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韓国労働運動情報

民主労総はじめとした韓国労働運動関連記事の翻訳

4・17社会主義党建設釜山討論会

2009年04月29日 10時19分27秒 | 社会主義
「ニセの労働者党ではなく真の労働者党をつくろう」
4・17社会主義党建設釜山討論会

民衆言論「チャムセサン」2009年4月19日付

「今の世界大恐慌は新自由主義の一時的危機ではない。資本主義自体が暴発している」
「今の時期こそ、ニセの労働者党(民主労働や進歩新党)がのさばることによる弊害を取り除くために真の労働者党を建設しなければならない」

 今年2月から社会主義党建設の全面化に向けた全国共同討論会を準備してきた社会主義労働者政党準備会(社労準)と社会主義労働者連合(社労連)が4月17日夜、プサン地域討論会を開いた。社労準のコミンテク活動家と社労連のヤンヒョシク活動家がそれぞれ問題提起を行った討論会は、民主労総プサン本部の講堂で行われた。

 この日の討論会は、共同討論会に割り当てられた4つのテーマ――①情勢と党建設、②変革戦略、③綱領、④労働運動の現況と課題)――のうち「情勢と党建設」「変革戦略」を一度に論議した。他の地域ではすでに③のテーマをめぐって討論会を行っているが、プサン地域は多少遅れている関係で2つまとめて行われた。

 最初に問題提起を行ったコミンテク活動家は、民主労働党や進歩新党だけでなく、社会主義各政派の現状も厳しいのは同じだ、と前置きした上で、「今こそ議会主義・改良主義政党とは系列の異なる社会主義労働者政党が必要だ」と主張した。コミンテク活動家は、こうした政党をめぐって、非合法前衛政党か大衆政党か、革命政党かという質問が多いことについて、「今はそうした区分法を捨てなければならない。だから、社会主義労働者政党が非合法前衛党か否かは重要ではない」と説明した。同時にコミンテク活動家は、「社会主義労働者党は、資本主義克服と社会主義建設を直接の目標として前面に掲げた党」だと説明した。新しい党は、古典的な2段階革命論など変革の段階的区別を必要としないとも述べた。
 コミンテク活動家は、変革戦略については、「議会や選挙を通した政権掌握は可能ではなく、逆に克服対象だ。だが議会や選挙への介入も新たな党の主要な戦術の一つ」だと説明した。コ活動家は、新しい党の建設に向けて「失業者や非正規職・未組織労働者の大部分の生活根拠地である『地域』を中心に地域運動に積極的に介入することが必要だ」と指摘した。

 次に問題提起を行った社労連のヤンヒョシク活動家は、党建設の客観的・主観的情勢はコミンテク活動家活動家と同じだと前置きした上で、「資本主義がどん詰まりまで来た韓国の現状にあって、民主労働党や進歩新党など議会改良主義政党が、『野蛮ではなく人間の顔をした資本主義が可能だ』と言って、究極的には資本主義の救済に出ており、階級対階級の闘争戦線を攪乱、妨害している」と指摘した。ヤンヒョシク活動家は、「今こそ資本主義の息の根を止める革命政党が必要だ」と力説した。
 ヤンヒョシク活動家は、「新しい党は賃金削減や構造調整、非正規職化の推進など、危機を労働者に転嫁する資本に対する闘いと、ロウソクやヨンサンなど基層の自発的闘争を結合し、労使間の全面戦に打って出なければならない」と主張した。ヤンヒョシク活動家は、「にもかかわらず改良主義政党が、議会内で民主大連合をとおして現場の闘いを民主対反民主の構図へと形骸化させ、議会と体制内に吸収しようとしている」と指摘した。

 休憩をはさんで質疑応答が行われた。ある女性活動家は「聞いていると特に違いのない両組織が、なぜいまだ別々に存在するのか。党建設は、他の社会主義諸政派と一緒にはできないのか」と質問した。これに対しヤンヒョシク活動家は、「先ほど提起したように、大きな部分では両組織に大差はないが、『地域運動』など各論においては一部違いがある。もちろん違いは枝葉の問題だと思う」と答えた。コミンテク活動家は、これまでの「労働者の力」の活動過程を紹介し、両組織の関係を説明した上で、「解放連帯や労政協など他の政派にも党建設を提案した」と述べた。

