石を攻める目的は何でしょうか。
それは、攻めることで、余得を得ることです。が、問題は、余得の内訳です。
強い人はよく少しでもプラスがあれば十分、と言いますが、アマのほとんどはその考えではいけない、
と私は思います。強い人は、少しのプラスを終盤までキープする打ち方ができますが、10目20目損
の手を無意識に打つほとんどのアマにとっては、少しのプラスでは足しにならないのです。また、
下手をすると、優勢の意識を持つことで、後の着手が縮こまる可能性も高くなります。
ではどうすればいいか。攻めによって大利を得ることを目指すのがいいのです。
では大利とは何か。それは封鎖することです。
何故封鎖がいいのか。封鎖すると、自分が厚くなるだけでなく、相手の石が働く機会を遮断することが出来る、それがポイントです。
フォロワーさんの碁を例にします。
実戦図1
白番でどう打つか、です。
参考図1
24の手で、図の1とカケることが出来れば話が早いですが、右下の白も強くないので、8のツケが成立すると、
白が危ないです。
参考図2
ここでのカケがいいです。6にも白7で押し込めます。7に石が来たので、17・21と眼を奪うことができます。
参考図3
カケでなくツメると、中央・下辺の白がかなり弱体化します。攻めにいった石が、相手の攻めにはたらく壁になったら
悪いに決まっています。
実戦図2
手数は少しすすんで白番。
参考図4
ここでも無理矢理封鎖がいいです。
黒は、11が利いたらかなり危ない格好です。なので上辺は先行しにくいです。
参考図5
黒の変化図ですが、白は戦えます。
実戦図3
白は32と根拠を奪いながら、地を稼ぎながら攻めるつもりです。
しかし、43の切りが入って頭を出されては、持てあましています。
参考図6
42では、図の1のノビが相場ですが、6までになると、攻めの余得はなく、攻めたのではなく
追いかけただけの状態です。
参考図2・4と、6を比べると、大違いだということがわかると思います。6の図が何故失敗になったか。
相手の石を封鎖出来なかったため、頭の出た相手の石が働いてきたからです。
攻める時に1番に考える理想図は、根拠を奪う・稼ぎながら追い立てる、ではなく、封鎖すること
です。封鎖することで、厚みが出来るだけでなく、相手の石が働かなくなることが大きなポイントになるのです。