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韓国労働運動情報

民主労総はじめとした韓国労働運動関連記事の翻訳

「民主労総、実質的なゼネストに転換せよ」

2008年06月30日 10時09分35秒 | 民主労総
「民主労総、実質的なゼネストに転換せよ」
【インタビュー】民主労総忠北本部イジョンフン本部長

メディア忠清08年6月30日付

 米国産牛肉の輸入衛生条件が発効した中、6月26日に民主労総がゼネストを宣言したが、実際、指針に従ってストに入った事業所は一つもないことがわかった。

 これに対し民主労総忠清北道本部のイジョンフン本部長は「民主労総は今のロウソク情勢に非常に安易に対応した。今まで民主労総がやったことといえば、雰囲気を見て、ストをやるかやらないか天秤にかけたことだけ」だとし、「告示即ゼネストの方針を出したと思ったら撤回することで暫定合意し、国民が再びロウソクを手に立ちあがったら、心にもないゼネストを宣言した」と強く批判した。

 イジョンフン本部長は、「民主労総や金属労組は残業拒否や総会闘争をやると言ったが、指針はあってもゼネストはない状況になってしまった。今われわれに最も必要なことは、われわれの内容でもって国民と呼吸し、今の闘争をより大きく、より熱く広げなければならないということだ」と民主労総のゼネスト指針を重ねて批判した。

 また、「いま街頭では、多くの国民がイミョンバク政府の行う米国産牛肉官報掲載や韓半島大運河、医療民営化、学校自律化措置に反対し、生身で軍靴や盾に立ち向かっている。いつも先頭で闘ってきた民主労総組合員は、民主労総や金属労組など各連盟の実質的な指針もなく、どうしていいかわからずにいる。なのに民主労総は、ストの余波に対する負担を理由にこのまま口先だけでストを叫ぶのか」と述べた。

 最後にイジョンフン本部長は、「きょうソウルで闘っている組合員の場合、民主労総の指針ではなく自分の職場での苦闘をもって自ら闘いをつくりだしている」とし、「民主労総は、小数の組合員で米国産牛肉の輸送・出荷阻止闘争をやるのではなく、民主労総傘下の各連盟と労組を組織し、1500万労働者とともに、もっと力のある実質的なストを牽引すべき」と強調した。

 さらに、「イソッケン委員長と金属労組を含む各連盟の代表者は、定時勤務後のロウソク集会参加ではなく、当初確定した7月2日ゼネストを今から始められるよう動き、リレーストではなく同時多発的なストで国民とともに危機を克服してゆくべき」と重ねて強調した。(チョンユンミ記者)

韓国短信080627(米国産牛肉出荷阻止闘争)

2008年06月27日 10時14分48秒 | 民主労総
●2008/06/26 14:05 KST
民主労総、釜山や京畿道で米牛肉の運送阻止デモ展開
【ソウル26日聯合】米国産牛肉の輸入衛生条件告示の官報掲載を受け、全国民主労働組合総連盟(民主労総)や市民団体が26日、牛肉が保管されている釜山のカンマン埠頭(ふとう)と京畿道の冷凍倉庫に対する封鎖・運送阻止に乗り出した。昨年10月の検疫中断以降、カンマン埠頭など釜山港6埠頭の冷凍コンテナに3300トン、京畿南部の冷凍倉庫12カ所に2000トンなど、合わせて5300トンの牛肉が保管されている。
 民主労総釜山本部と市民団体は同日午前から約50人をカンマン埠頭に集め搬出阻止に入っており、デモ隊の規模を300人まで拡大する方針だ。参加者はカンマン埠頭への進入路5車道のうち3車道を占拠し集会を開いており、警察は3中隊を動員して万一の事態に備えている。
 一方、民主労総公共運輸連盟の30人も、同日午前から京畿道・竜仁の江東第2冷蔵正門前で「ここに米国産牛肉があります」などと書いた垂れ幕を掲げデモを開始した。竜仁や広州、仁川、華城など京畿南部地域の12冷凍倉庫でも民主労総組合員計260人が運送阻止に入っている。
 民主労総の運送阻止に対し江東第2冷蔵など竜仁地域の4つの冷凍倉庫と華城のキフン冷蔵は、「職員団結決意大会」などの名目で警察に集会申告書を提出、倉庫前の集荷場所を先に押えた。
 検疫院の関係者は「各検疫倉庫ごとに米国産牛肉搬出阻止など民主労総の組合員の反発が激しく、今日保管倉庫現場に検疫官を派遣するのは無理だと判断した」とし、「明日27日午前中に検疫現場を公開し、検疫を再開することを論議している」と述べた。
 一方、全国韓牛協会のナムホギョン会長ら60名はこの日午前11時から果川政府庁舎前で集会を開き、牛肉告示撤回を要求した。
 韓牛協会関係者は、「牛肉交渉以降、牛の価格が暴落し、飼料費も回収できない状況に至った」とし、「今夜から庁舎前にテントを張って無期限籠城に突入し、指導部6名は断食に入る予定」だと述べた。


