切り替え＠栃木ＳＣ通信

穏やかな笑みを浮かべながら冗談を飛ばす。

「いやー、大変だったよ。今年はさぁ。オレが（笑）」

ひと笑い入れてから真剣に、シゲルさんは話し始めた。

「思い入れのある選手が変わっていくのはしょうがないよ。今までだってなかったわけじゃないんだし。出たり入ったりしてもサポーターは、オレ達は応援していくだけだからさ。結局、メンバーが変わらなかったら、今年と同じことの繰り返しになるだけだから」

コールリーダーとして去り行く戦友に対する寂しさがないといえば嘘になるだろう。しかし、何時までも感傷に浸っている暇はない。おそらく話を聞いた最終戦、シゲルさんの中で様々な思いが錯綜していたに違いない。それでも、前を向いて行こうよ、と呼び掛ける。呼び掛けられる姿勢は驚嘆に値する。

個人的に、まだ気持ちの切り替えが出来ていないのが正直なところである。でも、来季のスタートには新鮮な気持ちで臨めるように、僅かな時間の中で思うところをひとつずつ丹念に整理していきたい。

栃木ＳＣ中毒は不治の病なのだから。