研究・論文作成のためのブログ

医学部で臨床医をしつつ大学院に進学し、博士号の学位を取るまでをつづります。

胎児死亡

2006年08月07日 | 日記・備忘録
今朝、緊急帝王切開がありました。

患者さんは40歳の妊婦さんで、9ヶ月に入っていました。昨日までは胎動があったのだけど、今朝から少しおなかが痛くて、胎動も感じないということで受診、外来での診察ですでに高度の胎児徐脈があり、大至急帝王切開で赤ちゃんを出すことになりました。

小児科の先生も二人来てくれて、生まれた赤ちゃんを蘇生してくれましたが、生まれたときにはすでに心拍はなく、その後1時間ほどいろいろな蘇生を試みたものの、治療に反応せず、残念ながらお亡くなりになりました。

そのお母さんは、1人目のお子さんも新生児3日目で亡くされており、このような出来事は2回目のようでした。

今回の原因は、突然生じた常位胎盤早期剥離と思われました。

偶発的なことだと医学的には解釈しますが、本人や家族からすると、偶然とは思えないかもしれません。


何より手術室で夫婦(旦那さんにも手術室に入っていただいた)が亡くなった赤ちゃんを抱いて泣いている姿は、私たちスタッフでも直視できないほど辛い姿でした。


分娩や、緊急の帝王切開、日々いろいろなことがありますけど、やっぱり赤ちゃんがおぎゃあと泣いてくれて、元気に部屋を出て行ってくれるのはなんと有り難いことかと実感しました。