から成る。
南アジア、東南アジアの湿地帯や水田に生息し、
爬虫類、両生類を主食とする。







■イヌワシ類■

クマタカを含め、多くの種から成る。
アフリカ大陸北部、北アメリカ、
ユーラシア大陸北部の開けた森林や草原に生息し、
哺乳類、鳥類を主食とする。

クマタカ


イヌワシ




■以降、ワシ類共通の特徴■


ほとんどが単独で行動する。


食性は動物食。


人間の約8倍の視細胞を持ち、
人間の約8~10倍の視力を持つ。


色を識別する「色覚能力」にも長け、
紫外線を見ることもできる。


時速80~160キロで飛行する。
急降下する場合は、
時速200キロを超えることもある。


上昇気流に乗り、
羽ばたかずに飛行することができる。(ソアリング)


メスの方が大きく、体力も優れている。


一夫一妻で、同じ相手と添い遂げる。


古代から、鳥の王者とされ、
世界で広く、信仰や尊崇の対象とされている。


多くの国で、国鳥に指定されている。
アメリカ合衆国では、ハクトウワシ
フィリピンでは、フィリピンワシ
パナマでは、オウギワシ
モンゴルでは、オジロワシ
ザンビアでは、サンショクウミワシ
アルバニアでは、イヌワシ など。


国章や紋章、国旗など、
シンボルとしても、数多く用いられている。
ドイツやオーストリアの国章、
ローマ皇帝やナポレオンの紋章、
東ローマ帝国の紋章、
セルビア国旗、メキシコ国旗 など。


絶滅危惧種となっているものが多く、
ワシを保護する法律が世界各地で成立している。


アメリカにおいては、
ハクトウワシやイヌワシを殺した場合、
最高2,500万円相当の罰金が科され、
羽を所有するだけでも逮捕される。


フィリピンにおいては、
フィリピンワシを傷つけたり、殺した場合、
最大12年の懲役や200万円以上の罰金が科される。


日本でも、ワシの尾羽は神聖なものとされ、
伊勢神宮の遷宮には、
ワシの尾羽を献上したという記録が残っている。


アニマル・メディスンとして


ワシが象徴するもの
   ・・・神性、力、勇気、知、千里眼、癒し、創造、不死、
      俯瞰、真実を見る、広い視野、真理とのつながり、
      再生、メッセンジャー
      

ワシは鳥の王、長である。
ワシは、他のどの鳥よりも天高く舞い上がり、
唯一、神の近くまで到達できる生き物である。


ワシは、天と地の橋渡し役であり、
大精霊(神)の神聖なる使いである。


ワシは、翼に人間の祈りを乗せて
大精霊のもとへと運び、
大精霊からの天啓やギフトを
人間に運び届けている。


ワシは、ほとんどの時間、
怖れや不安とは無縁の上空で過ごし、
地上を入念に見渡している。


ワシは、天と地の間で
バランスを取って生きるため、
物事の真実を見る眼力を象徴する。


ワシはわれわれに、
バランスを取ることの大切さ、
空を見上げて祖父なる太陽を愛するように
地上の影も愛するよう教えている。


ワシはわれわれに、
より高い視点から、人生を眺めるよう教えている。
人生の課題に直面し、
答えがなかなか見つからない場合、
新しい視点を取る必要があると伝えている。


われわれの視野は固定されていて、
答えはすぐ目の前にあるのに、
気づいていないだけかもしれない。
ワシはわれわれに、
一歩下がって、全体図を見渡すこと、
俯瞰することが重要であると教えている。


ワシは、勇気を象徴する。
未知なる領域へと飛び込むためには、
慣れ親しみ古くなった思考や信念から自分を解放し、
大きな勇気が必要となる。
また、ワシのように高く飛ぶためには、
自分を充分に信頼していなければならない。


ワシはわれわれに、
自分の内にある恐怖と対峙することで、
心から湧き上がる喜びという高みまで
到達できるようになると教えている。


われわれは霊的に成長し、
学びや気づきを得たいのなら、
時に、大きな変身をしなくてはならない。
ワシはわれわれに、
地上がわれわれの唯一の『家』ではないこと、
真の家、すなわち霊的な領域へと
高く舞い上がるよう教えている。


ワシのトーテムを持つ人は、
グローバルな考え方を持ち、
パワフルなリーダーや教師である。
勇敢で、豊かな創造力と洞察力を持っている。


ワシのカードが出た場合、
勇気を出し、自分が思っている限界を超え、
より高いレベルを目指すよう促している。


ワシは、四大元素の
『風』と深いつながりを持つ。
風は知の象徴であり、その先には
知を超える大精霊へとつながっている。


さらにワシは、再生と春を象徴する
『東』を治めるものとされている。


ワシのカードが出た場合、
変化の風が近づいていることを知らせている。
人生において、象徴的な『死』からの再生か、
一新するような大きな出来事が起きるかもしれない。


ワシの羽は、力、癒し、知の象徴であり、
ヒーリングの最も聖なる道具とされている。
シャーマンがヒーリングの儀式を行う際、
ワシの羽は、精霊とつながる強力な助けとなる。


ワシのアゴは非常に強く、
一撃で、獲物の体を打ち砕くことができる。
ワシはわれわれに、
自分のアゴ、すなわちアゴから発する言葉が
他の人にどのような影響を与えているか、
注意するよう伝えている。


力を加減していない言葉は、
誰かを傷つけたり、心を挫けさせることがある。
ワシはわれわれに、
自分の言葉にもっと注意をするよう伝えている。


ワシは非常に辛抱強く、
何時間も同じ場所に止まっていることがある。
ワシのメディスンを持つ人は、
人生のあらゆる面において、
忍耐を修得するよう仕向けられ、
忍耐を通じ、すべてが可能となることを学ぶ。


ワシの足は、4本の指を持つ。
数秘術において、数字の4は
堅固な基礎やグランディングを象徴する。


ワシのトーテムを持つ人は、
大地、すなわち人生に
しっかりとグランディングしながら、
霊的な側面とも調和して生きている。


古代から現代に至るまで、
世界中の宗教および霊的な伝統において、
ワシは救済、希望、強さ、自由の象徴とされ、
太陽と雷に深くつながるものとされている。


また、世界最初のシャーマンはワシとされ、
世界中のシャーマンの伝統において、
ワシは、宇宙の中心的役割を担っている。


ギリシャ神話において、ワシは
主神ゼウスの神聖なる生き物であった。
ゼウスは雷を落とす時、イヌワシに変身した。


ローマ神話において、ワシは
主神ユピテルの神聖なる生き物であった。
古代ローマ帝国では、ワシを国章にしていた。


古代エジプトにおいて、ワシは
大精霊や、正午の太陽の象徴であった。
ワシは、平凡な日常から解放し、
宇宙の神髄に対する気づきを与え、
霊的な成長へと導くものと見なして崇めた。


エジプトヒエログリフ(聖刻文字)のアルファベットで、
最初の音Aはエジプトハゲワシを意味し、
他のすべてに対する優位性を示していた。



ヒンドゥー教の最高神ビシュヌは、
人間の体、ワシの頭と羽を持つ神鳥『ガルーダ』に乗っている。



ケルトの伝承において、ワシは
太陽と深いつながりを持つものと考えた。
ゲール語でワシは、
『太陽の目:Suil-na-Greine』と呼ばれている。


ネイティブ・アメリカンの伝承において、
イヌワシとハクトウワシを聖なる生き物としている。


いくつかの部族にとって、
ワシは、雷の精霊であり神鳥である『サンダーバード』を象徴する。
(トーテムポールの一番上がサンダーバード)