●牛肉冷凍倉庫阻止行動/プサン埠頭ではデモ隊・警察衝突
(6月26日22:08付ハンギョレより抜粋)

 民主労総釜山本部の労働者200名は26日午前8時30分からプサン港カンマン埠頭の3道路を占拠したまま警察と対峙。カンマン埠頭など6か所には昨年10月以降検疫が中断されていた米国産牛肉3300トンが冷凍コンテナに保管されている。
 警察との衝突過程で貨物連帯のキムダルシク本部長(37)ら2名が連行された。
 206トンの米国産牛肉を保管している京畿道広州と竜仁・利川などの冷凍倉庫12か所でも300名の市民・労働者がデモを行い搬出を阻んだ。京畿道竜仁市の江東第2冷蔵入口では午前9時から民主労働党のカンギガプ議員とチョンヨンセ党代表、民主労総公共労組の組合員50名、主婦12名などが搬出阻止に立った。
 また、全国女性連帯と保健医療労組の労働者130名は午後1時50分頃から広州市のキョヌ物流の前で20分間人間の鎖を行った。
 仁川でも民主労総仁川支部の執行部10名と永宗ハヌル都市でスト中の建設機械支部の組合員60名が午前8時55分からインチョン空港近くの国立獣医科学検疫院仁川支院永宗係留場の正門前で封鎖闘争に入った。永宗係留場内の倉庫には航空機を通して搬有されホテルなどに供給される米国産牛肉1862㎏が保管されている。
 民主労総はこの日から来月24日まで京仁冷蔵など京畿道広州地域の6つの冷凍倉庫と利川ロジスオールインターナショナル冷凍倉庫の前で「BSE告示撤回および運送阻止大会」を開くため集会申告を出している。
 

韓国短信(08.6.26付)

2008年06月26日 10時23分07秒 | 民主労総
(目次)
●「牛肉告示」に2万人がデモ
●「牛肉告示」強行、与党ハンナラ党内でも「性急すぎる」懸念
●李明博がG8で訪日! 韓国100万決起を引き継ぎ、6・29―7・6で迎え撃とう!
●ブッシュが7月初旬訪韓を延期。100万決起がブッシュを震え上がらせた!
●民主労総がG8に闘争団派遣
●李明博、新自由主義政策強行方針
●民主労総「告示即ゼネスト」から「ロウソク集中」に旋回
「米国産牛肉不買運動」も並行…来月2日ゼネストは「有効」

●「牛肉告示」に2万人がデモ
(以下ハンギョレ26日付より)

「告示撤回」2万人デモ…大量連行
政府、牛肉告示強行…26日発効
ソウル都心各所で市民―警察激烈衝突

 チョンウンチョン農林水産食品部長官が韓米牛肉追加交渉の結果を発表してから4日目の25日、米国産牛肉の新たな輸入衛生条件の告示(官報掲載)を依頼した。これに対し野党と市民社会団体が「国民に対する戦争宣言」だと強く反発し、「牛肉政局」がまたも分水嶺を迎えた。

