オー、捨てないと!

隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

ヘルメットの劣化という危険

2011-01-05 19:11:27 | 保護具
昨年末2010年12月13日に、大手保護具メーカーの谷沢製作所がHPで公開したレポートは
今まで深く考えずに使ってきた保護帽(ヘルメット)の経年劣化と言う隠れた危険性について
衝撃的な結果を示した。

今回はこの「保護帽の経年劣化(その2)」(谷沢製作所HPより)を元に考察してみたい。
なお、私個人の考察なので間違っている点もあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。

まずこの「保護帽の経年劣化(その2)」は実際に使われていた保護帽を回収し、
それに衝撃吸収性能試験を実施、その結果をまとめたものです。

先ず3.試験結果の(2)使用年別、材質毎の結果を考察してみましょう。
・FRP製
 5年とされる耐用年数に対し、7~9年でおおむね交換されているが、
 10年以上、中には20年使用されるものも少なくない割合で存在している。
 しかし不合格率は低く、耐用年数を大幅に過ぎたもの、11~19年使用したものでも合格しているものがある。
 逆に耐用年数内、4年でも不合格となったものがある。
 この資料だけでは判然としないが、取り扱い、保管に問題があったのではないだろうか?
 内装の破損が殆どだったとの添え書きがある。

・ABS製
 3年とされる耐用年数に対し、3倍以上の11年程度使用しているものが多く見られる。
 使用年数に関係なく不合格となるものが発生し、その割合が大きく思える。
 耐用年数の限度となる3年でも複数の不合格が発生している。
 不合格となるのは帽体の割れが原因との事。

・ポリカーボネート製
 3年とされる耐用年数に対し、4年程度で交換されているようだが、
 それより長く使われているものも一定の割合で存在している。
 耐用年数限度、3年目で複数の不合格が出ているが、耐用年数と不合格の因果関係は薄いようである。
 今回の結果では12~20年のものはテストに合格している。

・ポリエチレン製
 3年とされる耐用年数に対し、大半が6年以内で交換されている模様。
 ただし耐用年数の5倍となる15年以内で不合格はゼロと優秀であり、
 18~20年でも不合格はゼロだが、16年のものが半数が不合格となっている。
 
・総合
 以上の結果を見るにポリエチレン製の保護帽は耐久性が高いように見受けられる。
 大半において保護帽の交換年数が守られていなく、倍以上、時には数倍の年月使用されている場合もある。
 逆に耐用年数以内で交換されているものも一定の割合で存在する。全般的に1~3年。
 企業による保護具への関心の差が激しいと思われる。
 耐用年数以内であるからといって必ずしも安全であるとは言い切れない。


次に(3)「個別結果(顕著な例)」の写真を参考に考察してみたい。
・① 耐用年数を超えているが、帽体に塗料が付着しているとの事。
   塗装業者等でこういった保護帽を多く見かけるが、危険性が高いと認識するべき。

・② 耐用年数以内だが破損したもの。解説を見るに保管に問題か。
   材質が劣化するとリブの溝等が弱点になる可能性がある。

・③ 資料の写真からは状況がよく分からない。
   耐用年数の倍の6年使用している上に帽体の破損は無くても衝撃加重値が高かったとのこと。
   傷だらけであったなら帽体が破損してもいい気がするが・・・。

・④ 帽体が変形している時点で保護帽としての機能が失われ、
   「衝撃吸収性は全く無く」との解説で着用している意味が全く無い事が伺える。
   納入した業者は、使っている作業者は気にしなかったのだろうか?

・⑤ ②同様、リブの溝が弱点になるのか。
   やはり屋外での暴露は劣化を促進させるという認識。
   使用期間10年となっているが(2)の表で10年はゼロとなっているので11年の間違いか?