ネイティブ・アメリカンのチェロキー族は、
部族の祭日Pow Wowにおいて、
『イーグルダンス』と呼ばれるダンスを踊るが、
その際、ワシの羽を付けた頭飾りを身につけている。
羽は勇気や名誉を表し、羽が多いものほど
より多くの尊敬を集めている者である。



また、チェロキー族は、
ワシの羽を儀式、ヒーリング、浄化にも使用する。
ワシの尾羽は2色に分かれていることから、
ワシの生命と人間の生命、
光と闇、男性と女性、夏と冬、
実体と影、平和と戦争、生と死の
二面性を象徴するものと考え、
人生というサークルの中で、バランスを保つためには、
ワシのシンボルが役に立つと考えた。


ワシは真の捕食者であり、
自然のバランスを健全に保つ助けをしている。
捕食者は弱いもの、病気のものを捕食することで、
病気の蔓延を防ぐ手助けをしている。
古くから、多くの文化において、
ワシは癒しの役割を持つとされている。
ワシのトーテムを持つ人は、
しばしばヒーラーである。


ワシは、勤勉によってのみ与えられる神の恩恵や理解、
自分の力を最大限に引き出すことで
試練を克服することを象徴する。


人生の浮き沈みを経験し、
大精霊とのつながりを
信じられるかという試練を通じてのみ、
ワシのメディスンの真髄につながることができる。


宇宙はわれわれに対し、
時に、大きく飛翔する機会を与えてくれるが、
同時に、霊的な試練を伴うかもしれない。
霊的な試練を通じ、われわれは
自分の魂、性格、感情、精神の
どの部分を強くするべきか、
研鑽すべきか、気づくことができる。


ワシのメディスンは、神とのつながりであり、
大空の自由を思い出させるギフトである。
ワシはわれわれに、自分自身を自由にし、
心が望む真実の喜びに従って生きるよう伝えている。




《逆位置》


小さなことにとらわれ、
全体が見えなくなっているのではないか。

過去にとらわれて、
自分はこの程度と決めつけ、
ふさわしくない場所に巣を作っていないか。

バランスの取れた視点を失っていないか。

神とのつながりを失ったように感じているのではないか。

自分を信頼しなさい。
もしくは、自分を信頼できるようになるため、
自分の目標に辛抱強く取り組みなさい。

神があなたを愛するように、自分自身を愛しなさい。


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シカのメディスン

2017年09月10日 | ・アニマル・メディスン
今回は、アニマル・メディスン シカ Deer の巻です。


写真は、ネットからお借りしました。









動物として


シカ      鯨偶蹄目 シカ科
学名:Cervidae  英名:Deer


綱偶蹄(ぐうてい)目 シカ科に属する哺乳類の総称。


ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸に広く分布。


約18属 約36種から成る。


シカ科は、シカ亜科とオジロジカ亜科の
2亜科に大別される。


シカ亜科の代表的な種としては、
ホエジカ、アカシカ、ニホンジカなど。

ホエジカ





アカシカ





ニホンジカ





オジロジカ亜科の代表的な種としては、
オジロジカ、ヘラジカ、トナカイなど。

オジロジカ





ヘラジカ





トナカイ





なお、ジャコウジカは独立したジャコウジカ亜科、
カモシカはウシ科に属する。

ジャコウジカ





カモシカ





シカの大きさは、種によってかなりの差があり、
最大種は、ヘラジカ
体長 250~310センチ
体重 200~825キロ



最小はチリの固有種 プーズー
体長 70~90センチ
体重 6~13キロ



食性は、草食性。
草類、木の葉、木の実、果実、ササ、若芽を主に食べる。
食べ物が少ない時は、樹脂や樹皮を食べることもある。


主に、薄明薄暮性。
明け方に行動を開始し、
日中は食べたり寝たりを繰り返し、
夕方になると巣に戻る。
人里近くや、農作物が育っている場所では、
夜に活動する場合もある。


繁殖期を除き、
オスとメスは別々に群れを作って行動する。


ウシと同様に4つに分かれた胃を持ち、
反芻による消化を行う。


トナカイを除き、
オスのみが、枝分かれしたツノ(枝角)を持つ。
トナカイは、オスメス共にツノを持つ。


ウシ科のツノ(洞角)は
生え替わることなく一生伸び続けるが、
シカのツノ(枝角)は骨組織から成り、
毎年生え替わる。


春季、生えたばかりのツノは、
ビロード状の短毛で覆われている。(袋角:ふくろづの)



袋角の内側には、血管や神経が通っており、
中心に骨質が形成され、十分伸びると血流は止まり、
角化は完了する。


袋角の状態の時は変形しやすいため、
シカは角を傷つけないようにしているが、
角化が完了すると、木などに角をこすりつけて、
外側の死んだ組織を落とすことで、
全てが骨質の角となる。


角の成分はカルシウムであり、
落ちた角は、ネズミなどの他の動物の
貴重なカルシウム源となっている。


鋭い聴覚を持つ。
シカの耳は180度回転し、
左右別々に動かすこともできる。


鋭い嗅覚を持ち、匂いで危険を察知する。


色盲であり、視力はあまり良くない。


非常に優れた跳躍力を持ち、
助走なしで、高さ1.5メートルほどの柵を
飛び越えることができる。
さらに、危険が迫っている時などは3メートル、
追われている時などは6メートル近く
飛び跳ねることができる。


時速約60キロのスピードで走ることができる。


性格は、非常に臆病。


人間との関わりは非常に古く、
約5,000~6,000年前の縄文時代まで遡る。
シカは狩猟の対象であり、
食用として、人間の生活と深い関わりがあった。


シカはいつの時代も、
「俊敏」「非力」「優しさ」の象徴であり、
時に、峻険な山の象徴でもあった。


鹿島神宮や春日大社などにおいて、
シカは神の使いとされている。



アニマル・メディスンとして


シカが象徴するもの
   ・・・優しさ、優雅さ、純真、繊細さ、敏感、直感、機敏、瞬発力、
      魔法、豊かさ、用心深さ、再生、決断力、内なる子供、
      無条件の愛、平和


シカは自然と調和し、
世界に平和をもたらす聖なる生き物である。


シカは、われわれが自分のハートとつながって
生きている瞬間にだけ現れる
優しさや優美さを象徴する。


シカやレイヨウは、古くから
愛や調和のエネルギーを象徴する
ハートチャクラと深いつながりを持つと
考えられている。


シカはわれわれに、
どんな時も自分自身だけでなく、
他の人や他の生き物に対して優しさを失わず、
心を開いて愛するよう教えている。


われられがすべての生き物に対して
愛をもって生きる時にのみ、
他者と自分の命の間にある境界が消え、
自分に与えられた霊的なギフトや魔法、そして
神髄につながることができるようになると
シカは教えている。


シカの角は、自分を守るだけでなく、
自分を主張するという役割も果たす。
シカは、われわれに
優しくあるということは、
無防備であったり、
弱いということではないと教えている。