 政府の牛肉告示強行方針に対し25日夜、再交渉を要求するソウル市民2万人が街頭に飛び出し、都心各所で激烈なデモを行った。プサンでは2千名が集まり政府を糾弾するなど、インチョン、テジョン、ウルサン、チュンチョンなど地方各地でもデモ。
 ソウル世宗路十字路には夜7時から市民が集まり、「告示強行を撤回せよ」「李明博は退陣せよ」と叫び青瓦台へのデモを試みた。警察は粉末消火器と放水などでこれを阻止し、夜通しデモ隊と激烈に対峙した。夜には2か所でデモ隊を歩道に追いつめ50名を連行。先立つ午後3時には景福宮駅前で開かれた「告示強行糾弾集会」に参加した市民と対策会議関係者47名を連行。これに抗議した民主労働党のイジョンヒ議員まで連行(深夜釈放)。12歳の小学生まで警察バスに押し込んだが、抗議を受けてすぐに釈放。

〔以下の報道については微妙な側面があるので、最後の記事も参考にしてください…訳者〕
 民主労総は、26日に政府が長官告示を強行したら直ちにゼネストを宣言する計画だと表明した。パクソンシク民主労総広報部長はまた、「26日から京畿道クァンジュやヨンインなど京畿地域12の冷凍倉庫前で産別組織集会を開き、冷凍倉庫ごとに100名以上の組合員を結集させ、米国産牛肉運送阻止に立つ」と表明。プサンでは26日午前9時から民主労総組合員がカンマン埠頭封鎖と1泊2日カンマン埠頭封鎖徹夜ろう城を行う方針。

●「牛肉告示」強行、与党ハンナラ党内でも「性急すぎる」懸念
(26日付ハンギョレ)

●李明博がG8で訪日! 韓国100万決起を引き継ぎ、6・29―7・6で迎え撃とう!
(以下聯合ニュース記事)

李大統領、来月の洞爺湖サミットの拡大会合に出席
【ソウル25日聯合】青瓦台(大統領府)は25日、李明博(イ・ミョンバク)大統領が来月9日に日本での主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の拡大会合に出席する予定だと発表した。洞爺湖サミット議長国の日本の招きに応じたもので、韓国大統領が出席するのは初めてだと、李東官(イ・ドングァン)報道官は説明している。
 拡大会合の最大の議題は人類最大の懸案になりつつある気候変動問題で、李大統領は地球レベルで気候変動に対応する必要性と緊急性を強調する予定だ。特に、現在の危機を低炭素社会と新たな成長動力の機会ととらえ「緑色成長」の転機にするという現政権の政策基調を紹介すると同時に、1997年に採択された京都議定書以降の気候変動の枠組みなどについて意見を示す方針だ。
 李大統領は会合後のワーキング・ランチにも出席し、世界の主要リーダーらと原油高対策や食糧安保、国際金融市場の安定化、国連ミレニアム開発目標(MDGs)達成など世界の経済懸案についても意見を交わす予定だ。
 また、李大統領は8日にはインドのシン首相、メキシコのカルデロン大統領とそれぞれ首脳会談を行う。9日の拡大会合後にはロシアのメドベージェフ大統領、米国のブッシュ大統領とも会談する。韓ロ首脳会談は就任後初めてで、エネルギー協力問題が主に話し合われる。韓米首脳会談は4月に米国で開かれてから今回が2回目で、北朝鮮核問題や韓米自由貿易協定(FTA)の早期批准策、21世紀の戦略的同盟関係を未来ビジョンとして具体化する問題などが集中的に話し合われることになりそうだ。特に米国産牛肉の輸入問題をめぐり両国関係に損傷がないよう、多様な対策を協議するものと伝えられた。

●ブッシュが7月初旬訪韓を延期。100万決起がブッシュを震え上がらせた!