・⑥ 破損が酷い。
   説明を見るに屋外での暴露が破損原因か。

まとめ
以下に個人的に感じた事をまとめる。
・保護帽の使用環境、保管環境が不適切であれば耐用年数内でも自身の安全を守れない。
・保護帽の異常、特に傷やヒビだけでなく材質によっては光沢にも注意が必要である。
・保護帽の内装にも注意が必要である。
・保護帽の材質はどれでもいいわけでなく、よく考えて選定する必要がある。
・安全保護具に対する意識の向上が不可欠である(使い物にならない保護具を着用している例が少なからずある)。

最後に貴重なデータを公開してくれた谷沢製作所様に深く感謝します。
もうちょっと鮮明な写真や詳細なデータがあればもっと嬉しいのですが・・・。
無理だわな。
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52 コメント

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Unknown (ASUKA1820)
2011-05-22 19:27:59
・特定の製品に触れておらず、書き込みも皆無の本ページを使用させて頂くこととしました。

>耐熱用のコーティング
 知る限り、トーヨーが遮光度数入りのものも出しているほかにはミドリ安全がSC-13(ミラー加工されたシールド面を内蔵したもの)を参考出品していた程度でした。従来品は「面体の大きさが問題になる」と考えていましたが、SC-15や162が出た今ならば私も期待してしまいますね。

 先日など、アライのメットの後頭部にキュウベぇの目と口を貼り付けていたライダーを目撃して大笑いしてしまいました… 下記のようなステッカーもあり、なかなか面白いと思います。
 http://img34.pixiv.net/img/plasoul/16782837_m.jpg

 また、ついでのようですがこちらはエヴァンゲリオンのシーン(伍話)。
シンジがまさしく絵に描いたようなドカヘル(黒線と緑十字のMP型)を被っている点や、セル画特有の味わい、絵の雰囲気がまさしく90年代を感じさせます。この作品以降、業界がおかしくなっていったと言う人もいますが、私はストーリー以上に施設などの背景画が大好きであり、最近ですとストライクウィッチーズやISを気に入ったことが記憶に新しいところ。改めて「近未来・メカもの」が好みかと悟った次第で、保護帽の飛鳥もまさに同傾向のデザインです。

 それにしてもシンジ君かわいらしい。保護帽は顎紐が耳紐なしの一本だけで、ヘッドバンドが無い点や中段・右下の作画は気になりますが、左上は内装まできちんと描かれていて特に左下の上手さが突出している!
 右上など、まるでミドリ安全のSC-9を被っているように見えますし、「NERV○○備品」の記述もなかなかよろしいではありませんか(笑)。本作品が今製作されたならば、保護帽も恐らく欧米型を参考に描いたと思われますが、反面この場面の通りに自作することは比較的容易く、加工終了後に組織名を自ら書き入れる点に醍醐味あります。

・当該シーン集
http://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110522111544.jpg
・なかなかの名場面でした(笑)
http://sakurasite.homeip.net/imgboard/img-box/img20110522111535.jpg
返信する
Unknown (doorgunner)
2011-05-27 23:12:53
>SC-13
ミラーコートのシールド面となるとやはり耐熱なんでしょうか。
防災面は製鉄所などでも需要があるので耐熱の物があっても悪くは無いと思うのですが・・・。
ちなみに通常の防災面を炉前作業で使うと一気に変形して使い物にならなくなります。

>キュウべぇ
近年稀に見るインパクトのあるマスコット(?)キャラクターでしたね。
夏に向けてグッズが増えるのではないかと思って今から楽しみです。

>エヴァ
懐かしいですね。
記憶では黄色のMP帽だと思っていましたが白でしたか。
何度も述べていますが、
MP帽のデザインはシンプルで味がある優れたデザインであると認識しております。
そろそろ自分用に欲しいですね(笑)。

同作は色々とありますが、練られた細かな設定に当時惹かれた記憶があります。
根底の部分で今と何ら変わりありません(笑)。


ところで秋葉原にひっそりとあった重松製作所の本社、どうやら移転するようですね。
http://www.sts-japan.com/ir/pdf/110520.pdf
秋葉原に行った際に社名のプレートを見てくるのを密かな楽しみにしてましたが、
どうやらもう無理みたいです。
今までずっと写真を撮りそびれていたのが少々残念です。
返信する
Unknown (ASUKA1820)
2011-05-30 20:41:45
 先日、NHKで取り上げられていた金属加工の会社でトーヨーの軽作業帽(80型)が使われており大変驚いてしまいました。検定品でないうえにABS製。やはりコスト面での選択かと思われますが、保護具に関して全く理解がなされておらずハッキリ言いまして論外です。他人事なのに、どうしてこんなに腹がたつのでしょうね?