シカはわれわれに、
自分は誰かの被害者であるとか、
自分は無力であるというような考えを
持ってはならないと伝えている。


宇宙においては、犠牲者という概念は存在せず、
すべては、自分の思考通りに起きているということ、
現実とは、自分の潜在意識が創り出したものであり、
自分で変えることができること、
すなわち、われわれは自分の人生を変える力を
持っているということを
シカはわれわれに伝えている。


シカのトーテムを持つ人は、
穏やかで優しい気質を持ちながら、
意志を貫く強さも持っている。
人生における最大の困難に直面しても、
優しさと優雅さとともに
切り抜けることができる。


シカの角は、生え替わりすることから、
世界の多くの文化や伝承において、
シカは再生の象徴として崇められてきた。
シカの角の驚くべき再生力は、
魔法や魔術とのつながりという
神秘的な側面をシカに与えている。


シカのトーテムを持つ人は、
人生を一新させる魔法のようなパワーを持つ。


シカのカードが出た場合、
自分に役立たなくなった古い思考や
行動のパターンを手放すよう伝えている。
あるいは、新しい扉が開かれ、
新しい冒険が始まろうとしていることを
伝えている。


シカの感覚は非常に鋭敏で、繊細である。
シカの目は、暗闇でもよく見ることができ、
シカの耳は、遠く離れた小枝がきしむ音も
聞き取ることができる。


シカは、闇の先にある真実を見通す透視力、
異世界の音を聞き取れる透聴力を持つと
考えられている。


シカはわれわれに、
五感や直感を充分に活かすためには、
内なる平和を保つことが必要であると教えている。


そしてシカは、われわれが
直感やひらめきを受け取るため、
ハイヤーセルフやアストラル次元につながるのを
サポートしてくれる。


シカのトーテムを持つ人は、
人生のあらゆる場面において、
豊かな感受性を表現する。
霊的な世界における優しい巨人であり、
人生が与えてくれる教訓の価値を深く理解し、
自分を生かし育んでくれた存在への感謝を
決して忘れることがない。


捕食動物であるシカは、
周りに捕食者がいないか常に警戒し、
非常に慎重・俊敏に動き回る。


シカのトーテムを持つ人は、
時に、誰かを信頼したり、
自分の居場所が安全であると感じるまで
時間がかかることがある。
シカはどんな時も、
自分の直感を信じるよう伝えている。


シカは、純真無垢、無邪気さを象徴し、
内なる子供とのつながりを持っている。


われわれはみな、かつては、
野に咲く小さな花にも笑ったり興奮した
無邪気な子供時代を持っていた。
シカは、われわれの内なる子供の
遊び相手としてやってきて、
われわれが成長とともに忘れてしまった
無邪気さや純真さを思い出させてくれる。


シカは、代表的な狩猟獣として
世界の数多くの神話に登場する。


ギリシア神話において、シカは
女神アルテミス、アフロディーテ、アテナの
聖なる生き物であった。


月と狩猟の女神アルテミスは、
シカを追う弓の名手であり、
アルテミスの水浴を見たアクタイオーンは
シカに変身させられた。


また、雄シカは、
太陽神アポロンの聖なる生き物であった。


ローマ神話においては、シカは
女神ダイアナの聖なる生き物であった。


ケルトの神話において、雄シカは
狩猟の神にして冥府神、獣の王・動物の王である
ケルヌンノスの動物である。
ケルヌンノスは、絵画において、
シカの角のついたヘッドドレスを身につけ、
常に雄シカとともに描かれている。



森林の女神フリディッシュは
シカが引く戦車に乗っている。


白いシカは、異世界の神の使いであり、
人間を異世界へと導く役目を担うとされていた。


また、ケルトの伝承において、
シカは、メスとオスで異なる側面を持つと
されている。


雌シカは、繊細さ、優雅さを象徴する。
雌シカは、妖精の世界とつながりを持ち、
霊性について、人間に教えてくれる存在である。
雌シカは、『文明』という罠から自分を解放し、
森の中に深く入って、
魔法や霊性を探求するよう人間を誘っている。


雄シカは、独立、浄化、誇りを象徴する。
雄シカは、森林や大地と強いつながりを持ち、
神聖なる森の王であり、
森のすべての生き物の保護者である。


古代シュメールの儀式において、
豊饒の神は、雄シカの皮と角を身につけている。


中国や日本の伝説の生き物である龍は、
シカの角を持つ。


世界中で、シカは再生の象徴とされてきたが、
ある伝承において、
シカの枝角と木の枝が似ていることから、
雄シカは生命の樹とつながりを持つとされた。
またシカの角は、そのままでも粉末にしても、
大きな魔法を含むものとされていた。


古代のシャーマンにとって、雄シカは
角を持った神であった。
やがてキリスト教が広まるにつれ、
角を持った神はサタンの象徴とされたが、
人間のために多くの命を捧げたシカは、
人々のために十字架で血を流したイエスであり、
キリストの象徴とされた。


ネイティブ・アメリカンは、
シカなどの枝角を持つ動物は、
大いなる超能力や霊的なパワーを持つと考えた。


ケルト民族もネイティブ・アメリカンも、
狩りの際は、シカに対して祈りを捧げ、
必要以上の獲物は捕らないことを誓っていた。



ネイティブアメリカンには、
以下の伝承がある。

――――――――――――――――

ある日、雌シカは
大精霊が聖なる山の頂から
自分を呼ぶ声を聞いた。


雌シカは山へと向かったが、
大精霊の在る場所に通じる道には
恐ろしい悪魔がいることを知らなかった。


悪魔は、いかなるものも
大精霊に近づけないようにしていた。
悪魔は、大精霊がすべての生き物を
拒絶しているとして、
来るものを脅かし、自分を怖れさせていた。


しかし、雌シカは悪魔を見ても、
全く怖がらなかった。
悪魔は火と煙を吐き、嫌な音を出して
雌シカを怖がらせようとした。
どんな生き物もその場から逃げ出すか、
恐怖のあまり、死んでしまっていた。


しかし雌シカの目は、
悪魔に対しても、愛と思いやりで満ちていた。
雌シカが自分を怖れないので、悪魔は驚いた。
悪魔がどんなに頑張っても、
雌シカを怖がらせることはできなかった。


すると、悪魔の心は溶け、
体は木の実ほど小さく縮んでしまった。
雌シカの強い愛と優しさは、
悪魔を滅ぼしたのだった。


雌シカの優しさのおかげで、
すべてのものは、大精霊のもとに
行くことができるようになった。

――――――――――――――――


この伝承から、シカはわれわれに
他者を無理に変えるのではなく、
愛情を持って正しい方向へと
優しく導くよう教えている。


他者をあるがままに受け容れ愛すること、
真のパワーとは、
愛と思いやりの中にあると教えている。


シカは、言葉、思考、物腰、ボディタッチなど
すべてにおいての優しさ、繊細さを象徴する。
また、感謝や献身、より良いもののために
自分を犠牲にすることも象徴する。


シカは、われわれに
優しさと思いやりこそが
人生の困難を克服するのに役立つこと、
そして、自分自身と他者を愛することが、
宇宙の完全性の真の意味を理解するのに
役立つことを教えている。



