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木陰の椅子

「シニア夫婦二人暮らしのつれづれ」から「一人ぼっちのつれづれ」に。明日も良い日にするために頑張りたいなと思います。

不毛なだけの草取り作業

2023-07-14 | 一人になって

草取りは嫌いではない。

しかし、近頃はさすがにそれも疲れてきた。

4月初旬から副鼻腔炎になり、それも治りきらないうちに左足首を捻挫、2ヵ月半というものほとんど畑仕事が出来なかった。

4月~6月は、野菜作りには一番重要で且つ忙しい。その時期に作業出来なかったのは大きな痛手。そのうえ夫がいなくなって、体力のない私一人だけになり、5月下旬からたびたび豪雨・強風・雹・猛暑などに襲われている。

でも、なんとか菜園を維持したい。

もともとは私の畑だが、5~6年前からはほぼ夫に乗っ取られてしまっていた。雨の日は家で出来ることを、晴れの日は日がな病気をおして土遊びを楽しんでいた夫。

病人とは思えないその姿に、「治って良かったね」と言葉をかけてくる近所の人たちもいたし、この私とて、時には夫が病人であることを忘れてしまいそうでもあった。とはいえ必ず一緒に畑に出て、夫の様子を見守ることは欠かさなかった。そういう日々は、入院の前日まで続いた。

夫が大切にしていた畑。踏ん張る気力があるうちはなんとか維持したい。

20本ほどのヒマワリや、キューリ、ナス、トマト、オクラ、ピーマン等の定番夏野菜が1~2本ずつ育っており、オシロイバナやマリーゴールド等の花で場所塞ぎもしているが、スペースの半分近くが空いている。

そして、毎日2時間ほどの時間を草取りに追われている。

ひたすら草と格闘しても、2~3日もすると元の木阿弥。「なんでこんなに元気なのよ、ちょっとは遠慮しなさいよっ!」と一人ゴチているうちは、まだ余力があったような。

でもこの頃は、そんな思いも出てこなくなった。

後は自分との闘い?

この不毛なだけの草取り作業………いったいいつまで続くんだろう。

というか、続けられるだろうか。


窓の明かり

2023-03-25 | 一人になって

我が家の周りは、2世代3世代同居か、高齢夫婦二人でもすぐ隣に子供一家がいるかで、高齢者一人暮らしというのはほとんどない。
近所同士の立ち話はあまり見かけないし、隣人であっても姿を見かけることがほとんどない。3代替わってようやく地元民なんてことを聞いたことがあるが、ここに来て22年の私など論外、夫の死後「いつ東京へ帰るの?」とさえ尋ねられた始末。

 

 

そんな環境もあるのか、1人暮らしになった私を、近所の方々がなにかと気遣ってくれているなんて考えたこともなく、周りが畑とはいえ隣家もそこそこあるから、夕方になっても電気がつかない、雨戸が開かない、姿が見えない…と、心配をかけていたことなど知るすべもなく、今頃になってようやく知ることとなった。
思い返せば、今までは目礼だけで通り過ぎていた人たちが、立ち止まって二言三言と話していってくれたり、狭い狭い交流の中で、ライン友達が2人も増えている。

 

 

2枚の畑を挟んだ向こうに、新築の立派な家が建ってから15~16年経つ。
我が家側から見える2階は子供部屋のようで、左側にはピンクのカーテン、右はグリーンのカーテンがかけられているが、その部屋に明かりが付いたことはない。
毎年5月には鯉のぼりが立てられ、鯉や子供の名前が書かれた幟旗が風にたなびく。それから察するに女の子がいるのは分かっていたから、他に男の子二人がいるお宅かと思われた。

昨年秋頃からピンクの部屋に明かりがつくようにり、お姉ちゃんが成長して自分の部屋に居るようになったんだと、他所のお子ながらその成長を感じた。
先月あたりからは、グリーンの部屋にも明かりがつくようになり、そして数日前には、そのお宅の末っ子君らしき男の子から「こんにちは!」と大きな声で挨拶される。

 

 

居間の真正面に見える、向こうの家の窓の明かりが優しい。
カーテンの向こうの、少女と少年の成長を透かし見る明かりが嬉しい。
あの明かりが成長の証なら、我が家の明かりは「変わりないですよ」の証。
きちんと生活して心配をかけないようにしなくては……そんなことを思いながら、朝から雨降りのうす暗い今日は、早めに居間の明かりをつけた。


小さなちいちゃなお雛様…

2023-02-26 | 一人になって

お雛様。
小さな、ちいちゃな、お雛様。
綿棒より小さなお顔。
手のひらの上に、二つ並んでしまう。

 

 

