Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

近所のアキアカネ

2012年10月04日 | トンボ


ここのところ台風来襲が続いている。10月に入ってからもスカッと晴れない日が多い気がする。
慣れてしまった為なのか実は気づいていなかったのだが、今年は真夏日の連続記録が更新された
ようだ。つまり残暑が間断なく続いたということで、この時期のトンボはとっとと役割を果たして
姿を消しつつあるようだ。



ウスバキトンボもピークらしいピークを見ること無いまま、見かける数も少なくなってきた。

今シーズンも色々なレンズをフィールドで試してきたが、結局当たり前の結果というか、使うレンズと
使わないレンズがはっきりした感がある。
シーズン前に面白そうと思って揃えていたヘリアー75mmのような一般ポートレート向きのレンズは
トンボには殆ど使わなかった。やはり、解像感、否、解像力の面ではマクロレンズとはっきり差が出て
しまうのである。重さ、取り扱い辛さの面から400mm、100mmマクロ、14mmも殆ど出番なし。
シーズンはじめに独特の収差を楽しんだ70-200ズームも、結局重さがネックで夏以降は殆ど稼働なし。
(1キロ以下だったらメインレンズになっていたかもしれないが。。。)
マクロレンズ以外では、シーズン当初の予想に反して、Qの魚眼とフレクトゴン35mmの稼働が多かった。
魚眼は14mmの表現を超えるダイナミックな表現力が面白くて最近はサブ画像の定番。フレクトゴンは独特
のボケが面白かったが、絞りが使えないので、最近はその描写にも少し煮詰まりつつあり、今後は寄れる35
mmレンズとして扱い、開放絞りで背景をどう選ぶか?(どう使うか)を焦点に使って行くことになりそうだ。



アキアカネのそばに生えていたヒガンバナ。

今シーズンは今更ながら、マクロレンズの有用性を再認識した結果となったわけだ。
手持ち現役マクロには200と90があるが、シーズン中盤は明るさの面から90mmマクロを大々的に使った。
200マクロでのトンボ撮影は、ワーキングディスタンス、バックのボケの面からある意味お手軽にそれらしい
画像を得られるが、反面、焦点距離の短いレンズよりも寄らない分大味な描写となりがちである。
90マクロはボケや色味にも定評があり、当れば200マクロよりマクロらしい精緻な画像を得やすいし、一段早い
シャッタースピードを選択できるので、薄暗い環境での飛翔撮影など90マクロの選択を余儀なくされた場面も
多かった。

そんなこんなで90マクロが今後メインのレンズに取って替わるか?とも思われたが、最近になって、200マクロ
の映し出す重厚な絵の素晴らしさに改めて気づいた。わかりやすくいえばこれが値段の差なのかもしれないが。
200マクロは故あって二本持っている。一本は92年からずっと使っているボロボロのレンズで水没、落下経験済み。
運良く二度に渡って修理していただくことが出来、水没する前は引っかかりがあってロクに回せなかった『命綱』
であるヘリコイドの調子もすこぶる良いが、時々接点不良を起こしがちだ。
もう一本は近年用心の為に揃えた物で、程度は良いが、個体差なのか?どうも自分の眼と相性が良くないようで、
あまり歩留りがよろしくない。先日のオオルリボシは接点不良が気になり、最近揃えた方を持って行ったのだが、
(まあレンズのせいとは言い切れないが)調子がイマイチだった。



K-5は、10000カットを超えたあたりから、時々レリーズ時にミラーの閉まるような異音を発するようになり、ちょっと
気になっているが、実際の撮影には支障ないので、シーズン中はこのまま使って行くつもりだ。
今更ながらだが、最近になってISO(相当)の設定に少しこだわるようになった。
上の二枚は開放ISO100相当で写した物と、二段絞ってISO400相当で写した物である。
この場合は、シャッタースピードが1/125と200マクロにしてはシビアな場面だったので、二段絞ると感度も二段上げなければ
きつかったわけだ。バックを完全なボケでなく、適度に絞って何となくにおわせるように写し取りたいときに、意識的にISOを
上げてブレを防ぐのは有効な手段だろう。例えば学術的に全体を鮮明に表す必要がある場合以外、必ずしも映し出したトンボの体
全体にピントが合っている(ように見える)必要はないと自分は考えているので、絞る絞らないはバックのぼかし方に対しての
選択である。マクロレンズのように開放からよく解像するレンズでは、一段や二段絞ったところで、劇的に『ピントがよくなる』
わけではなく、ぶれないようにより早いシャッタースピードを選択すること、そして何よりピントをちゃんと合わせることの方が
大事というわけだ。



この二枚は同じ場面で絞り開放のままでISOを変えたものだ。左はISO100相当だが、1/60秒と200マクロではかなりシビアな
シャッタースピードだったので、ホールディングもいい加減だったのも相まって、(このサイズではわからないが)ごく僅かに
ブレが出て鮮明な画像が得られなかった。右はISO400相当で1/250秒で写せたので、鮮明な画像が得られた。
シーズン中はこういった設定の狭間で迷うことが多かった。
画面いっぱいにトンボを映し出すような場面ならば、多少ISOを上げてノイズが乗っても気にならないことが多いが、トンボの
今年の適正倍率(今年は大体この比率がバックにトンボがとけ込む自分なりの適正倍率)だと、割り当てられる画素の関係か
ら、高感度では映し出されるトンボに占める目立つノイズの比率が上がってしまうので、できるだけ低感度で写したいと思う訳だ。
自分が今年の適正倍率でトンボの飛翔を撮る場合、ISO100~200が常用で非常用に400といった感じだろうか。
元々フィルムのころから100円余計に払って200に増感現像していたから、ISO200が自分のデフォルトなのだが、最近ISO100
で写せる場面で試したところ、その予想を上回る奇麗さにびっくりしたのである。ISO100では現像時のエディットに起因する
破綻も驚く程少なく、増感耐性も結構あるのではないかと思われる節がある。(尤もできるだけ適正露出で写すようにはして
いるが)