《逆位置》


神経過敏になっていないか。

相手を否定し、自分のやり方を無理強いしていないか。

力を無理に通そうとしていないか。

自分を愛し、他者を愛しなさい。

感謝する気持ちを忘れてはならない。

すでに自分に不要となったものに執着していないか。
古いものを手放し、新しいものを手に入れなさい。

イライラしたり、ネガティブな気分になっていないか。
自然の中で独りで過ごす時間を持ち、
母なる大地とつながって、穏やかさを取り戻しなさい。


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ハリネズミのメディスン

2017年08月21日 | ・アニマル・メディスン
今回は、アニマル・メディスン ハリネズミ Hedgehog の巻です。


写真は、ネットからお借りしました。









動物として


ハリネズミ   ハリネズミ目 ハリネズミ科 ハリネズミ亜科
学名:Erinaceinae 英名:hedgehog 


広義には、
針毛を持たないジムヌラ亜科と、
針毛を持つハリネズミ亜科から成る
ハリネズミ科に属するすべての動物を指すが、
一般的に、ハリネズミ亜科のみを指すことが多い。

ジムヌラ



ハリネズミ亜科は、5属16種から成る。


最大は、ヨーロッパハリネズミ
体長 約20~30センチ
体重 約600グラム~1200グラム



最小は、エチオピアハリネズミ
体長 約14~28センチ
体重 約280~500グラム



ユーラシア大陸、アフリカ大陸に広く分布。


哺乳類の中でも、非常に古くから存在し、
約6,500万年前の新生代の頃の
祖先の化石が発見されていることから、
「生きた化石」と呼ばれている。


日本でも、ハリネズミの化石は出土しているが、
有史以後は生息していなかった。
現在、ペットとして飼われていたものが野生化し、
関東の一部に定着しているのが確認されている。


森林、草原、砂漠、耕作地帯、荒れ地、人家の近くなど、
様々な環境に適応し生息する。


地上で生活するものが多いが、
地下に穴を掘って生活するものもいる。
樹上では生活しない。


狭い場所に潜り込むのを好み、
イギリスでは、生垣周辺でよく見つかることから、
Hedgehog(生垣のブタ)という名前が付いた。


夜行性。
昼は木の根の間などで休み、
夕方から夜にかけて、餌を探し活動する。


繁殖期と子育て期を除き、
単独で生活する。


食性は、主に虫食の雑食性。
昆虫類のほか、ミミズ、カタツムリ、ナメクジ、
カエル、トカゲ、ヘビ、鶏の卵や雛、小型哺乳類、
果実、種、キノコなども食べる。


大食漢であり、
1日に、体重の3分の1に当たる量を食べる。


視力はあまり良くないが、
聴覚と嗅覚は優れている。


ひげは、狭い場所に潜り込む時、
触覚の役割を果たしている。


見かけの割に、動きは素早い。
時速6キロで走ることができる。


泳ぐのが得意。


木登りも得意。


1日18時間眠る。


トゲのような針毛は、
体毛がまとまって硬化したものである。


外見から、ヤマアラシとよく比較されるが、
ヤマアラシは、攻撃のために針を使うのに対し、
ハリネズミは、防御のために針を持う。

ヤマアラシ


ハリネズミ



ヤマアラシの針は、攻撃の際に簡単に抜けるが、
ハリネズミの針は、丸まって頭や腹部を守るものなので、
簡単に抜けることはない。
また、高い場所から転落した際には、
クッションの役目もする。


針には返しがついており、
刺さると簡単には抜けない点は、
ヤマアラシと共通である。


とてもおとなしく、臆病な性格である。
警戒している時にも、体を丸めて針を立てたり、
鳴き声をあげ、跳ねながら威嚇することもある。


見慣れないものを目にすると、
舐めたりかじったりして口に入れ、
だ液と混ぜて泡状にし、
長い舌で背中の針に塗る習性がある。
(香油塗り、アノインティング)



これは、臭いを自分にもつけることで、
身を隠すカモフラージュと考えられている。


ヘビの毒に対して耐性を持ち、
毒ヘビを食べてしまうこともある。


有毒な植物を咬んで体に塗り、
毒で身を守ることもある。


暑すぎると夏眠、寒すぎると冬眠する。



古代エジプトをはじめ、
現在も多くの国で食材とされており、
アフリカなどでは、民間治療や
呪術医による治療の材料にもされている。


ナメクジなど害虫を食べるため、
イギリスでは、ガーデニングをする人に歓迎されている。


ペットとしても人気がある。


アニマル・メディスンとして


ハリネズミが象徴するもの
・・・防御、独創性、豊かさ、パワー、元気活力、太陽、直感、スタミナ、強い生命力、
   生きることを愉しむ、明るさ、賢さ、喜び、純真さ、無邪気さ、幸福、転生、
   センタリング、グランディング


地面に腹を接するように歩くハリネズミは、
母なる大地と深いつながりを持ち、
豊かさや繁栄を象徴する。


また、子宮内の胎児のように丸くなることから、
センタリングや、宇宙の神髄とのつながりも象徴する。


ハリネズミの驚くべき特徴として、
ヘビの毒に対し、生来の耐性を持つことがある。
このことからハリネズミは、
悪に対する完全勝利、復活、転生、強い免疫力、ヒーリング、
死を超える生命力の象徴ともされている。


ハリネズミは非常に敏捷で、
木登り、泳ぎも得意とすることから、
驚異的なスタミナや元気、活力も象徴する。


夜行性であるハリネズミは、
直感、超能力、予知能力、透視と関係が深く、
真実を見通す力を持つとされている。


このように、体は非常に小さくても、
ハリネズミはパワフルなトーテムアニマルであり、
シャーマンやヒーラーはしばしば、
強力なヒーリングを必要とする場合、
ハリネズミの精霊を召喚する。


ハリネズミの針は、
捕食者を退ける強力な武器であるが、
食べ物を集める時、ユニークな道具にもなる。


ハリネズミは、落ちているぶどうの実の中で転がり、
針に実を刺して巣に持ち帰る。
この様子から、古代ギリシャとローマにおいて、
ハリネズミは知性の象徴とされていた。

中世に描かれたハリネズミの絵





古代エジプトにおいて、ハリネズミは
すべての動物の中で最も賢く、
天地創造の際には神を助け、
そのお礼として、針のコートを与えられたと考えた。


ハリネズミは、太陽が輝くさまに似ていることから、
アジアや中東の一部において、ハリネズミは
太陽や火と深いつながりを持ち、
人間に火をもたらした動物であると考えた。
また、豊かな収穫と肥沃な大地の象徴ともされていた。


古代ギリシアにおいて、ハリネズミは
狩猟・貞潔の女神アルテミスの代わりとして
崇められた。


古代ローマにおいて、ハリネズミは
天気を予報する生き物、あるいは
春を告げる生き物と見なされた。
現代のヨーロッパでも、
2月2日、ハリネズミが冬眠から覚めて
穴から出てきたら、冬は終わりとされている。


