2020年11月 20日(金)雨時々曇り 19.5℃ 84%RH am5:05
童話と絵本の会の準備をしています。 お気に入りの童話や絵本があれば教えてください。
ゴルゴーンたいじ(1~4) の続きは別の機会ににしてください。
今日の絵本
_こうま=秋葉喜代子 え深沢省三
__赤い鳥 二年生 赤い鳥の会 代表 坪田譲治 与田準一 鈴木珊一
___1980 株式会社小峰書店
_____私の蔵書
森の うさぎちゃんが、 小さな 小さな おうまを
もらいました。 うさぎちゃんは、 まいにち まいにち
その うまに のっては、 村へ でてきました。 そして、
とおりの ひろばを パカポコ、 パカポコ、 パカポコと、
くるくる のりまわして わんわんたちや、 あたりの
お家の まどに かけてある、 かごの 中の 小鳥たち
に みせみせして いきました。 おうまは、 小さな お
みみを、 ぴっと たてて、 すずしい おめんめを あげ
て、 ポカ ポカ ポカポカと かわいらしく ひづめを
ならして はしります。 うさぎちゃんは、 それはそれは
だいとくいでした。
ところが ある日、 村の おうらいを はしっていく
とちゅうで、 なにか、 ちゃりんと、 おうまの 足の 下
で 音がしました。
「おや。」と おもって、たちどまってみますと、小さな、
うまの かなぐつが おちています。 うさぎちゃんは、「あっ。」と、いいながら
とびおりて、 じぶんの おうまの まえ足を ひとつひとつ
もちあげてみました。
「ああ、この おうまの くつじゃ ないのかな。」と、
こんどは あと足の かたっぽうを あげてみますと、 ちゃんと、 くつが はまっております。
「まあ、 よかった。」と、 すっかり あんしんして、 ねんのために もうひとつの
足を ひきあげてみますと、 その 足の くつが とれていました。
「ああ、 ああ、どうしよう。」と、 いいいい、 まごまごしていますと、
そばの お家の 女の人が、 「うさぎちゃん うさぎちゃん、 どうしたの?
ああ、 それなら かじやへ いくと いいわ。」と、
おしえてくれました。
「ほう、そうだ。」と、うさぎちゃんは、いそいで かじやの
みせへ おうまを つれていって、
「もしもし、おじさん、おうまの おくつが ひとつ
とれたから、こしらえてくださいな。」と、 いいますと、
かじやの おじさんは こまったように、
「いま ちょうど せきたんが なくなってしまった。
せきたんが なくちゃ てつが やけないもの。」と いいました。
「おやおや、どうしよう。」と、うさぎちゃんは、どぎまぎして
おうまを そこへ あずけておいて、とおりの
くだものやの おみせへ かけていきました。
「もしもし、おみせには せきたんを うっていない?
おうまの おくつが とれてしまったのだけれど 、
せきたんが なくちゃ てつが やけないんですって。」と
いいますと、くだものやの おじいさんは わらって、
「なにを いうのだ。 うさぎさん。おれのところは、
りんごや ぶどうや、ジャムのようなものなら あるけれど、
せきたんは うらないよ。 くだものやじゃないか。」と
いいました。
うさぎさんは、
「おやおや よわったな。どうしたら いいだろう。
ああ こまったな。」と いいながら、とことこと むこうへ
いきますと、ひとりの おひゃくしょうの 人が
くるまを ひいてきました。
「もしもし おじさん、わたしの おうまが おくつを
おとしたので、 てつを やいて、 こしらえてもらうのに、
せきたんが いるのですが、 すこし うって、てくれませんか。」と
うさぎちゃんが たのみました。 すると おひゃくしょうの
人は へんな 顔をして、
「わたしは いちばへ むぎを うりに いくところです。
だいいち、 わたしは せきたんなぞは つくりませんよ。」と
いいました。
うさぎちゃんは、
「ああ、 こまったな。 どうしたら いいだろう。 どこかに
せきたんを うってないかなあ。 ああああ。」と
いいながら、 また とことこ いきますと、 おうらいの
はたに すいしゃばが ありました。
「もしもし、 すいしゃばの おじさん。 わたしの おうまの
おくつを なくしたので、 てつを やいて こしらえてもらおうと おもっても、
かじやの おうちに せきたんが ないんです。 どうぞ すこし うってくださいな。」と、
たのみました。 すいしゃばの 人は あきれた 顔をして、
「じょうだんを おいいでないよ。 すいしゃやに せきたんが あるものかい。」と いいました。
「あああ こまったな。 どうしたらいいだろう。」と、 いいながら、うさぎちゃんは また ずんずん いきました。
そうすると、 むこうから おばあさんが がちょうを おいながら でてきました。
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「おばあさま おばあさま。」と、 さっそく よびとめて、
「どうぞ せきたんを うってくださいな。 わたしの
おうまの おくつを こしらえてくれる かじやさんが、
せきたんが なくては、 てつが やけないと いいますから。」と、
たのみますと、 おばあさんは、 にこにこして、
「おまえさん、 せきたんなら、 お山へ いって、
ちの下の あなの そこで はたらいている せきたんほりの 人に
そう おいいよ。」と おしえてくれました。
うさぎちゃんは、「ほほう、 そうですか。 それは、 ありがとう。」と
よろこんで、 どんどん お山へ かけていきました。
そして、 せきたんほりの はたらいている、 ふかい ふかい あなの 中へ
おりていって みますと、 あなの 中は まっくらなので、
せきたんほりの 人は、 ぼうしの さきへ ランプを ぶらさげて、
コツコツ コツコツと ほっておりました。
うさぎちゃんは、 その おじさんに、 どっさり せきたんを もらって
おおよろこびで 村へ かえってきました。
かじやの おうちの まえには、 おうまが ちゃんと まっていました。 かじやの おじさんは、 すぐに その せきたんを もやして てつを まっかに やいて、
「トッテンカン、 トッテンカン。 トッテンカン、 トッテンカン。」と たたき たたきして、 じょうずに おくつを こしらえてくれました。 うさぎちゃんは、 それを おうまの
足に はめてもらい、 にこにこ おおよろこびで、 とびのって
パカポコ パカポコと、 森へ かえっていきました。
(おわり)
御来訪ありがとうございます。