 貨物連帯プサン支部のある活動家は、「民主労働党や進歩新党ではだめだと考えるので、こうした提案には大枠で同意するが、新たな党も議会内に入れば同じようになるのではないか」と質問した。■ 

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【訳者注】

●民主労働党
・2000年1月創立。民主労総を中心に労働者の政治勢力化を課題に4月の総選挙に21名の候補を立てるが全敗、得票率も満たず解党。すぐに再設立し、院外で活動を展開。
・02年12月大統領選でクォンヨンギル候補(民主労総初代委員長)を擁立するがノムヒョンに破れる。
・03年11月、臨時党大会で「社会主義的理想と原則の強化」を骨子とする党発展特別委報告書を採択。また、党と全農(全国農民会総連盟)との政治交渉案を圧倒的な賛成で承認。
・04年4・15国会議員総選挙で10議席獲得し第3党に
・04年6月、党代表にキムヘギョン氏選出、全国連合系が指導部を掌握
・06年2月、党代表にムンソンヒョン氏選出。NL系(自主・民主・統一)。ソウル大経営学科卒、(株)統一の組合委員長、全労協共同議長、民主労総金属連盟委員長
・08年7月、党代表にカンギガプ(姜基甲)議員選出(任期2年)。全国農民会総連盟(全農)副議長

●進歩新党
・民主労働党からの離党者を中心に、イミョンバク政権発足直後の08年3月結成。代表:ノフェチャン議員(元民主労働党議員)、シムサンジョン議員(同)など。スローガン:「平等、生態、平和、連帯」

●社会主義労働者連合(社労連)
・08年2月23日に発足大会。所属各組織が、社会主義労働者党の綱領・戦術・組織路線を定式化して提出、先進的な労働者がこれを討論する過程を経て社会主義労働者党を建設しようと主張。08年8月に「国家保安法組織」の容疑で弾圧されるが不起訴。こうした過程を経て、公開的な社会主義労働者党建設討論会を提案している。

●労働者の力/社会主義労働者政党建設準備会(社労準)
 「労働者階級政党」の建設を当面の目標として99年8月、労働現場で活動してきた労組幹部、現場活動家、「労働者民衆の政治勢力化の進展に向けた連帯(準)」(政治連帯)の進歩的社会団体、民衆運動の活動家、進歩的知識人が集まり「労働者の力(準備会)」を立ち上げ。2001年10月、第7回総会で「準備会」を外す。
 目標:「韓国社会の根本的政治・社会変革を目標に、現実の労働者民衆闘争と緊密に結合し、労働運動の先進部隊が政治的に結集する『新たな労働者政治組織』の建設を目標に活動」「これを基に全世界の労働者階級と強固に連帯する労働者国際主義を実践し、労働者階級中心の世界変革を実現するための重要な役割を担う」
 08年10月11日、「労働者の力」会員と現場、部門活動家107人から成る「社会主義労働者政党建設準備会」(社労準)の発足大会を開く。その後09年2月8日、「労働者の力」は「発展的解消」をし、社労準に合流。この09年2月8日という日は、フランスのLCRが解散しNPAを創立した総会の最終日。この総会には進歩新党とともに社労準も招待されている。


民主労総、メーデー汎国民大会計画を発表

2009年04月27日 21時50分13秒 | 民主労総
「メーデー、MB審判闘争の開始」
労働者だけのメーデーではなく汎国民大会に

民衆メディア「チャムセサン」2009年4月20日付

 民主労総をはじめとする市民社会団体が、5月1日のメーデーに大規模な汎国民大会を開催する。
 民主労総は、4月1日にイムソンギュ委員長が就任して以降、社会連帯体戦略の一つとして、今年のメーデーを市民社会団体と共同で主催する計画を発表した。民主労総の提案を幅広い市民社会団体が受け入れ、世界メーデー119周年汎国民大会組織委員会が立ち上げられた。組織委員会には、民主労総、全国農民会総連盟、韓国大学生連合、韓国女性団体連合、韓国進歩連帯など、労働、女性、学生、農民、宗教、進歩政党など500の団体が加わっている。
 組織委員会は、「民生、民主の展望と希望を連帯の力で切り開こう」という旗を掲げ、今年のメーデーを、労働者だけでなく各界各層の参加する汎国民大会として開催することを決定した。メーデー汎国民大会を突破口にイミョンバク政権の政策に対抗する戦線を構築するというもの。
 組織委は20日、ソウルで記者会見を行い、汎国民大会の日には、首都圏はソウル市庁(仮)に結集するほか、地域別に全国同時多発的にメーデー集会を行うことを明らかにし、10大要求案を発表した。
 イムソンギュ民主労総委員長は「1%に過ぎない少数の金持ちだけを優遇するイミョンバク政府の政策――これを審判する闘いの始まりとなるだろう。労働、社会、学生などが集まり、イミョンバク政府を審判する闘いとなり、イミョンバク政府が政策基調を変えない限り、政権退陣闘争に拡大するだろう」と述べた。