古代シュメール人は、ハリネズミを
愛と美の女神イシュタルの代わりとして崇めた。


中国のある地域では、
ハリネズミは神聖な生き物であり、
敬意をもって扱われているが、
別の地域では、不吉な生き物とされている。


ケルト文化においては、ハリネズミは
若返りと春の象徴である。


イギリスでは、古くからハリネズミは愛され、
約3,000年前の青銅器時代の子供の墓から、
ハリネズミの形をしたおもちゃが出土している。


ハリネズミの最大の特徴である針は、
優れた防御力を象徴する。


ハリネズミのカードが出た場合、
必要な時、自分をしっかりと守るよう伝えている。
身体的暴力、言葉による暴力など、
あらゆるネガティブなエネルギーを排除し、
幸福感やポジティブなエネルギーで自分を満たすよう、
ハリネズミは伝えている。


ハリネズミはおとなしく臆病だが、
好奇心は旺盛である。
針を持ってはいても、決して攻撃的ではない。


ハリネズミのトーテムを持つ人は、
好奇心が旺盛で、冒険好きである。
穏やかで優しい性格であるが、
それは、自分に自信を持っているからである。


ハリネズミのカードが出た場合、
いくつになっても、好奇心や無邪気さ、
子供のようにワクワクする気持ちを
失わないよう伝えている。


ハリネズミは、地球の波動と密接に結びついて
生きている。
ハリネズミはわれわれが
自然界の精霊や妖精とつながるのをサポートし、
困難に直面した時には、
センタリングとグランディングできるよう
サポートしてくれる。


ハリネズミのトーテムを持つ人は、
どんな時も冷静かつ慎重で、
常に地に足をしっかりとつけ、
困難には、現実的で有効なやり方で立ち向かう。


ハリネズミはわれわれに、
物事を終わらせるためには、
時に強い決断力を持って行動するよう伝えている。


ハリネズミは、新しいものに遭遇すると、
唾と混ぜて泡にし、背中に塗るという
『香油塗り』と呼ばれる独特の行動をする。


ハリネズミのトーテムを持つ人は、
自分自身を善く保つ方法を知っており、
自分自身のエネルギー補給をするのが上手である。
また、常にポジティブ思考であり、
自分を愉しませることも上手である。


ハリネズミが丸くなることは、
時に、自分の行動を客観的に振り返るためにも、
プライベートな空間や時間が必要であることを
象徴している。


ハリネズミのカードが出た場合、
自分の充電と癒しのため、
特別なオイルなどを使って
くつろぎの時間を持つよう伝えている。


ハリネズミのトーテムを持つ人は、
非常に独創的であり、
周りの人と自分が違うことを理解し、
それを受容している。


ハリネズミはわれわれに、
自分自身を強く持ち、
自分に忠実であるよう伝えている。
たとえ、自分の周りの人が
自分を理解してくれないと感じたとしても、
身を小さくして萎縮する必要はない。
ハリネズミは、どんな時も
自分らしくあることが大切と教えている。


ハリネズミはわれわれに、
自分に与えられたギフトを
周りと共有するよう伝えている。


宇宙は、われわれ一人一人に
他の人にはない、特別なギフトを与えており、
それぞれのギフトは、宇宙にとって必要なものである。
ハリネズミはわれわれに
自信を持って自分のギフトを周りと共有するよう、
伝えている。



《逆位置》


自信を失っていないか。


ポジティブさを失っていないか。


自分を幸福にするよう努力しているか。


毎日を楽しんで生きているか。


少し神経質になって、
周りの人との間に壁を作り過ぎていないか。
自分の世界に閉じこもりすぎてはならない。


周りの人が自分のことを理解してくれず、
孤独を感じているのではないか。

もしかしたら、あなたの方が
周りの人を誤解しているかもしれない。
もう少し思いやりを持ち、
他人を理解するよう努力しなさい。


あなたが自分を過剰に防御することで、
誰かを傷つけているかもしれない。


自分の気持ちに忠実で、
周りの人に対しても正直でありなさい。


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カラスのメディスン

2017年07月22日 | ・アニマル・メディスン
今回は、アニマル・メディスン カラス Crow の巻です。


写真は、ネットからお借りしました。







動物として


カラス  スズメ目 スズメ亜目 カラス上科 カラス科 カラス属
学名:Corvus  英名:Crow 


広義には、カケス、サンジャク、オナガ、カササギなどを含む
カラス科の鳥類の総称。


狭義では、ハシブトガラス、ハシボソガラス、ワタリガラスなど
カラス属に属する鳥を指す。


カラス属の鳥は、約46種から成り、
大型種をレイヴン raven、小型種をクロ― crow と分類することが多い。
右がraven 左がcrow




raven と crow は尾の形も異なり、
raven は扇型、crow は楔型をしている。



カラス属は、嘴と足も含めて全身黒色のものが多いが、
白やグレーなど、淡色を帯びる種もいる。
しかし、鮮やかな色彩を持つものはおらず、
それがカラス属の特徴となっている。


しかし、カラス科になると、
ルリカケス、アオカケス、ホシガラス、ヘキサン、マツガラスなど
色鮮やかなものもいる。

ルリカケス


アオカケス


ホシガラス


ヘキサン


マツガラス



カラス属は、スズメ目の中では大型で、
最大種は、ワタリガラス
体 長 約70センチ
翼開長 約1~1.5メートル
体 重 約690グラム~2キロ



最小種は、ニシコクマルガラス
体 長 約30~34センチ
翼開長 約64~73センチ
体 重 約180~260グラム



南極大陸を除き、ほぼ世界中に分布。


日本には、ハシボソガラスとハシブトガラスが生息する。


食性は、雑食性。
昆虫類、鳥類の卵や雛、爬虫類、両生類、小型哺乳類、ザリガニ、
果実、種子、動物の糞や死骸などを食べる。
都市部では、生ゴミを漁ったり、
農耕地では、農作物を食害することも多い。


ハシブトガラスは動物食、
ハシボソガラスは植物食の傾向が強い。


鋭い味覚を持つ。
好き嫌いが明確で、嫌いなものは避ける。


色を識別でき、紫外線も識別できる。


非常にきれい好きで、真冬でも水浴びをかかさない。


リスの頬袋のようなのど袋を持ち、エサを貯めることができる。



食べきれないエサは、のど袋に貯めて運び、
安全なところで出して食べる。
それでも食べきれない時は、物陰に隠す習性を持つ。(貯食)


鳥類の中で、最も知能が発達していると考えられており、
何10か所、時には100か所にも及ぶ貯食場所を
正確に記憶するだけでなく、
腐りやすいものはどこで、腐りにくいものはどこに隠したかまで、
正確に記憶している。


貯食しているところを他の鳥に見られた場合、
見られた相手を覚えておいて、
次に貯食する際は、その相手がまた見ていないか注意し、
横取りされないよう、隠す場所を変えたりもする。