東京に住む無二の友人K子ちゃんと夫と3人で行った、5泊6日の九州旅行。
あれから何年経ったのかな?
その折、故郷である大分の日田にUターンした、東京時代の友達Sさんを訪ねた。
有名な「天領日田おひなまつり」はとうに終わっていたが、知り合いのお店に連れて行ってもらっての見学の帰り、「荷物にならないように!」と、この小さなちいちゃなお雛様をお土産にもらった。

 

 

5日間いても九州1周はとうてい無理で、半周がせいぜい。
帰路、羽田空港でK子ちゃんと「あと半周も3人で行こう、そんなに間をおかないで」と約束して別れた。
その後、夫が病気になり、独身のK子ちゃんは故郷の北海道に帰り、間もなく癌が発覚し、新型コロナウイルス禍へと突入した。
K子ちゃんからは夫の病気と私の心配、私からはK子ちゃんの病気の心配と励ましが行ったり来たり。そして「残りの九州半周旅行」の約束を果たさないまま、昨年、二人は私一人を置いてけぼりにして旅立ってしまった。

それでも私、この小さなちいちゃなお雛様を今年も出した。
自分の座るソファーの向かい側に、娘が折った紙の花を背にして飾っている。
そして九州旅行のあれこれを、静かに脳裏で反芻している。
いやいや、静かにじゃない、「二人とも許さないからね」と息巻きながら…。

小さなちいちゃなお雛様は、そんな私を“静かに”見つめている。

 


夫のパジャマはモコモコほっかほか

2023-02-23 | 一人になって

昨年1月の夫の誕生日に届いた次男夫婦からのプレゼントは、フリースのちょっとモコモコとしたパジャマ。
その夜から着用した夫は、翌朝、「すっごく暖かいよ~」と興奮気味。
冬用パジャマは、裏付きだったり厚手だったりそれなりに暖かいものを着ていたが、それよりもっともっと暖かいから、「これからはこのタイプにしよう」とも言って。

数日後に早速買いに行った。1月も終わりに近かったからか、同じようなモコモコしたパジャマがかなり値下がりしていたため2着、自分の分も1着購入した。

 

 

夫が居なくなったこの冬はとにかく冷えて、朝起きた時の室温は表示限界の「0度」が多かった。
そこで昨年はあまり着る機会がなかった、モコモコパジャマが大活躍。
でも私は1着しかない。洗濯時にはいちばん小さそうな夫のパジャマを借りた。
私の女性用よりはゆったりとしていて、首回りもキツ過ぎず緩過ぎず、とにかくあったかい。今では私のパジャマ収納引き出し、所有者は私になった。

 

 

1月後半、新潟からお嫁さんが9日間ほど遊びに来た。
その折、日中も素敵な洋服を着続けていたので、「嫌でなかったら、去年の誕生日プレゼントにくれたパジャマを着ない?」と聞いてみると、二つ返事で「着ます!」と。サイズも彼女にピッタリ。「こういう感じだったんですね、あったかい~」と、自身がセレクトしたパジャマを着用してくれた。
お嫁さんがいる間、単身赴任で来ている息子も3回ほどやってきて、もちろん夫のパジャマで寝た。若い?息子は「このパジャマ暑すぎる、布団を剥いだヨ」と言いながらも、部屋着として着用していた。

 

 

1着は私の引き出しに引っ越したけど、残る2着は息子御用達、お嫁さん御用達として夫の引き出しで、二人の次の来訪を待っている。


食生活を大切にしよう。

2023-02-04 | 一人になって

夫が居なくなってから、呆れるほど“食”をおざなりにしているのは、重々承知している。
そんな自分が情けなくて、情けなくて…。

そんな折、「料理を作らなくなったり、食をないがしろにすることは認知症への第1歩となりうる可能性大」という文言を目にした。

一人になって重要なのは、まず体と心の健康を大事にすること。
そう自分に言い聞かせてきたつもりだけど、考えてみれば何一つ動いては来なかった。食生活などその最たるもの。

ボケては大変だ。
すぐその気になる私。文言に脅かされて、今日は朝からしっかりと作り、そして食べた。

朝食
ベーコン、キュウリとタマネギのスライス、トマト、そしてとろけるチーズを乗せたトースト。
牛乳、ヨーグルト、オレンジ。
美味しかった!

昼食
夫の仏前から下げたご飯が溜まってしまったので雑炊を。
使わずに残っていた、頂き物の“鰻の炊き込みご飯”のお茶漬け用出汁を使い、豚肉を少しと、畑から抜いてきた長ネギと卵を入れた。
これは美味しかった!
+アイスクリーム。


夕食
カジキマグロのソテー、自家菜園のスティックブロッコリー、モズク酢、昆布佃煮・漬物・黒豆等。
どれも美味しかった!

3食しっかり食べて、これで認知症は遠退いたとばかりご機嫌な自分が笑える。
3日坊主に終わるかもしれないけれど、せいぜい頑張りましょう。
食生活を大切にしましょう。