 メーデー119周年汎国民大会組織委員会の10大要求は以下の通り。

1.労働者庶民に対する経済危機の責任転嫁、金持ち減税、京釜運河の強行、土木予算・土建族優遇を中止し、労働者・庶民のための政策をただちに施行せよ!

2.・経済危機を口実とした一方的な構造調整と解雇、大卒初任給・社会的弱者の賃金削減など労働者・庶民の生存破綻行為をただちに中止し、雇用保険制度・基礎生活保障制度・緊急福祉支援制度の全面改善など、全国民の失業安定網・社会安全網を構築せよ!

3.労働時間短縮などをとおしたワークシェアリング、公共部門の社会サービスを中心とした100万以上の雇用創出など、国民の働く権利を保障せよ!

4.半額授業料の実現、無償教育・無償給食・無償保育の全面拡大、健康保険の保障性拡大・無償医療の全面拡大、住居福祉などに関わる特段の民生対策を推進せよ!

5.農業・農民を抹殺する韓米FTAの国会批准中止、農民の生存権保障・農家負債の解決で食糧主権を実現し、弱い農民の離農を迫るミョンバク式農漁業先進化を中止せよ!

6.非正規職法、最低賃金法の改悪をただちに中止し、非正規職の正規職転換支援政策と最低賃金を上向きに適正化せよ。

7.特殊雇用労働者の労働者性認定など労働基本権を保障し、民主労組運動への弾圧を中止せよ!

8.人殺しの一方的なニュータウン・再開発を中止し、ヨンサン撤去民殺人惨事の真相究明と責任者処罰をとおしてヨンサン問題をただちに解決せよ!

9.朝鮮・中央・東亜日報と財閥による放送掌握のための言論悪法、サイバー冒涜罪-国家情報院強化法案など市民・ネット社会弾圧・民主主義と人権破壊のミョンバク悪法をただちに廃棄せよ!

10.韓半島の緊張を高めるPSI(大量殺傷兵器拡散防止構想)参加策動をただちに中止し、速やかかつ全面的な南北対話と協力策を推進せよ!