カラスは応用力、判断力にも優れ、
貯食場所は、屋根の隙間、信号機、線路の枕木の間、
電信柱のパイプの穴など、様々な場所を利用する。


くちばしを非常に器用に使うことができる。
また、物を咥えて引っ張る力も非常に強く、
かなり重い物でも動かすことができる。


カラス属はスズメ目の中では珍しく、
左右の足を交互に出し、インコのように歩く。


カラス属の大型種は、スズメ目の中で唯一
帆翔(ハンショウ:翼を広げ、風に乗って羽ばたかず飛ぶこと)を行う。


飛行速度は決して速くないが、優れた飛行技術を持ち、
急制動や急旋回、垂直方向への離陸など、
あらゆるアクロバット飛行を得意とする。


ある程度の社会性を持ち、
仲間と協力したり、鳴き声による意思の疎通も行う。
自分に危害を与える人間の顔を記憶し、
仲間にも伝える能力があることが分かっている。


電線にぶら下がったり、滑り台を滑ったり、
遊戯行動を取るところがしばしば観察される。





下の5枚は、以前、私が公園のベンチに座っていた時、
カラスが近くにやって来て、
ペットボトルのフタで遊んでいるのを偶然撮ったものです。




くちばしでくわえて


高い所に飛び移り


上からポトリと落としては拾い・・・を、楽しそうに繰り返していました。



硬い木の実の殻を割るために、
道路に置いて車に轢かせたり、上空から落として割ったりする。


縄張り意識が非常に強く、
侵入してきた鳥は容赦なく追い払う。
子育て中は特に警戒心が強くなり、
人間にも容赦なく、威嚇や攻撃をしかける。


カラス科の鳥は、命を落とした仲間を見つけると
大声で知らせ、集まる習性がある。
それは、自分たちも同じ目に遭わないよう、
仲間の死の原因を探り、情報を共有するためと考えられている。


アニマル・メディスンとして


カラスが象徴するもの
   ・・・魔術、魔法、知性、変身、錬金術、大胆さ、
      柔軟性、適応力、いたずら好き、トリックスター、創意工夫、
      泥棒、技能、狡猾さ、預言、雄弁、神託



カラスは、創造と霊的なパワーの象徴である。
カラスは大精霊のトーテムであり、
最大の敬意をもって崇められなければならない。


カラスは、世界中で広く
宇宙の創造の秘密や真理、
生命や人生の真髄、魔術や魔法と
深い関わりを持つ生き物と考えられている。


カラスはしばしば、
シャーマンや魔術師、変身の術を操る者、
3次元の物質世界の法を司る者にとっての
トーテムアニマルである。


カラスは、預言者のような洞察力を持つことから、
神聖な法律を守る番人とされている。
すべての聖なる書は、カラスの保護下にあり、
創造主の法の書は、カラスの羽で封印されている。
カラスはまた、古代の記録の保護者でもある。


ネイティブ・アメリカンの女性が編むWampumベルトは、
大精霊の法を含む、聖なる法の帯とされ、
女性のロッジであるブラック・ロッジに保管されている。
「あらゆるものは、女性から産まれる」という法は、
カラスによって宣言されている。



カラスの漆黒の羽は、
宇宙の創生、
宇宙が形を現す前のボイド(虚無、空(くう))を象徴する。


黒い色は、新しいものを生み出す子宮と
新しい日を生み出す夜の色であり、
創造の色である。


同時に、カラスの黒い姿は
不吉な事が起きる前兆、死、黒魔術、闇、
内なる闇や未知の世界も象徴する。


カラスのカードが出た場合、
自分の内なる闇と向き合い、、
自分の内に存在する古代の叡智につながるよう
伝えている。


カラスは視力が良く、知能が高いことから、
古来から世界中で、
物事の真理を見抜く『慧眼(けいがん)』とされ、
斥候や密偵などの役割を担う生き物と考えられてきた。


カラスのカードが出た場合、
外見に騙されたり、
他者の基準に惑わされてはならないと伝えている。
物事の表層を見るのではなく、
内なる領域に達するほど深く観察するよう
カラスは伝えている。


物事の深層を見るためには、
自分自身が完全な状態である必要がある。


自分自身を完全な状態にするためには、
自分の真実に反する部分があるのなら、
まず自分を正さなくてはならない。
自分のアイデンティティを確立し、
自分の基準を保持することが重要である。


新しいやり方で世界を見ることができるよう、
新しい自分に変身しなさい。
自分の直感を信じ、
自分の完全性に基づいて行動することで、
内なる領域からのメッセージも受け取れるようになると
カラスは教えている。


カラスは非常に用心深く、
侵入者や捕食者がいないかを常に監視し、
周りを見渡すため、非常に高い木の上に巣を作る。


カラスは、内外の微妙な変化に気づく観察力と
変化に対応する決断力や判断力を持つ。


カラスのトーテムを持つ人は、
高い視点から物事を見ることができ、
周囲の細かい変化によく気がつく
繊細な感覚を持っている。


カラスは集団で行動し、
さまざまな声色を使い分けて、
仲間とコミュニケーションを取っている。
カラスの豊富な語彙は、賢さの象徴である。


ネイティブ・アメリカンは、
カラスは言葉を話すことができ、
鳥の中では最も賢いと考え、
有名なゴーストダンスにおいて、
カラスを聖なる鳥として崇めた。

ゴーストダンス:
白人からの迫害に苦しんだネイティブ・アメリカンの間で
19世紀末に爆発的に流行した踊りで、
踊ることにより、白人に殺された死者の魂が蘇り、
バッファローの大群も戻ってきて白人を倒し、
平和な楽園がもたらされるという信仰に基づいていた。



カラスはわれわれに
言葉がいかに重要かを教え、
自分の言葉に忠実に行動するよう伝えている。
話す時には、常に自分の真実を語り、
言葉にしたことは、必ず実行しなくてはならないと
教えている。


古代から、カラスは時空を超え、
過去、現在、未来を同時に見ることができ、
光と闇、内と外、物質界と霊界を結びつけ、
自由自在に行き来する存在と考えられてきた。


また、カラスの目は、
超自然の世界への入り口であり、
カラスは霊界の使者と考えられていた。


古代中国では、カラスは
庶民とは隔絶した高位の者を象徴していた。


日本でも古くから、
カラスは霊魂を運ぶ霊鳥と考えられていた。
カラスが異様な声で鳴くと、
近くで死人が出ると考えられたり、
夜中にカラスの鳴き声が響くと、
火災が起きると考えられていた。


また、カラスは吉兆を表す鳥でもある。
神武天皇が山中で道に迷った時、
アマテラスオオミカミが「八咫烏(やたがらす)」を遣わし、
八咫烏が松明を掲げて案内をしたことで、
天皇は無事に山を出られたという神話が有名である。


古代エジプトでは、
2羽のカラスの絵は、幸福な結婚を象徴していた。


ヒンドゥー教において、カラスは
水と雨の神バルナの象徴であった。


古代ギリシャでは、カラスは
太陽神アポロンと女神アテナの聖なる鳥であったが、
不吉な鳥とも考えられていたため、
女神アテナは、アクロポリスにカラスが入るのを禁じた。
現代ギリシャでは、
屋根の上にカラスがいると、死の前触れとされている。


中世に入ると、
カラスは魔術を結びつけて考えられるようになった。
中世の魔術師は、カラスの足跡の紋章を使い、
死の呪文をかけると信じられていた。
錬金術師にとって、カラスは
金の精製の成功を象徴していた。


カラスは、世界中で普遍的に
死や運命の象徴とされている。


ケルト文化において、
カラスは戦争の女神と結びつけられた。


北欧神話においても、
カラスの言葉は、戦争の勝敗を伝えるとされていた。
戦いの乙女たちワルキューレは、
黒い羽毛のコートを纏い、カラスと呼ばれていた。


ネイティブ・アメリカンの一部の部族や
ケルト民族、ゲルマン民族、シベリア人は、
カラスは世界の創造主であると考えた。


また、ネイティブ・アメリカンは、
カラスは複数の場所に同時に姿を現したり、
姿かたちを自由に変えるシェイプシフターであり、
カラスを見かけることは、
来たるべき変化の予兆と考えていた。


