「ニセの労働者党ではなく真の労働者党をつくろう」
4・17社会主義党建設釜山討論会
民衆言論「チャムセサン」2009年4月19日付
「今の世界大恐慌は新自由主義の一時的危機ではない。資本主義自体が暴発している」
「今の時期こそ、ニセの労働者党(民主労働や進歩新党)がのさばることによる弊害を取り除くために真の労働者党を建設しなければならない」
今年2月から社会主義党建設の全面化に向けた全国共同討論会を準備してきた社会主義労働者政党準備会(社労準)と社会主義労働者連合(社労連)が4月17日夜、プサン地域討論会を開いた。社労準のコミンテク活動家と社労連のヤンヒョシク活動家がそれぞれ問題提起を行った討論会は、民主労総プサン本部の講堂で行われた。
この日の討論会は、共同討論会に割り当てられた4つのテーマ――①情勢と党建設、②変革戦略、③綱領、④労働運動の現況と課題)――のうち「情勢と党建設」「変革戦略」を一度に論議した。他の地域ではすでに③のテーマをめぐって討論会を行っているが、プサン地域は多少遅れている関係で2つまとめて行われた。
最初に問題提起を行ったコミンテク活動家は、民主労働党や進歩新党だけでなく、社会主義各政派の現状も厳しいのは同じだ、と前置きした上で、「今こそ議会主義・改良主義政党とは系列の異なる社会主義労働者政党が必要だ」と主張した。コミンテク活動家は、こうした政党をめぐって、非合法前衛政党か大衆政党か、革命政党かという質問が多いことについて、「今はそうした区分法を捨てなければならない。だから、社会主義労働者政党が非合法前衛党か否かは重要ではない」と説明した。同時にコミンテク活動家は、「社会主義労働者党は、資本主義克服と社会主義建設を直接の目標として前面に掲げた党」だと説明した。新しい党は、古典的な2段階革命論など変革の段階的区別を必要としないとも述べた。
コミンテク活動家は、変革戦略については、「議会や選挙を通した政権掌握は可能ではなく、逆に克服対象だ。だが議会や選挙への介入も新たな党の主要な戦術の一つ」だと説明した。コ活動家は、新しい党の建設に向けて「失業者や非正規職・未組織労働者の大部分の生活根拠地である『地域』を中心に地域運動に積極的に介入することが必要だ」と指摘した。
次に問題提起を行った社労連のヤンヒョシク活動家は、党建設の客観的・主観的情勢はコミンテク活動家活動家と同じだと前置きした上で、「資本主義がどん詰まりまで来た韓国の現状にあって、民主労働党や進歩新党など議会改良主義政党が、『野蛮ではなく人間の顔をした資本主義が可能だ』と言って、究極的には資本主義の救済に出ており、階級対階級の闘争戦線を攪乱、妨害している」と指摘した。ヤンヒョシク活動家は、「今こそ資本主義の息の根を止める革命政党が必要だ」と力説した。
ヤンヒョシク活動家は、「新しい党は賃金削減や構造調整、非正規職化の推進など、危機を労働者に転嫁する資本に対する闘いと、ロウソクやヨンサンなど基層の自発的闘争を結合し、労使間の全面戦に打って出なければならない」と主張した。ヤンヒョシク活動家は、「にもかかわらず改良主義政党が、議会内で民主大連合をとおして現場の闘いを民主対反民主の構図へと形骸化させ、議会と体制内に吸収しようとしている」と指摘した。
休憩をはさんで質疑応答が行われた。ある女性活動家は「聞いていると特に違いのない両組織が、なぜいまだ別々に存在するのか。党建設は、他の社会主義諸政派と一緒にはできないのか」と質問した。これに対しヤンヒョシク活動家は、「先ほど提起したように、大きな部分では両組織に大差はないが、『地域運動』など各論においては一部違いがある。もちろん違いは枝葉の問題だと思う」と答えた。コミンテク活動家は、これまでの「労働者の力」の活動過程を紹介し、両組織の関係を説明した上で、「解放連帯や労政協など他の政派にも党建設を提案した」と述べた。
貨物連帯プサン支部のある活動家は、「民主労働党や進歩新党ではだめだと考えるので、こうした提案には大枠で同意するが、新たな党も議会内に入れば同じようになるのではないか」と質問した。■
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【訳者注】
●民主労働党
・2000年1月創立。民主労総を中心に労働者の政治勢力化を課題に4月の総選挙に21名の候補を立てるが全敗、得票率も満たず解党。すぐに再設立し、院外で活動を展開。
・02年12月大統領選でクォンヨンギル候補(民主労総初代委員長)を擁立するがノムヒョンに破れる。
