響き 15番

2017年03月26日 | 十四行詩






響くのは音ではない 響くのは
言葉ではない
金雀枝が響く 木洩れ日が響く 夕焼けが響く
山が 川が まなざしが 響く

裂け目が響くように 沈黙が響くとき 
時が響いているのである
冬の波のような痛みが響くとき
過去が響いているのである

シフはバッハの響きになった
アファナシエフは三十一番の響きになった
わたしが響く 死が響くように

それが響き始めたとき
それが響いている場所
それはひとりの他者である







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