カラスのカードが出た場合、
人生で大きな変化の時が近いことを表しており、
注意が必要であると伝えている。


カラスは狡猾で、簡単に人を欺くことから、
ネイティブ・アメリカンの多くの部族は、
カラスは、コヨーテと多くの共通点を持つ
典型的なトリックスターと考えている。


平原インディアンのダコタ族は、カラスは
暖かい地方を治める南の精霊であり、
千鳥の助っ人と考えた。
北の精霊と冬のオオカミがやってくると、
千鳥とカラスは闘いを挑み、
オオカミを倒すことができれば、
その年は暖かい冬になると考えた。


プエブロ族は、カラスはフクロウと同様、
黒魔術と関係するものと考えた。
魔女はカラスに変身し、
夜の闇に紛れ、邪悪な活動をすると考えた。


タートル島(北アメリカ大陸)に上陸したヨーロッパ人は、
ネイティブ・アメリカンのシャーマンが
カラスのメディスンを利用して動物に変身し、
自分たちの住居に忍び込むと考え、恐れ慄いた。


カラスのメディスンを持つ人は、
錯覚・幻影のマスターである。


カラスのメディスンとは、
人間の法が規定する善悪よりも、
より高い次元における善悪を見る知識である。


子供は、生まれた国の法律に従うよう教えられる。
こうすると天国に行ける、
あるいは地獄に落ちると
さまざまな救いの方式が
異なる信念により定義されている。


世界に無数に存在する生き物にとっても、
同じ数だけの世界と法律が存在する。


しかし、大精霊の聖なる法律は、
個々の法律とは全く異なる次元に在る。
大精霊の法律は、すべてを超越して
適用される法律である。


大精霊の法に沿って生きる人は、
死ぬ時、過去の記憶とともに次の生へと進む
善いメディスンの死を迎えると考えられている。


カラスのカードが出た場合、
大精霊の法について、
自分がどのようにとらえているか考える必要がある。


人間の法は、神の法に沿ったものとなっているか。
人間の法は、世界を平和にするものか。
もしそうでないと感じるのなら、
人間の法を曲げ、神の法の方に沿うよう
カラスは伝えている。



《逆位置》


わざと法律を破っているようなことはないか。

自分で決めたルールを破っていないか。
たとえば、ダイエット中なのに間食するとか、
誰かの陰口を言うなど。

約束は破るためにあるなどと、
自分を正当化していないか。

自分に対して嘘をついているのなら、
あなたは負け犬以外の何者でもない。
あなたは、カラスのパワーを失っている。

反省し、よく考えてみなさい。
そうすれば、あなたの内なる真実が戻るだろう。

神の法は、
平和を愛する心、開かれた心、真実を語る舌、
軽やかな生き方、寛大な心、
すべての生き物に対する愛から来る調和を重んじる。

神の法は、個人の真実を判断したり、
否定するものではないことを覚えておく必要がある。

過去を教師として尊重し、
現在を創造として尊重し、
未来を霊感として尊重しなさい。


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イヌのメディスン

2017年06月21日 | ・アニマル・メディスン
今回は、アニマル・メディスン イヌ Dog の巻です。


写真は、ネットからお借りしました。










動物として


イヌ     ネコ目(食肉目)イヌ科 イヌ属
学名:Canis  英名:Dog 


広義では、オオカミ、コヨーテ、ジャッカル、キツネ、タヌキ、
ヤブイヌ、リカオンなどを含む、イヌ科の動物の総称。


狭義では、人間によって作られたイエイヌのみを指す。
なお、日本語のヤマイヌはオオカミを指す。


イヌが地球上に現れたのは旧石器時代で、
1万5千年以上前、
タイリクオオカミから分化したと推定されている。


イヌは最も古くに家畜化された動物であり、
イスラエルでは、紀元前1万2千年前の遺跡から
人と一緒に埋葬された犬の化石が発見されている。


古くから人間による品種改良が繰り返され、
現在、世界中に約700~800種がいると推定される。


国際畜犬連盟(FCI)は、343種を公認犬種としている。


同じイヌ属のジャッカル、コヨーテ、リカオン、
ドールなどと交配可能であり、
交配して生まれた雑種も生殖能力を持つ。

ジャッカル


コヨーテ


リカオン


ドール



食性は、雑食性に近い肉食。
もともとは肉食だが、家畜化される過程で、
植物や穀物なども食べるようになった。


本来は夜行性であるが、
人間の生活に合わせて、夜も眠るようになった。


イヌの平均睡眠時間は、成犬で12~15時間、
子犬や老犬は18時間以上とされている。
しかし、その約8割が浅い眠り(レム睡眠)であるため、
少しの物音でも目覚めてしまう。


ヒトの数千~数万倍の嗅覚を持つ。
イヌは、においで食べられるものかどうか、
目の前の相手は敵か味方か、
ここはどのイヌの縄張りかなどを判断する。


鋭い聴覚も持つ。
イヌの可聴周波数は、ヒトよりも高音域で広く、
その性質を利用したものが犬笛である。


視覚は悪く、2~3メートル以内の物しか
ハッキリと見ることができない。
また、色の明暗は認識できるが、
全色盲に近いと考えられている。


ただし、動体視力は優れており、
網膜の後ろに光を反射するタペタム層を持つため、
暗闇でもよく見ることができる。


イヌは、肉球以外に汗腺を持たないため、
口内や喉の水分を蒸発させる開口呼吸によって
体温調節を行う。


イヌの唾液腺は強い刺激を受けると、
ヒトの約10倍のスピードで唾液を分泌する。


全般的に、高い知能や学習能力を持つ。


非常に強い縄張り意識を持つ。


群れで行動し、強い同族意識を持つ。
群れの中でイヌは、
リーダー(アルファ)を最上位として順位づけを行い、
下位者は上位者によく従う。


人間に飼われているイヌは、
人間の家族と自分をひとつの群れと考え、
自分よりも格下と見なした人間の命令には
従わないことがある。


中央アジアの遊牧民にとって、
家畜の見張りや誘導のために
イヌは欠かせない存在であり、
非常に大切にされていた。


ネイティブ・アメリカンにとって、
狩猟、見張り、そり引きなどで
イヌはなくてはならない労働力であると同時に、
祭祀の際の生贄やご馳走にもしていた。


古代中国では、
イヌを呪術や儀式の生贄などに利用したり、
食用にもしていた。



アニマル・メディスンとして


イヌが象徴するもの
   ・・・忠実さ、忠誠心、信頼、気高さ、知性、従順、守護者、仲間、協働、
      無条件の愛、番人、奉仕、強さ


古代から現代へと長きに渡って、
イヌは人間に寄り添い、人間を守り、人間の一番の友である。


イヌは、強い奉仕の精神を持っている。
イヌは、マスターと決めた人間に忠実に従い、
時に身を挺して守ろうとする。
イヌは、ガーディアンそのものである。


イヌのメディスンを持つ人は、
他者をよく助け、集団の役に立つことに喜びを見出す。
家族や友人から助けを求められると、
献身的に助け、尽くすことに幸せを感じる。


イヌは、たとえ不当な扱いを受けても、
人間に対する愛や信頼を失わない。
それは、イヌが愚かだからではなく、
人間の欠点を深く理解しているからである。
イヌは、人間をはるかに超える
慈愛や寛大さを持っている。


