また参考図と総譜が上下逆になっています。見にくいのは我慢願います。
置碁のポイントは、置石をいかに活用するか、ですが、具体的にどうすれば
いいのか、わからない方のほうが多数だと思います。
私が考える活用法は、置石を中心に連携させることです。連家とはどういうことか
というと、文字通り繋がることです。五目並べじゃあるまいし、なぜ繋がることが活用になるのか。それは私の解説の記事を継続して読み続けていただけたらわかると思います。
これも5年前の指導碁で5子局です。
実戦図1
左下、黒ツナギに白のヒラキになりました。ツナギは当然のようですが、
置碁では疑問だと思います。ここに白石がきたことで、左下・左辺の
黒が弱体化しました。
参考図1
1といっぱいにツメたいです。黒は、せっかく肩ツキから中央に伸びて
いるので、隅よりもこちら方面を優先したいです。右側のほうが隅より広いですし。
部分的には、2・4のツケ切りでサバキ形なのですが、捨て石にされると
一気に巨大な黒模様が出来てしまいます。もう1つのポイントは、白に
17のツメを打たせていないので、13・15・17が、足が遅くても有効に
なるということ。隅は白地になりますが、下辺の白がかなり弱体化します。
参考図2
白が重たく戦いにしたらどうなるか。1例ですが、ポイントは、白32には手抜きをすること。
これだけ厚くなれば、この地点の守りは地だけのヨセの手になります。
もう1つのポイントは、35と出口を封鎖した後、43のツメが黒の弱点
を補強する手になっているということ。
2つの参考図を見てわかることは、隅を大切にするよりも、左下の黒石と
左辺のハサンだ黒石が繋がる意識を持つ方が、有利に戦えることです。
参考図3
置碁の本では、白をコスミツケて立たせて重くして攻めるべし、と当たり前
のように書かれていますが、半分以上のケースでそれは疑問手になると思っています。実戦では打たれませんでしたが、参考図3のように普通に受けた後にボウシされたら、かなり紛れていると思います。こうなると、右下の白2子は、重たい石でなく厚みの働きをしだしています。
参考図4
私のオススメはハサミです。白は三々に入るわけにはいかないですし、ツケても、黒は隅を相手にあげて、封鎖するように打てば、白の負けが現実化します。
白としてはトビ出すしかなく、黒は5とこのラインを最優先にしたら、負けるに
してもかなりの時間を要します。
実戦の右下の黒のコスミツケは、石の繋がりを考えていない手、参考図4
は石の繋がりを意識した展開で、どちらが有利かは一目瞭然です。しかも
参考図4は特別な難しい手はありません。石の繋がりがいかに重要か、
その一端は見ることが出来たと思います。