(以下、聯合ニュース記事)
ブッシュ大統領が訪韓延期、サミットで韓米首脳会談
【ワシントン24日聯合】ブッシュ米大統領が、来月初旬に日本で開催される主要国(G8)首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の際に李明博(イ・ミョンバク)大統領と韓米首脳会談する。ホワイトハウスのペリノ報道官が24日の定例会見で明らかにした。ブッシュ大統領はこれまで訪韓を希望する意向を示してきたが、今回はサミットだけに出席することになり、李大統領の4月の訪米に対するブッシュ大統領の韓国答礼訪問はひとまず7月以降に先送りされた。
 ペリノ報道官は、ブッシュ大統領が8月の北京五輪開幕式に出席する際に訪韓する可能性については「その可能性も排除できないが、確実に訪韓が実現するとは言えない」と答えた。
 約3カ月ぶりとなる韓米首脳会談では、北朝鮮核問題や韓米自由貿易協定(FTA)の批准問題、米国産牛肉追加交渉以降の対策といった両国の懸案からテロとの戦い、地球温暖化などグローバルイシューに至るまで幅広い議題が話し合われる見通しだ。

●民主労総がG8に闘争団派遣
(以下毎日労働ニュース25日付より)

民主労総G8首脳会談に闘争団派遣
7月4~8日…「FTA推進戦略暴露」

 24日、民主労総は、「G8首脳会談の期間に合わせて7月4日から8日まで、ホヨング副委員長を団長に8名の闘争団を送る」と表明した。
 民主労総は「米国とEU、日本などから成るG8の核心国家の二国間FTA推進戦略を暴露・対応し、アジアの労働・社会運動陣営との連帯強化、韓米FTA阻止に向けた日本労組との共同対応に向けて闘争団を派遣する」と説明。
 闘争団は日本現地でカナダ・米国労総とともにFTA対応戦略ワークショップを開催する予定で、「G8に挑戦するアジア民衆の声フォーラム」「貿易と気候変化討論会」などに参加する。また現地日本の労働界とともに毎日大規模集会を開催する。
 今年のG8ではFTAを含む経済・貿易政策、気候変化、対テロ戦争と非核化などが公式議題となる。また李明博大統領が首脳会談に招請される可能性もあるという。

●李明博、新自由主義政策強行方針
(以下聯合ニュースより)

青瓦台「改革後退はない」、優先課題順に推進方針
【ソウル25日聯合】青瓦台(大統領府)は25日、公営企業の民営化や規制緩和など各種改革を円滑に進めるため、改革の優先順を決め、急ぐ懸案から段階的に施行することを決めた。李明博(イ・ミョンバク)大統領主宰の首席秘書官会議で決まった方針。
 李東官(イ・ドングァン)報道官は会議後、「最近は一部で、政府の国政運営基調が改革から安定へと変わったのではないかという報道が出ているが、改革課題を一度に推し進めるのは無理で負担が伴うため、戦略的に優先課題を定め緻密(ちみつ)に推進することにした」と説明した。また「改革の後退はあり得ない」とも強調した。

 これは、米国産牛肉問題やキャンドルデモなどで新政権が当初約束した改革推進力を喪失しつつあるのでないかとの懸念が出ていることに、一線を引くものとみられる。

●民主労総「告示即ゼネスト」から「ロウソク集中」に旋回
「米国産牛肉不買運動」も並行…来月2日ゼネストは「有効」
(ハンギョレ26日付)