権容睦と『民主労総衝撃報告書』

2009年04月08日 11時15分15秒 | ニューライト
権容睦と『民主労総衝撃報告書』
〔寄稿〕ヤンギュホン前全労協委員長

メディア忠清/2009年04月03日9時56分

 87年労働者大闘争の突破口を切り開いたウルサン労働者闘争の象徴にはいつもクォンヨンモク(権容睦)がいた。ウルサン闘争は全国に拡大し、労働者大闘争の波を起こし、その成果を集めて、韓国労総とは異なる民主労組運動の中央組織である「全労協」が建設された。以後、全労協、業種、グループ協議会の決議を集め民主労総が建設された。その後10年を越えたある日、民主労総初代事務総長だったクォンヨンモクが他界したというニュースに続き、彼が書いたという『民主労総衝撃報告書』の出版記念会のニュースが流れてきた。
 その本は、事実を歪曲している側面もあるが、民主労総という組織の位置と性格を考えれば衝撃を与えるに不足ではなかった。「腐敗百貨店民主労総」や「ストライキ共和国」、「暴力団より怖い労組の闘争方式」等が本の前半部分に該当する。続いて個別の労働組合について批判しながら新自由主義、非正規職撤廃、賃上げ等が「魔法の杖でも解決できない政治的要求」だと規定する。彼は、賃上げ要求案は「どうすれば安く良い製品を作ることができるか」や「どうすれば良い製品をたくさん売ることができるのか」、そして「果実分配」(どういう意味かよくわからないが…)にならなければならないと言う。
 彼はそれにとどまらず、さらにいくつか指摘する。「労組専従についての問題提起」と「非正規職を無視する民主労総」に対する忠告、そしてつたない語り口で「労働運動の理念」にも触れる。結論的には「民主労総の不正問題は断片的な現象にすぎない」と言い、より深刻なことは「民主労総が国家の利益と国民経済にためになっていないこと」と批判の最後を飾る。
 このように構成された彼の文章を読みながら私がいだいた最初の感情は、ある種の怒りよりも深い悲しみであり、2番目には「クォンヨンモクが書いた文章ではない」という考えだった。3番目には、この本の脈絡全般が軍部独裁の路線である「全体主義路線」にもとづいており、徹底した国家観に基礎を置いた文章だという感をぬぐえない。
 クォンヨンモクは、民主労総建設の過程で、筆者とはとても近い距離で労働運動の展望を討論し方向についての苦労を共にしてきた。民主労総は闘争で建設されなければならないし労働解放の展望がなければならないと語気強く言っていたクォンヨンモクの姿が頭をかすめた。また、どうしてこんな文章がこともあろうに「クォンヨンモク」という名で発行されたのかについて考えた。近頃の運動の現実のせいかもしれないという考えに至ると、悲しみが押し寄せた。
 彼が書いた文章を彼が書いたものではないと言うことはクォンヨンモクに対する最大の侮辱になるかもしれない。それでもその考えを振り払うことができない根拠は、まず言語自体がクォンヨンモクのものではないということだ。民主労総は準備委の時期から略称を「民主労総」と確定し、クォンヨンモクが民主労総に関わっていた時期には「民労総」と略すことは内部のタブーでもあった。ところが、この本で彼は徹底して「民労総」と表現している。それだけではなく彼はこの本全般で「労働者」という表現を使用せず、必ず「勤労者」と表現しており、民主労総の組織体系内に存在する「全解闘」(自身も一時期、全解闘に携わった)を「全労闘」傘下と規定してしまっている。また、民主労総の組織体系をだれよりも良く知っているはずの当事者が、「全教組」と「民主労総」を異なる組織と理解しているという点等々が、彼の文章ではないという判断の根拠だ。私は、クォンヨンモクは民主労総についてそれほど無知ではなかったと考える。
 最初、彼が「ストライキ共和国」、「暴力団より怖い労組の闘争方式」と問題提起した部分は、当事者の懺悔録と思いながら読んだ。しかし、彼の文全体に、彼が以前実践し主張していた「不法ストライキ」や、民主労組運動史に長く名をとどめている「ゴリアテ闘争」についての反省の文句は一言も見られない。本当にクォンヨンモクが批判をするのであれば、自身の負うべき責任を放棄することはできないだろう。自身が80~90年代を貫いて扇動してきた労働者階級の闘争の必要性について、2万名が参加した95年メーデー大会で「悪法を破る決意」の先頭に立っていた行為について、一言くらい弁明をしてもよさそうなものではないか。
 「徹底した法厳守」こそ正しい闘争方法だというなら、今も「悪法は破って、つぶさなければならない」という確信で闘っている労働者に対して、どんな責任も負う姿勢がなくてはならないのではないか。本当に自分の文章の中で、今の時点で自分の主張が正しいと判断するならば、誤った道を突き進んでいるその同志たちを救出(?)するためにも、努力する姿勢を示さねばならないのでないか。そのような努力のほうが、本を出すことよりも優先されなければならないのではないか。そうしてこそ自分が投げかける非難の正当性が認められるのではなかろうか。
 非正規労働者の問題がそれほど自分の胸に無念として迫るなら、利潤を倍加させるために労働者を包摂と排除で分割し対立させ、ひたすら搾取の対象としてのみ労働者を見る資本に対して、最低限ひと言でも言わなければならないのではないのか。
 労組専従者を、食べて遊ぶだけの特権層と規定するのなら、ニューライトに所属する新労働連合の専従は労働階級の利害のために何をどのようにがんばっており、彼らに支給される少なからざる資源の出所はどこなのか?
 この短文を書きながら始終残念な気持ちをぬぐえないのは、問題提起に対する反応を期待することができないからだ。すでに故人となった彼は、霊魂という実体を借りずには答えることができないだろうし、私は霊魂の存在を信じないのだからなおさらだ。
 「民主労総衝撃報告書」についてあれこれ文句をつけるのは、この本で提起された民主労総の腐敗と不正を少しでも弁明するとか合理化するためではない。そんな考えは毛頭ない。民主労総の精神が損なわれ、現れている官僚主義はもちろん、民主、自主、階級、闘争性と変革志向をも喪失している民主労総の現在の姿い対し、私もまた、ためらうことなく批判せざるをえない。その批判に対しては私自身も自由ではないから、反省を根拠として批判をするしかない。
 しかし、不正と不道徳を契機に路線と理念の問題までひっくるめて非難するこの本から発見したことは、伝統的な資本家階級の幼稚さだけだ。この本には、労働者階級がぶつかっている矛盾についての苦悩は一言も見出せない。ここにこの本の発行の目的が読み取れる。
 通常提起される幹部の資質と道徳性には明確に問題がある。にもかかわらず同じ現象がくりかえされる理由は、一言でいって資本の鎖に対して黙して語らずであったという事実だ。
 労働者階級を分割、統治するために資本はたえず不正の罠と落とし穴を掘っている。その落とし穴は今もいたる所にしかけられているだろう。にもかかわらずその罠にひっかかる幹部に対しては、厳格な懲戒措置で新たな緊張をつくらなければならず、資本の卑劣な鎖を断ち切ることこそ構造的矛盾に対抗する過程であり、資本主義が続く限り、これと類似した不正の落とし穴は続くという事実を忘れてはならない。
 労働者階級闘争が情勢に影響を与え、民主労組運動の精神が燦然と光を放つ時期に民主労組陣営から「不正」という言葉の聞くことは難しい。闘争性と階級性、そして変革志向についての緊張感が緩んだ隙に、常軌を逸した資本主義は「不正」と類似した落とし穴を常に掘ってくるだろう。階級的団結を崩すための有効なやり方として味をしめたのだから。
 資本家階級がしかけた罠と落とし穴を無力化させる根本的な方法は、民主労組運動の精神を正しく復元し実践することにあると考える。
「理念のない組織は内容のない形式だからだ」