イヌは時に番犬として、
人を攻撃するようにしつけられることがあるが、
それは、イヌ生来の優しい性質に背くことである。
イヌが、自分の本質に反する命令に従うのも、
人間に対する奉仕の精神からきている。


イヌは無私で奉仕し、決して見返りを求めない。
イヌは、奉仕そのものに真の喜びを感じている。
われわれはイヌから、
真の「無条件の愛」と、許しを学ぶことができる。


イヌのカードが出た場合、
あなたにとって奉仕とは何か、
自分の意識を確認するよう伝えている。
あなたは奉仕に見返りを求めていないか、
よく考えてみなければならない。


イヌは、与えられた愛には忠誠心を持って返す。
イヌのカードが出た場合、
自分の忠誠心について考えてみるよう伝えている。


あなたは自分の真実に対し、忠誠を持っているか。
自分の目標に対し、常に忠実か。
他人の意見や噂話に左右され、
親しい人や集団に対する忠誠心を失うことはないか。
自分に忠実な友人に、不当な態度を取っていないか。
自分に不誠実なところがないか確認するよう、
イヌは伝えている。


イヌはわれわれに、
他者に対し、常に優しく親切であるよう伝えている。
優しくあるためには、
批判的であったり、厳しくあるよりも、
さらに多くの学びや気づきが必要となる。


われわれはまず自分を愛し、自分を尊重し、
自分自身に対して誠実であり、
自分の親友にならなければならない。


イヌは、自分自身に価値を置くことで、
他者に対しても優しくなれるということ、
そうすると、より大きな奉仕につながることを
われわれに教えている。


イヌのメディスンを持つ人は、
物質的な豊かさよりも、
優しさや愛情など、精神的な豊かさに重点を置く。


イヌのトーテムを持つ人は、
大きな包容力を持ち、フレンドリーであるのと同時に、
愛する者のためには
命を賭して闘うのも厭わない強さを持っている。


イヌは、飼い主の行動を常に観察している。
イヌはしばしば、飼い主の性格を反映し、
飼い主の本当の姿を鏡のように映し出す。
イヌを飼っている人は時に
自分のイヌを客観的に見るのが大事である。


イヌのギフトとは、賢さだけでなく、
人間が感知できないエネルギーを感知する力である。


イヌは、地震を予知できるのと同様に、
人間の感情が放つ微細なエネルギーも感知し、
人間と共に喜んだり、悲しんだりする
豊かな感受性を持っている。


イヌは古くから、人間や家畜だけでなく、
あらゆる通り道、交差点、門、玄関、
奥義や秘法、地下世界を守るものと考えられてきた。


古代エジプト人は、イヌをシンボルに多用した。
墓場の周囲を徘徊するイヌやジャッカルを、
死者を守り、来世をサポートするアヌビス神として崇拝し、
ナイル川の氾濫を予知するものとして、
犬の星シリウスを崇めた。

死者の守護神アヌビス


古代エジプトの都市“Cynopolis”は、「犬の都市」を意味し、
その街の法律においては、
市民はすべての犬を大事にしなくてはならなかった。
また、イヌは真実を見る力を持つと考え、
死者の魂を守る者として、
三つの頭を持つ犬ケルベロスを選んだ。



多くの神話において、
イヌは神聖な生きものであり、
勇敢で力強く、堅固なガーディアンとされている。


北欧神話において、
地下世界へ続く門の番人は、ガルムという名のイヌである。


ギリシャ神話において、
狩人オリオンは、忠実なイヌのシリウスを常に伴い、
女神アルテミスも、聖なる狩猟犬を伴っている。
また、死の女神ヘカテーにとって、
イヌは聖なるトーテムアニマルである。


ケルト文化において、
イヌは勇気、永続性、威厳を表し、英雄の象徴であり、
癒しの象徴でもあった。
ケルト神話において、
王はボディーガードとして猛犬を飼い、
戦士や英雄などの名前にはしばしば
犬を意味する接頭辞の“Cú”や“Cuno”がついている。
(クー・フーリン、クー・ロイ、クノベリヌスなど)
ケルト民族の墓には、
イヌの置物や飼い犬がしばしば一緒に葬られ、
多くの墓石にイヌの絵が描かれている。


イギリスの伝承の多くに、
古代の道や要衝、通過点を巡回し、
死を伝える幽霊犬(ブラックドッグ)が登場する。
死とは、ある場所から別の場所へ移動する瞬間であり、
そこにイヌが立ち会って、
魂が安全に遷移するよう警護するものと考えた。
イヌは、物質世界と異世界の橋渡し役であり、
肉体を超える旅における霊的なガイドとされている。


イヌは透視能力や、人知の及ばない神秘的な力を持ち、
人間の目には見えないものを見て危険を予知し、
飼い主が死んだ後も、その魂を守り続けると
広く考えられていた。


このことから、王や英雄の多くはイヌを従えていた。
バビロンとアッシリアの指導者は、
多数のイヌを飼っていたという記録が残っている。
アーサー王は、カヴァスという名のイヌを飼い、
ケルトの英雄クー・フーリンの人生も、
イヌと深く結びついている。


イヌはまた、水との関わりが深いと考えられていた。
湖、池、沼、海などは異世界への入り口であり、
それらを守るものがイヌとされた。


ネイティブ・アメリカンにとって、
イヌは召使いであり、守護者であり、
共に闘う戦士であった。
イヌは鋭い嗅覚と聴覚で人間に危険を知らせ、
狩りの際には大きな助けとなり、
寒い冬には、人間に温もりも提供した。


イヌはわれわれに、
自分自身に忠実・誠実でありながら、
他者を尊重し、許容し、包容することの大切さを教えている。


われわれは、人種や信念に関係なく、
他者には敬意を示さなければならない。
他人に対して柔軟な考えを保ち、受け容れることで、
真の調和が実現し、助け合うことができるようになる。


イヌは、現世と死後の世界の両方の旅において、
人間の保護者であり、ガイドであり、忠実な仲間であり、
理解者であり、友人である。



《逆位置》



あなたは家族や友人にとって、信頼に値するか、
自分自身に対し忠実か、よく考える必要がある。

周りの人に影響され、
人に対して批判的だったり、不親切になっていないか。

恐怖心から、動けなくなっているのではないか。
自信を持って、敵と対峙しなければならない。
ここでいう敵とは、自分の内にある敵である。
自分自身や他者に忠誠を誓う価値がないと告げるエゴが
最大の敵であることに気づかなければならない。

自分に不誠実なところがないか、考えてみなさい。
噂話に加わって、自ら広めたりしていないか。
人を貶めるような軽口を叩いていないか。
人に恩返しするのを忘れていないか。
それは、集団に属し、承認されていないと不安になる
弱さの表れに他ならない。

自分の忠誠心がどの程度のものか、考えてみなさい。

友人との友情を保つのが難しいと感じたり、
他者に優しくできない時は
イヌのスピリットを召喚しなさい。
イヌは信頼や無私無欲の意識を醸成し、
人とのより親しい関係を築く手助けをしてくれる。


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