流れる 14番

2017年03月22日 | 十四行詩






流れる 初夏を流れ 花を流れる
山が流れるように 過去を流れる
幼稚園の子どもたちの聲が きょうは
よく響く ふるい天井の白い花びら

響くまで間のある聲また聲
そんな夏の大きさは
音の見える畏れとも
夏椿の白さとも 

去来するものはなにもなかった
身の丈に まだなじんでいない
この世 この世

大きくあくびをして
気がつけば カフェのソファーの中の
物憂い中年男である






 

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