スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

トップリーグファイナル:サントリーサンゴリアス対三洋電機ワイルドナイツ

2008-02-27 23:39:31 | その他のスポーツ
勝敗を分けたのはラインアウトだった。トップリーグファイナルを制したサントリーサンゴリアス。奪ったトライ2本はいずれもラインアウトが起点だった。序盤からノーサイドの笛が鳴るまでセットプレーの精度は落ちることなく、リーグ戦無敗の14連勝、三洋電機ワイルドナイツに今季はじめて土をつけた。

早々にブラウンのPGで先手を取った三洋だが、その後立て続けにブラウンがキックを外してしまう。ドロップキックは致し方ないにしても、PGはしっかりと決めておきたかった。風、激しく、読みが難しかったにしても。三洋は逸機するも風上に立ち、キックでエリアを回復する戦術でサントリーを上手くコントロール下に置く。しかし、ラインアウトからのボールを竹本にダイレクトキャッチされ、DFが絡みつくも振りほどかれてしまいインゴールへと飛び込まれる(ゴール成功)。逆転に成功したサントリーはやや劣勢だったブレイクダウンでも伍して戦えるようになる。攻め切れなかった三洋だが左右左とワイドにボールを展開し、フェイズを重ねる。サントリーを揺さぶり、コリニアシがフィニッシュ。10-7と引っくり返して前半を折り返した。

後半、風下の三洋は押し込められることを織り込み済み。攻勢に回ったサントリーは一気に押し切りたかったが、赤い守備網は容易に破れない。モールで前進、有賀の突破から攻め入るも、決死のDFの前にトライを得られない。3点のリードを粘着力のあるDFで保持してきた三洋であるが、またしてもラインアウトから失点を喫する。僅かな綻びを小野沢に突かれ、走り切られてしまった(ゴール成功)。強烈なモールからのアタックを耐えに耐え、ブラウンがターンオーバー。好守が反撃の狼煙になるはずだったが、サントリーの鋭い出足は最後まで衰えを見せない。強固なDFに手を焼きフィニッシャーの北川にボールが回らず、22mラインを越えることすら難儀な作業となってしまう。せっかく掴んだ好機も自分達のミスで潰してしまった。三洋のラストワンプレーはラインアウトだった。ボールを投じるが誰も触れられなかった。楕円はグラウンドを不規則に転がった。この試合の全てが凝縮されたシーンだった。

10-14。スコアは動くことなく、つまりサントリーが初めてトップリーグの栄冠を手中に収めた。

トップリーグファイナル サントリーサンゴリアス14-10三洋電機ワイルドナイツ @秩父宮ラグビー場


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