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韓国労働運動情報

民主労総はじめとした韓国労働運動関連記事の翻訳

民主労総「進歩政党勢力の統合摸索」第2次討論会開催

2009年07月17日 21時32分24秒 | 民主労総
民主労総「進歩政党勢力の統合摸索」第2次討論会開催

民主労総機関紙『労働と世界』2009.07.09

 労働者の政治勢力化のためには、民主労働党が作られ上で大きな役割を果たした「成果」を越えて、民主労総がもう一度さらに跳躍しなければならないという注文が提起された。特に「排他的支持」に関連して「死文化vs有効」の立場に分かれて論議となった。
 「進歩政党勢力の団結と統合のための民主労総推進委員会(以下統一推進委)」の第2次討論会が8日午後4時、金属労組6階会議室で開催され、労働戦線、タハムケ(みな一緒に)、全国会議など6つの意見グループが、今後の進歩政党運動についての立場を表明した。
 労働戦線のキム・テヨン執行委員長は、「△国民と共に担う労働運動、△民族主義問題、△議会主義、など労組の路線が、大衆を政治勢力化へと拡大するの上で足かせとして作用した」としつつ、「路線的分化がすでに始まっているのに、統合を語りながら過去に戻ろうというのはおかしい」と主張した。
 タハムケのチョン・ジョンナム労働部門チーム長は、「進歩政党の団結は急がれなければならないが、一つの党への統合は懐疑的だ。2つの党が独自に進んでいる状況にあって、促すと言っても単純に行くとは思わない」としつつ、「双龍(サンヨン)自動車、メディア法、非正規法など、内容での団結を拡大する方式が必要であり、共に協力して共同戦線を形成することのほうが現実的」と強調した。
 全国会議のイ・スンウ副議長は。「現場の党員は、ペーパー党員として実質的に党員としての権利がない場合が多い上、党とつながるのは、せいぜい選挙の終盤の集票行動の時くらい」とし、「無条件に統合しろとの現場の要求があるだけに、進歩陣営の統合はマラソンでなく100m競走でなければならない。マラソンだと、合意よりも対立のほうが深くなるだろう」と述べた。
 蔚山革新ネットワークのハ・ブヨン前蔚山本部長は、「一定の時期までは排他的支持が有効でなければならないが、今は死亡した状態だ。排他的支持の問題が分裂の要因になる。現実的選択をするほかはない」とし、「これまでが委託政治だったとするなら、今は労働者が直接参加する政党にならなければならない。制度とシステム準備は党再結成の主要な課題だ。労働者中心性と大衆性を要求することが、統一推進委が成功する道」と診断した。
 現場実践連帯のイ・ジョンデ執行委員長は、「統合しようとするなら具体的計画が必要なだけでなく、その統合議論の機構や単位が明確でなければならない」とし、「選挙の時、候補単一化になれば支持が集められるので、民主労総が中心になって強制できる機構の整備が急がれる」と指摘した。
 革新連帯のチョ・ヒョンイル執行委員長は、「民主労働党の結成で代表される第1期政治勢力化は、失敗ではなくすごい成果だ。もし分裂していなければ交渉団体も可能な状態だっただろう」としつつ、「民主労総が中心にならないまま覇権主義が生じて党が分裂したことから、今後、民主労総が進歩政治活動に中心をどう持っていくのかが、統合にあたってのカギとなるだろう」と見通した。
カン・サンチョル記者/労働と世界

サンヨン自動車占拠ろう城現場に組合員をたずねて

2009年07月01日 13時10分50秒 | 双龍自動車
双龍自動車占拠ろう城現場に組合員をたずねて

民主労総機関紙『労働と世界』2009年6月16日付

 2009年、全国が双龍自動車事態に不安を募らせている。公権力が投入され、労働者が怪我をするかもしれないと言われている。だがイミョンバク政権と資本は、人が死のうが死ぬまいが、ひたすら労働者を解雇し、街頭に放り出すことにのみ血眼になっている。激化の一途をたどる双龍自動車問題。会社側は6月16日、ごろつき警備員を動員した暴力的突入を予告した。全面ストから24日目、煙突ろう城から34日目を迎えた6月15日、双龍自動車平沢工場の生産施設を守り、ストライキ闘争を繰り広げている双龍自動車の労働者をたずねた。彼らの精神は余りにも健全であり、労働組合のもとに固まった抵抗の決意は一ミリの揺らぎもなかった。(『労働と世界』編集部)

■「『生き残り組』も共に闘い、必ず勝利する」
ソンミョンギ組合員(37才・昌原工場生産第1チーム・エンジン組み立て)