・03年11月、臨時党大会で「社会主義的理想と原則の強化」を骨子とする党発展特別委報告書を採択。また、党と全農(全国農民会総連盟)との政治交渉案を圧倒的な賛成で承認。
・04年4・15国会議員総選挙で10議席獲得し第3党に
・04年6月、党代表にキムヘギョン氏選出、全国連合系が指導部を掌握
・06年2月、党代表にムンソンヒョン氏選出。NL系(自主・民主・統一)。ソウル大経営学科卒、(株)統一の組合委員長、全労協共同議長、民主労総金属連盟委員長
・08年7月、党代表にカンギガプ(姜基甲)議員選出(任期2年)。全国農民会総連盟(全農)副議長
●進歩新党
・民主労働党からの離党者を中心に、イミョンバク政権発足直後の08年3月結成。代表:ノフェチャン議員(元民主労働党議員)、シムサンジョン議員(同)など。スローガン:「平等、生態、平和、連帯」
●社会主義労働者連合(社労連)
・08年2月23日に発足大会。所属各組織が、社会主義労働者党の綱領・戦術・組織路線を定式化して提出、先進的な労働者がこれを討論する過程を経て社会主義労働者党を建設しようと主張。08年8月に「国家保安法組織」の容疑で弾圧されるが不起訴。こうした過程を経て、公開的な社会主義労働者党建設討論会を提案している。
●労働者の力/社会主義労働者政党建設準備会(社労準)
「労働者階級政党」の建設を当面の目標として99年8月、労働現場で活動してきた労組幹部、現場活動家、「労働者民衆の政治勢力化の進展に向けた連帯(準)」(政治連帯)の進歩的社会団体、民衆運動の活動家、進歩的知識人が集まり「労働者の力(準備会)」を立ち上げ。2001年10月、第7回総会で「準備会」を外す。
目標:「韓国社会の根本的政治・社会変革を目標に、現実の労働者民衆闘争と緊密に結合し、労働運動の先進部隊が政治的に結集する『新たな労働者政治組織』の建設を目標に活動」「これを基に全世界の労働者階級と強固に連帯する労働者国際主義を実践し、労働者階級中心の世界変革を実現するための重要な役割を担う」
08年10月11日、「労働者の力」会員と現場、部門活動家107人から成る「社会主義労働者政党建設準備会」(社労準)の発足大会を開く。その後09年2月8日、「労働者の力」は「発展的解消」をし、社労準に合流。この09年2月8日という日は、フランスのLCRが解散しNPAを創立した総会の最終日。この総会には進歩新党とともに社労準も招待されている。
4・17社会主義党建設釜山討論会
民衆言論「チャムセサン」2009年4月19日付
「今の世界大恐慌は新自由主義の一時的危機ではない。資本主義自体が暴発している」
「今の時期こそ、ニセの労働者党(民主労働や進歩新党)がのさばることによる弊害を取り除くために真の労働者党を建設しなければならない」
今年2月から社会主義党建設の全面化に向けた全国共同討論会を準備してきた社会主義労働者政党準備会(社労準)と社会主義労働者連合(社労連)が4月17日夜、プサン地域討論会を開いた。社労準のコミンテク活動家と社労連のヤンヒョシク活動家がそれぞれ問題提起を行った討論会は、民主労総プサン本部の講堂で行われた。
この日の討論会は、共同討論会に割り当てられた4つのテーマ――①情勢と党建設、②変革戦略、③綱領、④労働運動の現況と課題)――のうち「情勢と党建設」「変革戦略」を一度に論議した。他の地域ではすでに③のテーマをめぐって討論会を行っているが、プサン地域は多少遅れている関係で2つまとめて行われた。
最初に問題提起を行ったコミンテク活動家は、民主労働党や進歩新党だけでなく、社会主義各政派の現状も厳しいのは同じだ、と前置きした上で、「今こそ議会主義・改良主義政党とは系列の異なる社会主義労働者政党が必要だ」と主張した。コミンテク活動家は、こうした政党をめぐって、非合法前衛政党か大衆政党か、革命政党かという質問が多いことについて、「今はそうした区分法を捨てなければならない。だから、社会主義労働者政党が非合法前衛党か否かは重要ではない」と説明した。同時にコミンテク活動家は、「社会主義労働者党は、資本主義克服と社会主義建設を直接の目標として前面に掲げた党」だと説明した。新しい党は、古典的な2段階革命論など変革の段階的区別を必要としないとも述べた。
コミンテク活動家は、変革戦略については、「議会や選挙を通した政権掌握は可能ではなく、逆に克服対象だ。だが議会や選挙への介入も新たな党の主要な戦術の一つ」だと説明した。コ活動家は、新しい党の建設に向けて「失業者や非正規職・未組織労働者の大部分の生活根拠地である『地域』を中心に地域運動に積極的に介入することが必要だ」と指摘した。
