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民主労総はじめとした韓国労働運動関連記事の翻訳

退職年金制度、国会で「議論百出」

2010年02月27日 16時49分06秒 | 労働政策
退職年金制度、国会で「議論百出」
勤労者退職給与保障法、国会環境労働委公聴会

2010-02-24 (c)毎日労働ニュース

 国会環境労働委員会(委員長チュ・ミエ)が23日、労使政と学界関係者を呼んで「勤労者退職給与保障法」公聴会を開催した。労働部によると、退職年金加入者は昨年12月末基準で248万人だ。5人以上の事業場の常用労働者(760万人)の32.5%に達する。導入事業場は約7万カ所で、5人以上の事業場52万カ所の13.6%、積立金額は14兆ウォンだ。
 チョン・ヒョンオク労働部勤労基準局長は、「退職年金導入の速度は持続的に高まっており、円満に広がっている」とし、「先進国のように、国民年金と退職年金が老後の所得保障の主要な軸となっている2階建て年金の趣旨と、労働者全体の退職金規模18兆ウォンを勘案した場合、導入を早める必要がある」と主張した。労働部改正案は、△退職金中間精算要件の強化、△新設事業場の退職年金自動設定、△個人型退職年金制度の活性化、△DB型〔確定給付型)退職給与の支給保障性の強化――等を含んでいる。

◇「労組の同意なき退職年金導入反対」=核心争点は、改正案4条3項と4項の「退職年金導入時の労働者代表の同意手続き」を「意見聴取」に変更した部分だ。労働部と経営界は改正案に賛成するが、労働界は「使用者に比べて個別労働者が不利な立場にあるため退職年金を導入するかどうかも団体交渉の対象に含まなければならない」として対抗している。
 イ・ホソン韓国経営者総連合会(経総)理事は「退職年金制度が退職金制度より不利益だと見ることはできないのに、画一的に集団的同意手続きを踏むようにするのは退職年金制度の活性化を阻害する主要な要因」だと述べた。イ理事は「現行法の過半数同意条項を、協議条項に緩和する必要がある」と付け加えた。チョン・ヒョンオク局長も、「労組がない事業場も多い中、個別労働者に選択権を与えるという趣旨」とし、「退職年金制度は、事業主が直接に退職金を管理するのではなく、社外に積み立てるという点で労働者に有利だ」と述べた。
 これに対してソン・マンギル事務金融連盟政策局長は、「個別労働者は使用者に比べて絶対的に不利な立場にあり、法が改正されたら退職年金の導入が容易になるだろう」とし、「退職年金導入にとって障害となる労組を排除しようとする意図が明確だ」と反論した。

◇退職年金「サムスン傾斜」現象はっきり=労働部が調べた退職年金運用管理機関別の積立金現況によれば、昨年末基準で退職年金を運用している機関は48だ。銀行15、生命保険会社12、証券会社13、損害保険会社8だ。金融機関のうち、退職年金の積立金が最も多いのはサムスン生命で、約3兆1117億ウォンに達する。銀行の中でも退職年金が最も多い国民銀行の積立金の2倍を越す。サムスン生命が積み立てているサムスン系列会社の退職年金積立金の規模は60%以上で、系列会社の丸投げを不公正行為とする指摘もある。キム・ヨンウ金融監督院保険計理年金室長は、「退職年金事業者が退職年金を強要することは法で厳格に制限されているが、サムスンの場合のように系列会社の加入に対する制限はない」とし、「労使協議会的性格をもつ労組があるため、不公正行為と見るのは難しい」と述べた。
 だが、チュ・ミエ委員長は、「退職年金制度が財閥だけが得する方向へ向かう不吉な兆しが現れているという点を肝に銘じなければならない」と強調した。チュ委員長は、「退職年金は金融資本または社会資本となるべきであり、財閥の資本になってはいけない」とし、「労働部が望むとおりに退職年金制度が良い制度として定着するには、財閥という韓国の特別な状況も考慮しなければならない」と強調した。
 一方、民主党と民主労働党も所属する環境労働委員らは昨年末の全体会議で労働組合および労働関係調整法(労組法)改正案の強行処理を行ったチュ委員長の謝罪を要求し、全体会議に参加しなかった。野党委員らは、「昨年、労組法を抜き打ち処理したチュ委員長が、ハンナラ党の主張だけを受け入れて議事日程を一方的に通知し、全体会議を招集した」と非難した。引き続き「委員会構成員間の、崩れた政治的信義と信頼を回復するための公式的な謝罪がなければ、野党委員らは委員会に参加することはできない」と主張している。■

政府が推進する「柔軟勤労制」の内容は?

2010年02月27日 15時52分26秒 | 労働政策
政府が推進する「柔軟勤労制」の内容は?