民主労総の真の革新のために闘おう(イジョンウォン)

2009年04月08日 10時15分17秒 | 民主労総
民主労総の真の革新のために闘おう
〔寄稿〕4月1日の臨時代議員会を前にして

イジョンウォン(民主労総ソウル本部選出代議員)/2009年03月31日12時50分

 4月1日、民主労総第46次臨時代議員大会が開かれる。私は今回の代議員大会が2回目の新米代議員だが、今回の代議員大会が、今の民主労総内の革新論議、そして何よりも今の情勢に照らしてみると、とても重要だと考える。きっと私と同じような考えの多くの民主労総代議員と活動家がいると考え、苦悩を分かち合おうとこの文を書いている。
 二度とあってはならない民主労総一部幹部の性暴力隠蔽のくわだてにより指導部が総辞職し、補欠選挙のために今回の代議員大会が開かれるのは本当に心が痛むことだ。私もまた女性組合員として怒りと暗澹たる気持ちを言葉で表現しきれない気持ちだ。
 今回の代議員大会の場で、性暴力事件に対する「真相究明に続く事業の件」の論議をとおして具体的な対策が準備されることをこころから望む。
 この事件をだしにしてイミョンバク政権と保守言論、ニューライト勢力は民主労総つぶしにのり出している。しかし我々は、卑劣で悪辣なやりかたに同調したりグラついたりしてはならない。彼らのあがきの真の狙いは、今後予想される民主労総の闘争の手足を縛ることだ。
 今は最悪の経済危機状況だ。労働者・市民に対する全面的な攻撃が予告されており、すでにあちらこちらで賃金削減と福祉後退、解雇が進められている。民主労総が闘争の戦列を引き締めることがいつにもまして重要な時期だ。今回の臨時代議員大会で最も重要なことは、まさに経済危機の責任を労働者に転嫁するイミョンバクに対して効果的で強力な闘争計画を確定することだ。

