Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

機材チェック

2009年11月05日 | トンボ
さて、今年のシーズンもほぼ終了となった。
あとは、生き残りのトンボを探しつつ、フェイドアウトというかんじである。
来年はあまりフィールドに出られないかもしれないが、その意味でも今年は
貴重な一年であった。
時間だけはどうにかとれたので、今までのノウハウをフルに生かすことが出来た
一年でもあった。

昨シーズンオフは、望遠補助機材を中心にチェック怠りなかった(笑)が、
振り返ってみると、実地での稼働率は極低いものだった。まあ、予定通り
という感じだろうか。
具体的には、新たに導入したDA300mmは、非常に役に立った。
湿地の奥や池の沖合を飛ぶトンボの撮影には、300ミリなしには、今年の撮影の
成果は上がらなかったろう。400ミリは夏場に試したかったが、知人に貸している
のもあり、後半は試すことが出来なかった。来シーズンその辺を是非試してみたい。

補助機材としては、残念ながらTCONの活躍場面は無かった。シーズンイン早々、
ほこりをかぶってしまった。
純正2倍テレコンは、春先のチェックで若干トンボを写した他は、その露出の煩雑さ
からほとんど登場場面はなかった。
テレプラス1.5は、夏場まで活躍する場面があった。
ちょっと遠いトンボ静止や、距離のあるホバリング個体などで実地に使う場面があ
ったのだ。その意味では役に立ったのではあるが、フレアが出てしまったり、倍率
以上に露出がかかって暗くなってしまったりで、結果は芳しくなかった。日陰での
静止個体は直射光の影響を受けない分、テレコンを使った恩恵を被ることが出来た。



テレコンが比較的に功を奏した例。300mm+テレプラスDG1.5X 絞り開放 1/20。
手持ちなのは、バックを見れば一目瞭然(笑)だが、こちとらトンボさえ撮れれば、
あとは何でも美化できるので問題なし。
それにしても、トリミング無しで遠くの個体が写せるのは、やはり感動ものだ。

さて、その静止態にからめての話になるが、木陰で休むトンボなどは、ストロボを
使うと同時に、バックを考慮した露出をするわけである。つまり、シャッタースピード
に制約が出てくる。
2006年以降、200ミリの三脚座が腐って?しまったのをきっかけに、三脚を稼働し
なくなってしまった自分であるが、撮影成功率を鑑みるに、出来れば、カットを選ぶ
ために、その候補足るより多くの成功ショットを撮れた方が良いという結論に達し、
再導入の健闘に至った訳である。
しかし、それを考慮し始めたのが、そろそろオフシーズンにかかるつい最近の話で、
残り少ないシーズンでそのチェックをすると言う形になってしまった。

撮影機材を大事に思っている自分ではあるが、家事の煩雑さに追われて、ここ数年で
家のどこかに隠れてしまって見つからない機材も実は多い。100ミリマクロ、135ミリ、
旧型ストロボ、大型三脚・・・・未だに引っ越しの荷物に隠れているのもあるだろう。。。
そんなことではイカン!というのはわかっているのだが、ここは一つ、イヤでも大事に
したくなるようなアイテムを揃えよう(笑)ということになった。
そして、先日オークションでカーボン三脚を入手してしまったのである。
本体1キロに満たない軽さながらスペック上8キロまで耐えられ、アイレベル、グラウンドレベル
両方に対応・・・という自分には願ってもない代物である。

届くや否や、すぐにチェックだ!
もはや家の回りではトンボなどほとんどいない。
比較的アクセスしやすくて、トンボがまだ見られるところへ出かけて見る。

ちゃんとした三脚は扱ったことがないので、操作に手間取りつつ、静止個体を
写してみることにする。200ミリでいつもの露出での撮影。


ピントを合わせる感じは、手持ちとそう変わらないが、合わせた状態で楽にキープ
できるのは三脚の強みである。

上の画像を等倍切り出しのみ。無理なくディテールが出ている。
手持ちでもこの程度は可能だが、その時の体調や集中力、撮影時の角度などで成功率が
左右される。




全身にピントを合わせるのが難しい背面ショット。雲台の扱いになれていないので、まだまだ
だが、どうしても手持ちでは背面ショットを写すときの姿勢に無理が出るので、役に立つこと
も多いだろう。そのためには早く慣れなければ・・・




300ミリでのチェック。下は、個体周辺のみ切り出し。




こちらは200ミリで。下は、同じく個体周辺のみ。

この2カットは、水中に三脚を立てて写したもので、いきなり過酷な使い方をしてしまった
(笑)だが、フィールドで十分活用したいと思えばこその所行である(笑)。
デコボコな場所で条件も悪いのだが、全身にピンを持ってくるのが困難なイトトンボ体型で
は、雲台の使いこなしが鍵となる。そのあたり体で慣れていくしかない。。。

他にも、三脚の恩恵にあずかろうと低速シャッターなども試したのだが、ただ闇雲に三脚使用
では、良い結果が得られるとは限らない。
三脚を使うことによるメリットがあると同時に、その分、心配事も増えるのである。

例えば、ボディ内手ぶれ補正との関係や、ミラーアップ撮影。
FAQでは、三脚使用時にはSRはオフを推奨とあるが、果たしてどうなのだろう?
問題は、SRスイッチのセットし忘れなのだ。去年の秋、曇天撮影になり、SRオフに気づかず、
ことごとく貴重な被写体をブラしてしまった苦い経験がまだ鮮明な記憶として残っている。
そこで、条件の厳しい室内撮影でチェックすることに。
レンズは常用の200ミリを使い、ミラーアップのライブビュー撮影。
被写体は、2メートルほど離れた静止物で、フォーカス周辺のみ等倍で切り出した。


f4_1/6_iso200_SRoff

f4_1/8_iso200_SRon

この二つの結果を見る限りでは、明らかにSRはオンにした方が良い。
露出が安定しないのは、絞り優先オートのパターン測光だからである。
三脚で若干安定させているとはいえ、ライブビューの画面はヘリコイド操作
などにつられて微妙に動くので、手動でシャッターを切るときは、しっかりと
ボディやレンズを手で押さえて、振動を最小限にする努力が必要だ。


f4_1/30_iso800_SRoff

f4_1/30_iso800_SRon

1/30では、違いがほとんどわからないが、SRオンの方がやや鮮明だ。
ライブビューでは、画像を拡大してピントを確かめると、いわゆるジャギー
画像になり、一番コントラストが強いポイントを見極めるのが肝となる。


f4_1/20_iso800_SRon_w.weight

省スペースでの最善策。フックに、300ミリなど撮影機材の入ったリュックをぶら下げて撮影。
鮮明度はこれが流石に一番だ。(回数を重ねてライブビューのピント合わせに慣れたというの
もあるんだろうけど・・・苦笑)

そんなわけで、来シーズンは、どれほどフィールドに出られるか?わからないけれども、
しかるべきアイテムが得られ、それを使いこなすこと、大事に管理すること、これを実践
出来れば、撮影成功率もアップ間違いなしだ。ガッハッハ。

ちなみに、今シーズンは、三脚を全く使用しなかったが、結構いい画像がたくさん撮れたので、
近日中にちょっとした企画を構想中。