道 17番

2017年05月23日 | 十四行詩






     


            四十雀天は奥あるところかな







その道はいまでも覚えている
十年くらい前 夢に見たなつかしい道
丘の見える少年たちの自転車の道
田の中のアスファルトを奥へ奥へ 

いつのまにか夕日の古墳である
いっしょにいた友だちはいなくなって
一人きり 欅の若葉が風に揺れると
四十雀が高く啼いた 天の奥 奥の光

それは少年の心へ入ってきた現実なんだが
夢の方をいまではよく覚えている
どこかで水が光っている

あの道は もうない
あの光は もうない
あのわたしは もういない









最新の画像もっと見る

コメントを投稿