-双龍自動車チャンウォン工場の組合員が遠くから来て闘っている。
=96年9月、双龍自動車チャンウォン工場に就職し、13年間働いてきた。自動車エンジンを組み立てる作業をしてきた。私はいわゆる「生き残り組」だ。整理解雇名簿に私の名前はなかったという。現在チャンウォン工場の組合員131名が一緒に闘っている。この5月21日にバスでやって来た。
 ここで闘いを始めてから1ヶ月近くになり、組合員はとても疲れている。風邪をひいている組合員もいる。私はまだ未婚で、いいほうだが、家庭を持つ組合員は子供や夫人の待つ家に戻りたいだろう。たぶん家族に会えないことが一番辛いのでは。

-お兄さんも一緒にスト闘争中だと聞く。
=会社側が発表した整理解雇対象者に私の名はなく、私よりも2歳上の兄は解雇された。兄は私よりも2年早く双龍自動車チャンウォン工場に入社し、生産第1チームの物品加工課で14年勤務した。兄も一緒にここに来て、整理解雇粉砕のためにストろう城をやっている。
 解雇者名簿に載っていなかったとしても、私が組合員と一緒に闘うのは当然だ。十何年も一緒に働いてきた同僚を裏切れない、私はそういう生き方はしない、というのが最大の理由だ。
 また、私は個人的に野球が好きで、社会人野球もやっている。以前、野球選手のヤンジュンヒョク氏たちが選手協議会というのをつくって記者会見をやった。その当時、野手のシムジョンス氏が「子供に恥ずかしくない父親になるために選手協議会をつくる」と言っていたことが今も記憶に残っている。
 私はまだ独り者だが、今度の双龍自動車闘争に勝利したら、またチャンウォンに戻り、思いを寄せている人に告白しようと思う。そのためにも必ず勝つ必要がある。われわれが勝たなければならない理由は非常に多い。

-整理解雇から外れた人に会社側が圧力をかけ、官製デモをやらせるなど、労労対立をも誘発している。
=現場で共に働いてきた同僚をそそのかし、脅迫し、彼らもしかたなくやったのだと思う。残念でならない。
 今日(15日)もチャンウォン工場からバス10台に分乗して来たが、幸い、私と一緒に働いていた人たちはほとんど来なかった。
 会社は、整理解雇名簿に載っていない人間を脅迫し、労働者を四分五裂させようとしている。そんな策略や術数に巻かれるわれわれではない。われわれの闘いは強固に続けられるだろう。

-双龍自動車支部のハンサンギュン支部長に一言。
=ハンサンギュン支部長は、人としていろいろと悩んでおられると思う。長としてどんなに大変なことか。困難な中で闘う組合員の立場としては、「われわれが頑張って玉砕ストをやっているから、支部長は会社側と適当に協議して、妥協すればいい」と言えなくもない。そう思っている組合員もいるだろう。
 けれども私は、双龍自動車労働組合の組合員として支部長に言いたい。誰に頭を下げることなく、堂々としていてほしい。支部長の判断にもとづき最後まで押し通してほしい。われわれ組合員を信じ、ひるまず、堂々とした姿勢を守り通してほしい。
 われわれは誇り高き双龍自動車労働組合の組合員だ。支会長を中心に執行部が指針を降ろせば、われわれはいつでも何でもやる。支部長が命令さえ出してくれれば、われわれ組合員は無条件に従う。
 軍隊は上官がやれと言えば言われたとおりやるが、拒否できないから命令に従う。軍隊とわれわれ労組は違う。われわれ労働者は自発的にやる。みずから生存権を守るために一つに固まって闘う。

■「必ず勝って、勝利の果実をかかえて家族のもとに戻る」
ソンジュギョン組合員(34歳・チャンウォン工場エンジン加工課MIP加工)

-チャンウォンに家族を残して1ヶ月近くここでろう城している。
=チャンウォンに母と妻、それに8歳の娘が一人いる、整理解雇名簿が発表されるまで妻は「あなたは大丈夫?」と言っていた。家族に責任を負う家長として私もとても不安だった。 
 労働者は、我が身一つで必死に働き、家族に責任を負っている。解雇通報とはつまり「おまえの体はもう必要ないから出て行け」という意味だ。解雇通報を受け取った当時のことを振り返ると、今もショックが大きい。
 私が子供を一人しかつくらなかったのも、2人は育てられないと思ったから。母親や、他の人たちは、子供は一人で大きくなるものだというが、子供がいたら人並みのことくらいやってやりたいと思うのが親心だ。妻の誕生日に服の一着も買ってやりたいと思うし、それがわれわれ普通の人たちの気持ちではないか。