次に問題提起を行った社労連のヤンヒョシク活動家は、党建設の客観的・主観的情勢はコミンテク活動家活動家と同じだと前置きした上で、「資本主義がどん詰まりまで来た韓国の現状にあって、民主労働党や進歩新党など議会改良主義政党が、『野蛮ではなく人間の顔をした資本主義が可能だ』と言って、究極的には資本主義の救済に出ており、階級対階級の闘争戦線を攪乱、妨害している」と指摘した。ヤンヒョシク活動家は、「今こそ資本主義の息の根を止める革命政党が必要だ」と力説した。
ヤンヒョシク活動家は、「新しい党は賃金削減や構造調整、非正規職化の推進など、危機を労働者に転嫁する資本に対する闘いと、ロウソクやヨンサンなど基層の自発的闘争を結合し、労使間の全面戦に打って出なければならない」と主張した。ヤンヒョシク活動家は、「にもかかわらず改良主義政党が、議会内で民主大連合をとおして現場の闘いを民主対反民主の構図へと形骸化させ、議会と体制内に吸収しようとしている」と指摘した。
休憩をはさんで質疑応答が行われた。ある女性活動家は「聞いていると特に違いのない両組織が、なぜいまだ別々に存在するのか。党建設は、他の社会主義諸政派と一緒にはできないのか」と質問した。これに対しヤンヒョシク活動家は、「先ほど提起したように、大きな部分では両組織に大差はないが、『地域運動』など各論においては一部違いがある。もちろん違いは枝葉の問題だと思う」と答えた。コミンテク活動家は、これまでの「労働者の力」の活動過程を紹介し、両組織の関係を説明した上で、「解放連帯や労政協など他の政派にも党建設を提案した」と述べた。
貨物連帯プサン支部のある活動家は、「民主労働党や進歩新党ではだめだと考えるので、こうした提案には大枠で同意するが、新たな党も議会内に入れば同じようになるのではないか」と質問した。■
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【訳者注】
●民主労働党
・2000年1月創立。民主労総を中心に労働者の政治勢力化を課題に4月の総選挙に21名の候補を立てるが全敗、得票率も満たず解党。すぐに再設立し、院外で活動を展開。
・02年12月大統領選でクォンヨンギル候補(民主労総初代委員長)を擁立するがノムヒョンに破れる。
・03年11月、臨時党大会で「社会主義的理想と原則の強化」を骨子とする党発展特別委報告書を採択。また、党と全農(全国農民会総連盟)との政治交渉案を圧倒的な賛成で承認。
・04年4・15国会議員総選挙で10議席獲得し第3党に
・04年6月、党代表にキムヘギョン氏選出、全国連合系が指導部を掌握
・06年2月、党代表にムンソンヒョン氏選出。NL系(自主・民主・統一)。ソウル大経営学科卒、(株)統一の組合委員長、全労協共同議長、民主労総金属連盟委員長
・08年7月、党代表にカンギガプ(姜基甲)議員選出(任期2年)。全国農民会総連盟(全農)副議長
●進歩新党
・民主労働党からの離党者を中心に、イミョンバク政権発足直後の08年3月結成。代表:ノフェチャン議員(元民主労働党議員)、シムサンジョン議員(同)など。スローガン:「平等、生態、平和、連帯」
●社会主義労働者連合(社労連)
・08年2月23日に発足大会。所属各組織が、社会主義労働者党の綱領・戦術・組織路線を定式化して提出、先進的な労働者がこれを討論する過程を経て社会主義労働者党を建設しようと主張。08年8月に「国家保安法組織」の容疑で弾圧されるが不起訴。こうした過程を経て、公開的な社会主義労働者党建設討論会を提案している。
●労働者の力/社会主義労働者政党建設準備会(社労準)
「労働者階級政党」の建設を当面の目標として99年8月、労働現場で活動してきた労組幹部、現場活動家、「労働者民衆の政治勢力化の進展に向けた連帯(準)」(政治連帯)の進歩的社会団体、民衆運動の活動家、進歩的知識人が集まり「労働者の力(準備会)」を立ち上げ。2001年10月、第7回総会で「準備会」を外す。
目標:「韓国社会の根本的政治・社会変革を目標に、現実の労働者民衆闘争と緊密に結合し、労働運動の先進部隊が政治的に結集する『新たな労働者政治組織』の建設を目標に活動」「これを基に全世界の労働者階級と強固に連帯する労働者国際主義を実践し、労働者階級中心の世界変革を実現するための重要な役割を担う」
08年10月11日、「労働者の力」会員と現場、部門活動家107人から成る「社会主義労働者政党建設準備会」(社労準)の発足大会を開く。その後09年2月8日、「労働者の力」は「発展的解消」をし、社労準に合流。この09年2月8日という日は、フランスのLCRが解散しNPAを創立した総会の最終日。この総会には進歩新党とともに社労準も招待されている。