スポーツライター・オオツカヒデキ@laugh&rough

オオツカヒデキは栃木SCを応援しています。
『VS.』寄稿。
『栃木SCマッチデイプログラム』担当。

アーティスト村主、渾身の一作@全日本選手権フリー

2005-12-25 22:11:19 | その他のスポーツ
3枚の切符を懸けて6人が鎬を削る。女子マラソンにも負けるとも劣らない苛烈な代表選手争いを繰り広げる女子フィギュア。いよいよSPが終わり、フリーに全てが託された。

ピアノの連弾とシンクロ。村主のスピン速度が一気に上がる。その渦へと吸い込まれるように終焉へ向けて心の奥底から熱いものが込み上げてきた。「技術的にはいまひとつ」。本人がそうコメントを残した通り、緊張からか足の運びがSPほどには巧くはいかなかった。だが、ジャンプなどで補足し、最後はひとつの作品としてフリーの演技を完成させた。先に滑った荒川、浅田、恩田を突き放す190点台を叩き出す。股関節の怪我を負いながらも最終的には内なるパッションが村主を支え全日本のテッペンへと誘った。重圧に押し潰された安藤とは対称的に修羅場を潜りぬけた者が見せる凄みを観衆に披露した。優勝、そしてトリノへの切符獲得おめでとうございます。

初日を主意で終えた元女王荒川静香。第1滑走が響いたのか演技が堅かった。ほぼパーフェクトの前日とは打って変わり貫禄などが感じられなかった。着氷でも手はつかないまでもバランスを崩す。3位に滑り込むも課題が残った。

1回目のトリプルアクセルの打点には圧巻。更にGPファイナルでは公言するも実現に至らなかった2度目のトリプルアクセルを繰り出し、見事に降りて見せた。ノンプレッシャーとはいえども世界初のプログラムはなかなか出来るものではない。改めて浅田真央のタフネスぶりに驚嘆した。全体的にもSPよりも滑りは滑らかであり、順位をひとつ上げて2位となった。

五輪の切符を手にしたものの安藤は脆かった。ジャンプの高さに乏しく、バランスを崩すシーンが目に付いた。技と技の繋ぎの部分でもぎこちなく、重い身体を必死に動かしていて痛々しかった。ポイントが伸びずに6位に沈んだ。本人もある程度、納得の順位と結果だろう。

全日本選手権女子フリー 優勝:村主章枝 2位:浅田真央 3位:荒川静香


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