研究・論文作成のためのブログ

医学部で臨床医をしつつ大学院に進学し、博士号の学位を取るまでをつづります。

助産師の内診ということについて

2005年11月08日 | 日記・備忘録
助産師に内診をさせない、という厚生労働省の通知があるそうで、ニュースになっていますね。

これは、まるで現場のことをわかっていない人の意見です。
もしも全ての分娩経過を産科の医師がやらなくてはならないとしたら、誰も産科をやる医師はいなくなるでしょう。正常分娩は、「正常」とつくくらいですからすべて産科医が張り付いていなくてはできないものではありません。
我々産科医の仕事は、正常分娩の中から異常分娩をみつけ、それに対して必要な介入をすることだと私は思っています。
もしも「医療ミス」に過度に敏感になるなら、もはや日本の周産期医療は崩壊し、誰もどこに行っても分娩ができないという結果を招きかねません。

今回の通知はそれほどの意味を持っています。

どうか、周産期医療というものの現場をもっと理解していただきたいものです。