 民主労総(イソッケン委員長)が25日、政府が米国産牛肉輸入衛生上件の長官告示を強行したら直ちにゼネストに突入するとの計画を白紙化し、背景が注目されている。
 民主労総がこうした決定をくだしたのは、なによりもスト動力の不在と追加交渉以降急速に鎮静局面に入っている「牛肉民心」など内外的な要因を冷静に判断した結果と見られる。
 民主労総はそれに代えて「ロウソク」にさらに集中し、来月2日のゼネストに全力を結集させたのち、産別リレーストで夏闘政局を主導してゆく方向で戦略をまとめた。
 また、ストとは別途に傘下組織を動員し、病院と学校の牛肉給食を拒否し、市民を対象に米国産牛肉不買運動を組織的に展開する方針。

◇告示即ゼネストは「なかったこと」に=民主労総は26日のゼネストの代わりに米国産牛肉が保管されている全国14か所の冷凍倉庫で運送阻止に立つとの方針だが、これも「形式的」レベルにとどまる見通し。
 民主労総が告示即ゼネスト計画を撤回したのは、何よりもスト動力が絶対的に不足しているとの状況認識によるものと思われる。
 6月10~14日に実施したゼネスト賛否投票で70%台の賛成率が出たが、参加労組と組合員が政治ストの不法性を極度に負担に感じる中、賛成率のみを信じてゼネストを強行するには危険が大きいとの判断とみられる。
 主力部隊の金属労組をはじめとした産別労組が現在、来月2日に予定されたゼネスト日程に合わせるため、合法性を得る「賃金・団体協約スト」賛否投票を行っていることもこうした脈絡だ。
 指導部が「野球ゲーム論」を展開し、1番バッターとして立てた貨物連帯はすでに現場に復帰し、建設機械分科のストは波及力が制限的だ。さらに、強力な火力を誇ってきたヒョンデ自動車では、これ以上先頭に立たないという「下克上」すら感知されている。
 加えて、米国産牛肉に対する追加交渉の結果が発表されて以降、民心が急速に鎮静する兆しを見せる中、「告示即ゼネスト」は、捨てざるを得ないカードとなったという指摘だ。
 民主労総はだが、「ロウソク民心」の火種を最大限活かしつつ、保健医療労組と公務員労組を動員し、病院や学校などの牛肉給食を拒否し、大衆を対象に米国産牛肉不買運動を繰り広げるなど産別と組合員が結合した「消費者運動」は引き続き展開する計画。

◇今後の闘争は「ロウソクにさらに集中」=民主労総は来月2日の「牛肉ゼネスト」を通して全国の作業上の門を閉めるというこれまでの方針はそのまま維持している。その中で牛肉民心を背負うためにロウソクにさらに集中する方向に戦術的方向を変えた。
 民主労総はまず官報掲載日である26日に京畿道キフンの江東冷蔵などを中心に米国産牛肉運送阻止に入る。クァンジュ(広州)の京仁冷蔵では「人間の鎖」闘争を展開する。
 同日、保健労働者6千名(民主労総推計)は、「BSE牛肉阻止」と「医療営利化政策完全廃棄」を訴え上京闘争に入り、夜のロウソク集会に参加する。
 また、27日には公共運輸連盟所属の1万人とタクシー労働者2千人、28日は公務員労働者1万人が総力決意大会を行い、ロウソクに合流する計画。
 民主労総はこうした形で夏闘とロウソクを積極的に結びつける作戦を駆使し、来月2日の一日ストに続き、3~5日、総力闘争を展開したのち、7日から「産別リレースト」に入る。
 産別の中では15万人の組合員を率いる金属労組が20日、中央労働委員会に争議調整申請を行い、本格的なスト手順を踏んでいる。
 金属労組は支部別に27日まで争議行為賛否投票を実施し、10日間の調整期間が過ぎる来月1日からいつでも合法的なストに突入できる。
 金属労組に次ぐ14万4千人規模の鉄道と地下鉄、発電、ガスなど国民生活に直結する事業場を有する公共運輸連盟も、後に続く準備を進めている。
 今年の夏闘は、組合員は3万8千人にとどまるものの組織力が強力な保健医療労組が隊列の最後を飾る見通し。
 保健医療労組は去る18日、全国支部長会議の場で、来月7日に調整を申請し、23日にゼネストに突入するとの闘争日程を確定した。