民衆の声 2010-02-26

 画一的な勤務時間制度でない時差出勤制、在宅勤務制、短時間労働制など多様な形態の柔軟労働制が導入される。仕事と家庭を両立させる労働制を通じて、先進国型モデルを模索しようとの趣旨で政府は公共部門でこの制度の先導モデルを発掘、拡大して民間にもこれを広めるという方針だ。
 政府は、我が国の長時間労働慣行と低い雇用率、女性の経済活動参加率の低調および他先進国に比べて柔軟勤務制の導入と活用比率が低いことなどを「公共部門柔軟勤務制」を推進する背景として提示した。要約すれば、全体の雇用率を高めて仕事と家庭という二兎を捕まえることができる政策というものだ。
 政府は、短時間労働制を中心に柔軟勤務制が広がれば、雇用創出に一定程度寄与できると見て、公共部門が先導して民間にまで制度を広めるという構想だ。
 まず中央部署では、行政安全部〔省〕が主管して作業部会を運営、女性部〔省〕などで試験運営することにした。
 勤務形態は、△適合職務を発掘して、全日制1人の業務を時間制2人が担当する職務共有制、△全日制から時間制への転換を支援、△時間制勤務人員の補充拡大、△全日制と時間制を区分する定員管理方式への転換――などを推進することにした。
 行政安全部と対象機関は、業務協約(MOU)締結後、4月から9月までモデル実施し、以後、結果分析と成果管理体系の補完を経て、12月から全部処〔省庁〕に広めるという計画だ。試験運営機関は、行政安全部(勤務形態の先進化)、教育科学部(教師に適用)、労働部(雇用創出)、女性部(女性の経済活動促進)、福祉部(出産奨励)、地方自治体(釜山市、慶尚南道、ソウル、東大門区)など)等だ。
 公共機関を対象とするものとしては、企画財政部が主管して作業部会を運営して定員100人を全日制90人と時間制20人に分ける改編案を通じて、短時間労働制の採用を誘導するという計画だ。これも来月までに案をつくり、4月から5ヶ月間、試験運営される。
 政府はまた、新規雇用時の適合勤務に短時間労働者の採用を拡大することにした。労働部雇用支援センター、LH公社の事例のように、新規採用を行う際、短時間適合勤務にはできるだけ短時間労働者を採用する方針だ。
 採用形態としては、業務分割型は、苦情受け付け業務、保育施設(時間延長保育施設など)で行われる見通しだ。労働部コールセンターの場合、午前班42人、午後班40人、ピークタイム4人が各4.5~5時間ずつ勤めている。国公立図書館、博物館などは休日夜間専門担当型で、高学歴の専業主婦や長期未就業状態の女性には集中時間型(ピークタイム)に配置するという構想だ。
 民間部門は常用職短時間労働を広げ、支援する。
常用職短時間労働は期間の制限なしで雇用され、社会保険、社内福祉、教育訓練、昇進(昇級)等が保障される。勤務時間に比例して賃金を支給され、フルタイム労働者への転換の可能性も付与される。
 政府はまず、男女雇用平等優秀企業、家族親和認証企業などを中心に50ヶ所を選別し、常用職短時間労働者の新規雇用を誘導する。現在、金融業、病院などの医療機関、流通業、サービス業などを対象に選定している。
 在宅勤務など柔軟な勤務形態を活性化させるため、IPTV、ワイブロなど先端映像通話技術をモデル適用する案も検討中だ。常用職として短時間労働者を採用する場合、新規労働者1人当りの賃金の50%を1年間支援し、支援限度月40万ウォンの範囲内でモデル実施することにした。
 労働部や女性部などは、地方自治体、経済人団体、企業などと連係して、柔軟勤務制度拡大作業部会を運営することとした。
 労働部は労使民政間の対話体系を構築し、雇用共生協約の締結を誘導し、賃金ピーク制保全手当、訓練費、雇用促進奨励金などを支援することとした。
 労働部、女性部、福祉部などは、各種制度の運営に際して、常用職短時間労働者を労働時間に比例して算定することができるよう基準を変更することとした。
 一例として、健康保険看護等級制の人員契約の際、無期契約職として週40時間以上勤務する看護師を、これまで0.8人としていたのを、1人とする案が検討される。病院を中心に、業務集中勤務時間帯には短時間労働者の採用も誘導する。
 短時間労働者の雇用拡大に対応した保護装置も強化される。
 4月から労使発展財団が6ヶ地域に仮称「差別是正総合センター」を設置、運営する。
国民健康保険、国民年金の社会保険職場加入者除外要件を、雇用保険と同様、月60時間未満の労働者に調整する計画だ。希望労働事業等を通して全事業場訪問キャンペーンを実施し、社会保険未加入事業場を発掘し、加入も督励する。
 政府レベルでは、年内に労働類型別労働実態調査をモデル実施し、来年本調査を推進するとした。実態調査および労使政委員会の議論結果などを土台に、制度・慣行の改善を推進し、来年7月から施行する計画だ。
 特に短時間労働者をより多く雇用することが政府の規制および支援において不利にならないよう、各個別法の性格に合わせて常時労働者数を労働時間に比例して算定する案を再検討し、改正を推進するとした。
 女性部で時間制勤務公務員制度を試験運営した後、優秀事例を発掘し、基本モデルを全ての公共部門に普及させるとした。女性部は、女性が仕事と家庭生活を両立できる環境を作るため、企業と仕事・家庭両立制度の活用に関するMOU締結を拡大する方針だ。
 だが、政府のこうした「柔軟労働制拡大案」は、結局、全般的な雇用の質を低下させるだけでなく、非正規職雇用をますます生み出すものと懸念する声が、開始を前に出ている。
 とりあえず公共部門の場合、政府推進であることから、「柔軟労働制」に対する需要は多くないという指摘だ。一部の職列の業務の特性上、効率性の次元での適用は可能だが、すべての職列へと広めるのはふさわしくないという批判が出ている。
 何よりも、政府が公共部門で良質の雇用を優先的に増やして模範を示し、民間部門でも従うよう誘導することのほうが正しい改善方向だという説明だ。
 韓国労総は、「政府が打ち出した短時間労働活性化案は、女性労働者につまらない雇用だけを増やし、数字膨らませ式の雇用率につながる」とし、「雇用が安定した環境において、働いた分、適正な賃金と社会保険が保障される雇用を増やさなければならない」と強調した。■