 一方、「のど自慢」の方ではアニソン限定で収録がなされ、ULTRA-PRISM本人が出演してイカのOPを歌う場面もありました。「おジャ魔女カーニバル」を楽しそうに歌うグループや、一回のヒトカラが7時間の男性の「ウィーアー!」、教師のGS美神OP「GHOST SWEEPER」という意外な選曲も良かったと思います。


>エヴァ
 90年代の画って、本当にいいものですね。
 http://www.youtube.com/watch?v=fNMLPoOH8LE

>ミラーコートのシールド面
 材質はやはりPCですし、単なる防眩目的と思います。また、帽体に収納可能な程度の大きさでは充分な防護性能を確保出来るとも思えません。かと言って、帽体自体をジェット型にしてしまえば質量や通気性の面で問題が発生いたします。一方で外付けタイプも重量が前にかかりバランスが悪化いたしますが、現状では最も無難な選択ではないでしょうか?

>社名のプレートを見てくる
 谷沢の京滋出張所も、自宅の近所であったことに驚いたものでしたが昨年あたりに大阪営業所へ統合されてしまいました…
 いつぞや、高槻工場を見に行ったことも思い出します。
返信する
Unknown (doorgunner)
2011-06-05 17:20:14
>軽作業帽
保護具の不適当な場面は往々にして見かけますね。
先日も駅で脚立を使っている作業員が何も被っていないのを見て声が出そうになりましたが、
グッと堪えました。
根底に「この程度の作業にそこまで必要ない」という意識もあるのでしょうが、
なかなか歯痒いものです。

>シールド面
そういえばラクボのDVDに防眩として紹介されていたのを思い出しました。
確かにオーソドックスな外付けの方が何かと便利かもしれませんね。
バランスは悪くなり、以前のものは保護帽を手で押さえていなければなりませんでしたが、
ラチェット式ヘッドバンドになってからはかなり改善されました。
以来、ラチェット式でない保護帽は被る気がおきなくなってしまいましたが・・・。

そういえば先日、テレビで出ていた電気工事の作業員がシールド面つきの保護帽を被っていました。
一瞬だったのでメーカー等の型式は判別できませんでしたが、半面のようです。
なるほど、ああいった形でシールド面の下部が少しはみ出しているのですね。
現物を見たことが無かったので興味深かったです。
やはり電気関連で需要があるのでしょうか。

>逮捕
テレビ化した際に最初の数話はOVAからの使いまわしでOPもそれでしたね。
その分、通常の放送分とのギャップが・・・。
何か実写ドラマ化された気もしますが多分記憶違いでしょうね。
見てませんし。
返信する
Unknown (ASUKA1820)
2011-06-05 21:12:20
 京都市のボークス本社にて鉄道模型の新作展示が行われるということで見に行ってきましたが、大学の鉄道研究部コーナーや地方私鉄グッズ販売もありました。そのほか通常の模型店としての機能ももっており、ガンダムや飛行機などのプラモデル、各種用具に部品類、もちろん「あっち」方面の商品として、アニメグッズやフィギュア・ドール類も並んでおりました。
 車輪がNゲージ用にすりかえられた、ミクのプルバックカーが場違いでしたね…

>シールド面つきの保護帽
 そのボークスの帰りに偶然、SC-11PCLSを着用した大阪ガスの作業員をみかけたのです(系列企業や工事会社かもしれませんが)。白い帽体にグレーのひさしで、通気孔は無し。これまで使用していたPC-100からついに変更されたのでしょうか、電車を降りたときに停まっていた大ガスの車にはまだこちらが載っておりましたので今回の目撃は本当に更新直後です。しかし、価格面で負けたのか判りませんがスタライもPC-701という同等品がありながら、惜しいことをしました。
 それにしても近年のミドリ安全の躍進には驚くばかりです。SC-11/12PCLシリーズは見るたび一種の威容を感じますし、縁の色の変化も被る人を引き立てていて本当によろしい。もう大抵の出来事には驚かなくなってしまいましたが、久しぶりに鳥肌たつ出来事でした。さすガっス(笑)
返信する
Unknown (doorgunner)
2011-06-12 23:29:11
>ボークス
鉄道模型の展示もあるのですか。
こちらではやったのかな・・・?
単なる展示に止まらず、関連の展示・販売があるのは面白いですね。