民主労総が先頭に立って第2のローソク示威行動を

 経済危機によりすでに我々労働者の暮らしは驚くほど低い水準に至っている。すでに製造業労働者の70~80%が賃金を30~40%近く削減され、毎日数百名が工場で首を切られている。すでに実質失業者は360万名に達するという。
 連日、最悪の経済指標が発表され、経済再生の可能性はどこにも見出すことが困難なこの状況にあって、政府と資本は、ひたすら資本の生き残りをはかることに余念がない。雇用拡大に使われなければならない金は、雀の涙ほどでも惜しみつつ、金持ちにたいする減税によって足りなくなった税収を労働者の財布をはたいて埋めようとするのを我々は見ている。また、財閥にマスコミと銀行を引き渡す悪法を推進し、建設資本家の腹ばかり肥やす土建政策を経済再建政策だと言って提示している。
 4月国会上程を前にしている非正規法と最低賃金法改悪推進は、労働者に対する全面的な攻撃を開始するということだ。
 我々すべてが知っているように、韓国ではすでに異常なほどに非正規職の比率が高い。それに加えてこの10年間、低質の雇用が急増してきた。すでに労働者数百万名が、これ以上悪くなりようがない職場で骨身を惜しまず働いても貧困から抜け出せずにいる状況だ。
 加えて、よりひどいのは最低生計費にも満たない最低賃金さえもケチって大幅削減するといい、また、奴隷のようにこき使われてきた移住労働者には最低賃金さえ保障する必要がないという、政府が今まさにおこなおうとしている最低賃金法改悪推進は破廉恥の極みだ。
 しかし、我々すべてが感じる危機意識は、これで終わりではない。イミョンバク政権は、この攻撃が成功すれば次は正規職労働者に矛先を向けるだろう。最も弱く、抵抗する余力のない労働者に対する攻撃は、始まりに過ぎない。
 非正規職と最低賃金法改悪が成功すれば、イミョンバク政府と保守マスコミはすぐに引き続いて、自分のことしか考えない利己主義者だと正規職労働者を攻撃するだろうし、複数労組の交渉窓口単一化と専従賃金の支給禁止、整理解雇条件緩和のための労働法改悪に打って出てくることは明らかだ。このような状況を突破する唯一の道は、民主労総がイミョンバク政権の総体的攻撃に立ち向かって総攻勢に立ち上がることしかない。
 政府はすでにメディア法と非正規職、最低賃金改悪法を含むMB(イミョンバク)悪法を押し通す「6月戦闘」を準備するために全方位的攻撃を始めている。昨年、ローソク抗戦の時に大きな支持を受けた貨物連帯等の特殊雇用者労働者を弾圧しており、2度にわたってMB悪法強行の企てを先頭で妨げてきたマスコミ労働者にたいする攻撃、そして学生運動指導者に対する攻撃、大卒初任給の削減とインターンの拡大等が起こっている。また、昨年ローソク運動で滞っていた大運河、医療保険の民営化、マスコミ掌握の企て、公企業の民営化・構造調整を再び押し通そうとしている状況だ。
 第2のローソク抗戦を民主労総が先頭に立って組織すべき時は今をおいて他にない。

