このページは5段までが対象です。
打ち込み対策を含めて、攻めに悩みを持っている人が結構いることがわかったので、
石の攻め方について書きます。
石を攻めるのにどのようにして考えていけばいいのか。まず失敗パターンを書いてみます。
攻め方の図が浮かばないので、とりあえず根拠を奪おうとする
↓
石の方向性がとんちんかんなので、小ヨセだけの手になる
↓
相手は要所を占める
↓
攻めになっていないだけでなく、地合いが悪くなる
↓
負け ×
大体がこのパターンです。そして、強い人はよく攻めの利益は少しでもあればいい、といいますが、
その方針でいく人と、少し強くなって攻めでの利益がそこそこある人の失敗パターンは、
攻めで少しの利益を得る
↓ ↓
楽観して手が縮んで抜き去られる 1手の悪手で利益が吹っ飛ぶ
↓ ↓
負け × 負け ×
利益は少しでもあればいい、という考えを成立させるには、実は前提条件があって、それは利益を
最後まで維持出来る力がある、ということです。ひどい言い方をすれば、5段までのアマチュア
には無理な話なのです。
アマチュアは、悪手を量産する機械と言っていいでしょう。ですので少々の利益では間に合いません。
ではどう考えればいいのか。答えは、
最大限の利益を得ることから考えるのです。攻めによる最大限の利益は、取ってしまうか、攻めること
で大模様が出来ることです。この考えから攻めをスタートさせるのです。とは言っても、そんなの
うまくいく訳はないだろ、と言われると思いますが、うまくいかなくてもいいのです。相手の反発
との折衝で落ち着いたところが、最適な利益を攻めで得られた状態になるのです。10目の得を目指したら、
20目の得は得られませんが、30目の得を目指せば、20目の得は得られる可能性が出てくるのです。
パターンにすると
取るか、攻め立てて大模様を作るかを目指す
↓
相手が反発する
↓
数字になる利益はないが、厚くなり、新たな地模様が出来る または相手に弱い石が出来る
↓
新たな模様に入ってきた石、または弱い石を攻める
↓
効率のいい地が出来るか、相手の地がなくなる
↓
勝ち 〇
この考えのいい点は2つあります。1つは、取る手・模様を張る手にそれほど難しい手は多くなく、
着手を選びやすいこと。もう1つは、上達に直結すること、です。相手の反発に向かうわけですから、
力がつくのです。
実戦例で見てみます。
黒の立場で、今上辺に打ち込まれたところです。この状況では、大模様になるところが
ありませんから、取りにいくことを考えます。
取りにいくには、まず封鎖することを考えます。この碁では、ケイマの1手です。
白は中央を突破出来なかったら、級位者だと危ないかもしれません。
生きられても、厚くなったので、23と第2弾です。白がシノぐ間に、右上と右下の黒地が自然と固まります。
白が2と逃げてきたら、5として絡み攻めです。左辺の白が強いので、逃げられる可能性は
高いのですが、そこまで逃げないといけないとすると、黒は追っかけた石がそのまま黒地
を囲う手になりそうです。
実戦は、1と根拠を奪おうとしましたが、実戦では打ちませんでしたが、2と中央に逃げられる
とパッとしません。
この例のように、攻めでは取りにいくことから考えた方が、優勢になりやすいことがわかると思います。
石の攻め方については、連載シリーズにします。