>SC-11PCLS
ガス会社でもシールド面つきですか。
確かに電動工具を使う機会も多いでしょうし、いい選択と言えるでしょうね。

先日、電気工事(柱上トランスの交換)作業を見かけましたが、
地上の作業員が変色したように見えるMP帽を被っているのを見て不安を覚えました。
単に汚れていただけかも知れませんが・・・。

別の日に私鉄の作業員(電気関連?)2人組のMP帽には
後部に耐電試験を実施した丸いシールが2人とも貼られているのを目撃し、
適正に管理されているのを見てちょっと嬉しくなりました。
保護具の管理は適正にしていただきたいものですね。
返信する
Unknown (ASUKA1820)
2011-06-16 21:10:39
 先日、近所のツタヤでアニソンが二曲(トリコのOP・スケットダンスのED)かかって驚いてしまいました。来店目的はもちろんアニメ雑誌の立ち読みのためでしたが、キャラクター人気ランキングに依然として幽白のメンバーが登場していることにはいつも驚いてしまいます。あぁ、90年代は本当に(しつこいぞ)
 来期の情報もぼちぼち出てまいり「これとこれが面白そうかな」と目星をつけているところです。

>私鉄の作業員
 鉄道会社はこのあたりきちんとしている印象がありますね。JR西勤務の知人からも、車庫内の施設で耐電性の自主検査を行っているという話を聞きました。
返信する
Unknown (doorgunner)
2011-06-25 23:54:25
古いアニメで今でも人気のあるキャラって少なくないですよね。
気持ちは分からなくもないですが、私なら好きな作品やキャラクターを尋ねられたならば、
なるべく新しいものを選びますね。

最近気になってるMSAのVガード保護帽ですが、
東電だけでなく、JAEAのもんじゅや中電の浜岡原発でも使われているようですね。
特に中電の場合、一般の保護帽はVガードではないのでやはり調達が異なる経緯が気になるところです。
上面のV字型が特徴的ですが、ヘッドランプを取り付けると頭頂部のストラップが通しにくいようでいいのか悪いのか分かりかねるデザインです。

話は逸れますが京急電鉄ってそんなに酷いんですかね?
http://hamusoku.com/archives/5130443.html
返信する
Unknown (ASUKA1820)
2011-06-26 20:18:11
>好きな作品やキャラクター
私も色々ありますが、一番はドラえもんですねぇ...
最近の深夜帯ではイカ娘でしょう。

>Vガード
貧弱な内装に過剰なリブなど、設計面で海外製保護帽の悪い点丸出し(ほぼそのまま輸入)であり個人的にはどうも好きになれない製品のひとつです。

>京急電鉄
「ダァ閉まります」の元ネタはここでしたか…
各社の性格や慣習もあらわれているのでしょうか、発音が聞き取りにくい
(癖のある)車掌はどの鉄道会社にも存在するものと思います。
あまり関係ありませんが、広告の「そらおと・ニンフ」ねんどろも可愛らしいですね。

今日は思い切って早起きし、ラウンドワンのカラオケに行ってきました。
休日あさ5~8時に来店すれば13時まではドリンク付きで歌い放題がナント600円です。
しかも今回は時間に余裕がありますので、休憩時には気になる曲をかけてみたり、
カラオケ本体の機能を見たり、本をめくったりしましたが歌った曲はもちろんアニソンばかり(笑)
最近はJOYばかりでしたのでDAM(最新のライブダム)を選択し、生演奏曲も楽しみました。
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Unknown (doorgunner)
2011-07-06 22:26:31
Vガードは溶接面のようなダイヤル式のネックバンドが気になりますね。
欧米ではままある形式のようですので、どの程度安定するのか気になります。
でっぱりが大きいので作業によっては邪魔になるかも知れませんが…。

今年はすでに暑く、クールベストの話が度々出ますので最近はこれが気になりますね。
保冷剤を体に巻きつけるだけじゃないか、とも思っていたのですが、
日本ブロワーのもの
http://coolvest.jp/
ですと特殊な素材らしいのでこれがどうなのか気になります。
かなりお高いようですが…。

クールベストはなかなか見かけない(気づかないだけ?)ですが、
保護帽の下につける水冷式の「垂れ」はたまに目にしますね。
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