ストライキを決定する代議員大会に
 今は個別の攻撃に対する個別の闘争では勝算がない。非正規労働者の壮絶な闘争、解雇に対して闘う労働者の闘い、悪法阻止闘争に民主労総が軸となってイミョンバクに対して全面的な闘争を組織しなければならない。
 この2月28日にヨイド(汝矣島)で開催された全国労働者大会の場でイムソンギュ民主労総非対委委員長は「5月1日、全国各地でゼネストを宣言する場になるよう闘争を組織してゆく」と明らかにした。イムソンギュ非対委委員長は民主労総の委員長となる4月1日の臨時代議員大会の場で、まさにこの言葉を実行に移すための計画を提示しなければならない。いくら補欠指導部で代議員間接選挙制だとしても、このような鮮明な闘争計画と意志を提示せずに民主労総の指導権を引き受けるというのは正しい態度ではないだろう。補欠指導部は、ただ無難に危機を管理して任期を全うするのではなく、この重大な時期に、闘争で危機を突破するという指導部にならなくてはならず、そのような時にはじめて指導権を担う資格がある。
 今、我が民主労総内で最も重要な話題のひとつは民主労総の革新論議だ。私は、民主労総革新の本当の争点は、民主労総がはたして80万民主労総組合員、750万非正規労働者、抑圧されているあらゆる労働者の利害を代弁する意志と能力のある組織なのかという点だと考える。これはこのかん、さまざまな重要な闘争に民主労総が充分な能力と意志を発揮できなかったために生じた、もっともな不信を反映していると考える。
 今の民主労総が危機であることは明らかな事実だ。しかし同時に、現場の多くの活動家、組合員は今のイミョンバク政権の反動に対して強力な闘争に立ち上がるほとんど唯一の勢力は民主労総だと考えている。多くのローソク市民や貧困と失業の危機に置かれている人たちも、イミョンバクの、富者のための政策を変えることを熱望している。このような熱望に答えるには、いま民主労総が強力な闘争の軸を作り上げることだ。
 何よりも労働者が持っている最高の武器であるストライキをとおしてイミョンバクに立ち向かわなくてはならない。富者だけを代弁するイミョンバクに対して労働者・市民の利益のために先頭に立って闘う時、民主労総は大衆的支持を受け、革新の姿を示すことができる。ところが、民主労総の役員候補の政策資料集では「5月労働者総決起の力で6月ミョンバク審判国民総決起」を主張しながらもストライキ計画が抜けているのが残念だ。
 私が参加したこの1月21日の2009年民主労総代議員大会の場では、「民主労総の要求実現のための最高水位のゼネスト闘争体制を全組織的に構築」し「6月、百万労働者総決起組織化へ民主労総のゼネストが社会的ゼネストとして位置づく」ようにしようと決定した。ところが、予定されていたゼネストの賛否投票はどこかに消え去り、6月ゼネスト闘争計画もこっそり姿を消した。
 今の状況は1月の代議員大会の時よりも厳しい。今こそゼネストを決定し、ゼネストの成功のために全組織的力を集めなければならない時ではないのか。ただ単に産別連盟がストライキの是非を決めるに任せるのではなく、民主労総が強力な意志を持ってストライキを訴えなければならない。
 6月中旬、民主労総のストライキが強力に実現されるためには、今回の臨時代議員大会でストライキ計画を通過させ、ただちにストライキ賛否投票に突入しなければならない。そして初めて経済危機の時代に迎えるメーデー集会はゼネストを決意する場にならなくてはならない。
 我々はこの3月19日、フランスでサルコジに対する数百万名のストライキと街頭デモのニュースを外信をとおして聞いた。フランスの労働者が闘争に立った理由は我々が置かれている状況と全く同じだ。我々と同じくフランスの労働者もまた工場閉鎖と整理解雇で路頭に追いやられており、公共部門の雇用削減、年金削減、民営化等に直面している。すなわち、我々と同じく右翼サルコジ政府の、富者のみを生かし労働者を殺す経済危機対策に対する反対だった。だから、このストライキは当時70%を越える人々の圧倒的支持を受けた。
 民主労総もまたフランスが示したような威力あるストライキを組織するならば、このような大衆的支持を受けることができる。我々はすでに昨年、ローソク運動の際、貨物労働者のストライキがどれだけ大きな支持を受けたかを確認したところである。
 今のイミョンバク政権に対する反感と不満は、あのローソク運動の時よりもより広範で深い。ローソク裁判外圧事件、パクヨンチャ腐敗スキャンダル等、イミョンバクの政治危機が深まっている中、民主労総が反労働者政策、反民主主義政策に対して繰り広げる闘争は国民的支持を引き寄せることができる。

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【参考】4・1民主労総臨時大会でのイジョンウォン代議員の修正意見に関連する記事抜粋

 最後の議案だった5月の闘争計画は、役員選挙後に議論の途中、成員不足で自動的に延期になった。
 この日、5月の闘争計画をめぐってイジョンウォン・ソウル本部所属代議員は「責任あるゼネストのために、産別代表者会議での議論執行も重要だが、この場の代議員が決意して確定させ、そしてまた産別代表者会議で具体的に議論するのがいいと思う」とし、「10万が集まるメーデーで強力なストライキを宣言して 6月にストライキしようという趣旨であり、もし4月に非正規悪法とMB悪法が通過しそうならすぐストライキに突入しよう」と修正案を提案した。
 イムソンギュ委員長は「4月中に非正規悪法が上程されれば私もゼネスト戦術を駆使すべきだと思う。しかし事実上威力もないゼネスト宣言は難しい。ゼネスト戦術は宣言してできることでもなく、それに準じる総力闘争を準備する」と述べた。■