-一緒に働いていた組合員と今は闘いを共にしている。
=「われわれは、負けたら生きてここから出て行かない」と断言している者もいる。実際、塗装工場の入り口を溶接で固め、出てこない人たちもいるという。指導部は組合員に、そんなことをするなと、最大限自制するようなだめている。彼らの意志はそれほど固い。
 われわれみんなが、自ら選択してここにとどまり闘っている。煙突ろう城も、そういう意志の表れではないか。自分の命を担保に差し出し、最後まで闘って勝利するという決死の覚悟を表明している。
 疲れた日は、組合員どうし、疲れをいやすために軽く一杯やることもある。そういう場で「場合によったら竜山(ヨンサン)のようなこと〔※〕になるかもしれない」という言葉が出ることもある。人は極限状況に追いつめられた時、怒りやうっぷんをこらえきれず、命を投げ出すこともあるのではないか。
〔※今年1月、ソウル・竜山の再開発地域で、立ち退きに反対してろう城していたビル入居者のうち5名が、警察との攻防の末に殺害された事件〕

-イミョンバク政権になって、政府の支援を受けて資本が激しく労働弾圧を行っている。
=イミョンバク政権の庇護と暗黙の支援がなければ資本はここまで労働者を殺しにかかってこられないだろう。こうした全ての強圧的構造調整や労組弾圧が、イミョンバク政府の援護のもとで行われていると考えざるを得ない。
 現代建設に知人がいるが、その人によると、イミョンバク大統領は、死んでも自分の信念を変えない人間だという。その考えが正しいものならいいが、そうでない場合、他人にまで被害を及ぼすことになる。
 彼がソウル市長をやっていたときも、ソウル市を使って都市を建設するシミュレーションゲームをやっていたという。バス用中央車線、清渓川復元なども、反対意見を黙殺して押し通したではないか。大統領は国民のしもべだと言いながら、当選したら国民の頭のてっぺんに居座り、国民を操り人形扱いしている。

-双龍自動車の闘いに連帯する団体に一言。
=多くの団体や政党がわれわれの闘いに連帯し応援してくれている。また、上部団体である金属労組や民主労総も、援護のために努力してくれていると聞く。この間われわれの闘いに多くの連帯を寄せてくださり感謝する。
 だがこの事態を速やかに解決するには、政治的に圧力を加える必要があるのではないか。われわれのスト闘争を政治的に利用する者もいると聞く。全てのことから政治を排除することはできないだろう。

-ストろう城にどんな気持ちで臨んでいるか。
=ここに来てひと月近くになり、子供との電話で「パパいつ帰るの? 会いたいよ」と言われると胸が張り裂けそうになる。必ず勝って、堂々と勝利の果実を手に家に戻る。

■「労働者を解雇し、殺す資本に怒りがこみ上げる」
イム○○組合員(36歳・チャンウォン工場品質管理チーム)

 私は1996年、双龍自動車チャンウォン工場に入社し、品質管理チームで働いてきた。勤続14年だ。品質管理チームは、完成車両の出庫後500時間、16万キロを試験運転し、エンジンテストを行う仕事だ。
 昨年11月、残業と特勤がなくなり、賃金が半分以下に減った。300万ウォンほどもらっていたのが、基本給120万ウォンだけになった。全ての生計費を半分以下に削らなければならない生活は、やってみた人でないと分からない。
 会社が通報してきた整理解雇名簿に私が載っていた。「なんで俺が解雇されなければならないんだ」と問いつめたら、会社側関係者は何も理由を言えなかった。こちらから考課や扶養家族の問題をつきつけた。私は最近技監に昇進している。また、考課点数も99.8点だ。私の扶養家族として登録しているのは7人だ。会社側の人間も、どう考えても会社側の言う整理解雇対象になるはずがないと言う。
 結局、整理解雇名簿は虚構だったということだ。いくつかの基準をもとに作成されたという整理解雇名簿は、全部ウソで、でたらめだ。
 私は、賃金が突然半分以下に削られ、生活が厳しくなったので、残りの時間で豚足配達をやり、運転代行もやった。運転代行をやっていて会社の人間を乗せたこともあったが、それが噂になって名簿に載ったのかもしれない。
 私の3つ下の弟も、やはり私と共に双龍自動車チャンウォン工場で働いてきた。弟は解雇者名簿に載らなかった。兄としてホッとする反面、一つの現場で同じ条件で働いていた労働者をむやみに解雇し殺す資本に対し怒りがこみ上げる。
(双龍自動車平沢工場現場にて/ホンミリ記者)