以前紹介したPASGTボディーアーマーに替わって、
近年アメリカ軍で使用されているのがインターセプターボディーアーマーだ。
これは2000年あたりからアメリカ軍で使用が始まったもので、
2001年のアフガニスタン攻撃、
2003年3月19日からのイラク戦争などで新型のヘルメット・ACHとともに使用され、
ニュースなどの報道で広く知られるようになった。
特にイラクでは1991年の湾岸戦争の際の装備と異なる点が数多くあり、
アメリカ軍の装備開発の素早さを見せ付ける結果ともなった。
先ず、気になるのはその独特の名称であるが、
これはアメリカ軍が開発した物ではなく、
アメリカの有名な防弾チョッキメーカー・ポイントブランク社が開発・提案した物を
そのまま採用したためであると言われている。
このアーマーはアウター・タクティカル・ベスト(Outer Tactical Vest=OTV)と
OTVの前後に入れるスモール・アームズ・プロティクティヴ・インサート
(Small Arms Protictive Inseart=SAPI)を組み合わせることにより、
必要に応じて防御能力を変えるようになっており、
インターセプター・タクティカルシステムとマニュアルでは定義している。
まず、基本となるベストを見てみよう。
これはOTVベース・ヴェスト(Base Vest)と呼ばれる物で、
このシステムの中核をなすものである。
外皮はナイロン製で、表面にPALS(Pocket Attachment Ladder System)ウェビングが縫製されている。
これは同時期に支給され始めたMOLLE(Moduler Lightweight Load-carrying Equipment)のポーチ類を取り付ける際に使用されるが、
直接ボールペンなどの小物を保持するためにも使用されている。
この状態をMOPP(Military Operational Protective Posture)ではLevel1としており、
胴体部分のみを保護することができる。
マニュアルによれば高温地域に適用とされているが、インターセプターの支給当初には、その重量や動きにくさを嫌ってか
この状態で演習しているアメリカ兵の姿がよく見られた。
9.11以前の平和な頃の姿だった。
肩の部分にはドットボタン固定のループがつけられており、
MOLLEのFLC(Fiting Load Carrier=戦闘装備)のベース・ヴェストを固定するのに使用されるが、
わざわざベース・ヴェストを用いずにインターセプターに直接ポーチを固定するのが一般的となっている。
(画像のインターセプターにはエリ部を装着)
次いでベース・ヴェストの前合わせを見てみよう。
前合わせは内部の防弾素材が被さった状態で着用されるように工夫されている。
画像中央、折り返し部分の裏面にあるメスのベルクロ(マジックテープ)と画像中央右寄りのオスのベルクロを合わせてから、
外側左右のベルクロと3箇所のドットボタンで固定するようになっている。
PASGTよりも固定方法が厳重になっているわけだ。
画像中央の折り返しは右前面防弾パネル外側のポケットとなっており、
SAPIプレートを挿入可能になっている。
また、内部には横方向に伸びるナイロンテープが入っており、ワンタッチでSAPIを取り出せるようになっている。
背面を見てみよう(エリ部、股間部アーマーを取り付けた状態)。
背面にもPALSウェビングが縫製されている他、
エリ近くの上部にはドラッグハンドルと呼ばれる持ち手が縫製されている。
これは負傷した際に引きずって安全な遮蔽物などに移動させる際に使用される。
その下にあるのは背面ポケットで、
SAPIプレートを収納する以外にキャメルバッグなどの給水具を収容可能なように
フラップ中央に穴が空いている。
アイディア賞ものの設計ながら想定と異なり、SAPIプレートを収納する機会のほうが圧倒的に多いだろう。
ウエスト部分には左右2本ずつのナイロンテープが縫製され、
着用者のサイズに合わせて調整するようになっている。
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