下図の構成で、ADSLによるインターネット接続サービスを利用していたが、ADSLモデムのランプが異常を示し、PCからのインターネット接続やIP電話が使用できない状態になった。
下の選択肢のうち、トラブルの原因として最も可能性が高いものを1つ選びなさい。
a. スプリッタのPHONEポートとADSLモデムの電話回線ポート間のモジュラケーブルが断線している。
b. ADSLモデムとPC間のLANケーブルが断線している。
c. ADSLモデムと電話機間のモジュラケーブルが断線している
d. スプリッタが故障している。
e. PCのNICが故障している。
「大変だ!インターネットが使えないよ!」
「どうすれば良いの?」「こういう時はあわてずに原因の切り分けをしていって、問題個所を見つけて対処すれば良いんだよ。」
「どうやれば切り分けられるの?」
「モデムのランプがまず手がかりになるね。」
「LANのランプ以外は全部異常になってるね。」
「うむ、少なくともモデム-PC間は問題ないのが判るね。」
「へぇ~、そうなんだ~。」
「LANのランプが正常ならLAN内の通信はできてるって事だね。」
「そっか~、だからモデムとPCの間の通信は問題なしなんだね。」
「そういう事。」
「ここまでで選択肢を絞ってみると、『b』と『e』は無いね。」「あとはどうやって、切り分けるの?」
「他のランプは全部異常かぁ。まぁLINKが異常な場合はモデムがちゃんとインターネットにつながってないっぽいね。」
「モデムが故障してるの?」
「ん~、まだモデムとは決めつけられないね。」
「あとは症状から推理する事になるんだけど、PCがネットに繋がらないのと、IP電話が使えないんだよね。」
「うん、どっちもダメー。」
「さて、残った選択肢を見てみると・・・。」
「コムたろうくん『a』の可能性はあると思うかい?」「『a』はIP電話が使えなくなりそうだね。」
「IP電話が使えないってのは症状に合うんだけど。」「まぁね~。でも『a』だけじゃ、PCの方がインターネットにつながらない原因が足りないね。」
「あーそっか!じゃあ、『a』は半分正解?」
「半分正解ってことは、試験的には不正解だよ。確実にそうとは言い切れないのは選んじゃいけないよ。」
「現実には『a、c』と『b、e』の組み合わせだったりなんてこともあるけど、1つだけ最も可能性の高いものを選ぶとなるとね・・・。」
「じゃあ『c』はどうかな?」
「う~ん、これも『a』一緒でIP電話が使えないね。」
「IP電話が使えない原因にはなりそうだけど、PCがインターネットにつながらない原因にはならないんだよね。不正解だ!」
「そうだね~。分かってきたね~。」
「残りが『d』だね。もうこれしかないんだけど説明すると、今回の選択肢でPCもIP電話も両方が使えなくなる可能性があるのはこれしかないんだ。」
「症状からは、モデムからインターネット側のどこかで故障が発生しているってことが推測できるんだけど、それに当てはまる選択肢は『d』のスプリッタだけだね。」
「なるほどね~。こうやって切り分けていくのか~。」
「そうそう、ちゃんと切り分けられるようになることを『分かる』っていうんだよ。」
「そっかー、ちょっと分かったような気がするよ!」
【 第24回 第2部 第10問 解答&解説 】
[解答]d.
[解説]
a.IP電話は使えなくなるが、これだけではPCがインターネットに接続できなくなる事はない。
b.PCがインターネットに接続できなくなるが、IP電話が使えない原因にはならない。またモデムのLANのランプが正常なのでモデム-PC間には問題は発生していない。
c.aと同様。
d.スプリッタはモデムよりインターネット側に位置するので、これが故障するとネットもIP電話も使えなくなるし、PCとモデムの間は正常なままなのも当てはまる。
e.bと同様