【インタビュー】鉄道現場「どれだけ残忍な暴力か」
鉄道労組・ユンデヨン組合員「鉄道私有化、必ず阻む」
民主労総機関紙「労働と世界」2009年12月24日付
「ヘルメットにチョッキ一つ…それでも線路に立つ」。電車と電車、そして機関車の間、安全運行のために誰かは命をかけて働かなくてはならない。「質屋に入れられた命」。安全はこうして今日も線路の上に続く。
雨が降ろうと雪が降ろうと、市民の足である電車が安全に運行されるには多くの人たちの苦労と犠牲が必要だ。誰かは寝ている子供の顔をあとにして夜に家を出なければならず、誰かは感電と衝突の危険を押して鉄路を行き来しなければならない。
ユンデヨン氏(42才)もその一人だ。ユン氏は首都圏の電車運行のための電気施設を維持補修する鉄道労働者だ。
1995年8月に入社し、今年で15年目だ。この数年間、鉄道現場には新規採用がなかった。最近5千人を超す人員削減でもまだ足りず、公社は交渉中に労働協約の破棄を通報した。
「生存権を守るための正当な合法闘争をあげつらい『月給を1、2銭多くとろうとする満腹スト』という悪質なネット書き込みを見ると本当に腹が立ちます」
ユン組合員は昨年、労使合意に違反した公社側に抗って解任された。再び現場に戻ったが、労働者から生存権を奪うことがどんなに残忍な暴力であるかが骨身にしみた。
「天下り社長に反対するなど公社側の誤りに反旗を翻したという理由で解雇された仲間は多い」と語るユン組合員は、鉄道現場あちこちに残る傷を思い浮かべる。
暮らしについてたずねるとユン組合員は、「飯は食っている」と苦笑する。夫人は6か月前から保育園の先生として働いている。家賃も借金で払っている上、子供たちの塾の費用や保育園の保育費まで夫の月給では厳しいという。
「鉄道労働者も同じ国民」だというユン組合員。「さしあたっては誤解されるかも知れないが、結局われわれが正しかったということを国民は分かってくれるだろう」というのが彼の信念だ。国民に対し「いつも助言と愛情を持って見守ってほしい」と付け加える。
ユン組合員は、組織された労働者にも慎重な注文を忘れなかった。「10~20年、多くの先輩烈士たちが命まで捧げてやっと勝ち取ったものを一夜にして失うことはできない」とし、「民主労総をはじめ進歩陣営も、力を合わせてしっかりと準備し、世の中を変えよう」と語った。
合法ストの最中も公企業の労働者として国民への影響が気になったというユンデヨン組合員。国家基幹産業である鉄道で働くことを誇りに思い、鉄道私有化を必ず阻むという彼こそ、この時代の本物の労働者だ。(ホンミリ記者)
鉄道労組・ユンデヨン組合員「鉄道私有化、必ず阻む」
民主労総機関紙「労働と世界」2009年12月24日付
「ヘルメットにチョッキ一つ…それでも線路に立つ」。電車と電車、そして機関車の間、安全運行のために誰かは命をかけて働かなくてはならない。「質屋に入れられた命」。安全はこうして今日も線路の上に続く。
雨が降ろうと雪が降ろうと、市民の足である電車が安全に運行されるには多くの人たちの苦労と犠牲が必要だ。誰かは寝ている子供の顔をあとにして夜に家を出なければならず、誰かは感電と衝突の危険を押して鉄路を行き来しなければならない。
ユンデヨン氏(42才)もその一人だ。ユン氏は首都圏の電車運行のための電気施設を維持補修する鉄道労働者だ。
1995年8月に入社し、今年で15年目だ。この数年間、鉄道現場には新規採用がなかった。最近5千人を超す人員削減でもまだ足りず、公社は交渉中に労働協約の破棄を通報した。
「生存権を守るための正当な合法闘争をあげつらい『月給を1、2銭多くとろうとする満腹スト』という悪質なネット書き込みを見ると本当に腹が立ちます」
ユン組合員は昨年、労使合意に違反した公社側に抗って解任された。再び現場に戻ったが、労働者から生存権を奪うことがどんなに残忍な暴力であるかが骨身にしみた。
「天下り社長に反対するなど公社側の誤りに反旗を翻したという理由で解雇された仲間は多い」と語るユン組合員は、鉄道現場あちこちに残る傷を思い浮かべる。
暮らしについてたずねるとユン組合員は、「飯は食っている」と苦笑する。夫人は6か月前から保育園の先生として働いている。家賃も借金で払っている上、子供たちの塾の費用や保育園の保育費まで夫の月給では厳しいという。
「鉄道労働者も同じ国民」だというユン組合員。「さしあたっては誤解されるかも知れないが、結局われわれが正しかったということを国民は分かってくれるだろう」というのが彼の信念だ。国民に対し「いつも助言と愛情を持って見守ってほしい」と付け加える。
ユン組合員は、組織された労働者にも慎重な注文を忘れなかった。「10~20年、多くの先輩烈士たちが命まで捧げてやっと勝ち取ったものを一夜にして失うことはできない」とし、「民主労総をはじめ進歩陣営も、力を合わせてしっかりと準備し、世の中を変えよう」と語った。
合法ストの最中も公企業の労働者として国民への影響が気になったというユンデヨン組合員。国家基幹産業である鉄道で働くことを誇りに思い、鉄道私有化を必ず阻むという彼こそ、この時代の本物の労働者だ。(ホンミリ記者)