「ろうそく集会100万人決起」以後の方向をめぐる論議

2008年06月21日 10時39分05秒 | 08年ロウソク集会
韓国「ろうそく集会100万人決起」以後の方向をめぐる論議を紹介します。(08.6.21翻訳者)


コンテナをどう乗り越えるか?
【寄稿】ろうそくを持った大衆がぶち当たったジレンマ〔要旨抜粋〕

チェウォン(米ロヨラ大学)
チャムセサン2008年6月12日付

 (青瓦台の前に)コンテナ障壁が築かれ、その前で長時間、デモ隊の間で討論が行われたという。コンテナを乗り越えるのか否か。結局コンテナの上で旗を振ることで妥協がなされたという。
 実際この討論は、暴力のレベルをどの程度使用するかを大衆が自ら論議し決定したという点で、それ自体意味はあるが、同時に現在の闘いをめぐって大衆がぶち当たっているジレンマを物語っている。
 コンテナは大衆に自らの無気力を確認させるものでもあった。コンテナを越えようとした人びとも、その向うには実際、青瓦台があるのではなく、青瓦台に進撃し入ることができないこと、つまり他ならぬ自分自身の無気力がある事実を知っていた。彼らを阻んでいるものは、コンテナではなく、挑戦し得ない権力の(ほとんど精神的な)鉄壁であった。
 したがってコンテナ前での討論は、意味はあったが限界を持たざるを得なかった。重要なことは、前線はここだけではないということに気づくことではないか。問題は力だが、その力とは、戦闘警察とぶつかり合う力ではないという点に気づくことが重要だ。
 ろうそくデモが今ほど労働者の闘争を必要しているときはなかった。実際この闘い全体が、特に6月10日が過ぎた今こそが、「市民」と「民衆」の二分法を克服する絶好の機会だ。なぜなら「市民」が自らの力で進みうる最後のところまで来てしまったからだ。これからは労働者・民衆が自らを市民として宣言し、この闘いにいかに爆発的に融合してゆくかがわれわれの闘いの方向を決定する。ろうそくデモがイミョンバクを退陣させ、爆発的な更なる民主主義の第7共和国を樹立することができるかは、労働者・民衆にかかっている。
 これはあたかもフランス革命において、プロレタリアートなしにはブルジョアジーが貴族階級を打倒し革命を達成できなかった状況と似ている。フランス革命がそれ以前の革命と画然と異なっていた点は、まさに2元対立ではなく3元対立だった点だ。それ故にこそブルジョア共産主義が可能だったこと、フランス革命の、人間と市民の権利宣言が、無制約的な平等・自由の深奥な宣言たり得たという事実を忘れてはならない。
 今、全ての人びとは、労働者を組織し、「大衆スト」をつくることに全力を尽くすべきだ。それこそが唯一コンテナを現実的に乗り越える道だ。
 これ以上気落ちする必要はない。堂々と、労働者が市民でなければ、労働者が解放されなければ、誰も市民たり得ず、誰も解放され得ないことを宣言しよう!




68年、いや6月抗争の教訓
【寄稿】現政府の退陣という極限値を想定してみると

イジンギョン(教授)/チャムセサン08年6月16日付

 テーマはすでに牛肉問題を越えて全ての政策に、結局現政府の進退問題全体にまで拡大している。事態の深刻性は、支配層内部の分裂を表面化させている。雇用も成長も失敗しており、米国発の経済危機にさらされている。企業利益と一部富裕層の利権のために提案されたイミョンバク政府の全政策は、大衆の全般的な抵抗に直面し漂流している。
 (政権として)ここで大衆の拡大を阻止する方法は2つ。一つは恐怖で個別化させることだ。しかし今やそれは不可能。大衆は恐怖を忘れて久しい。「私が主導者だ。私を逮捕せよ」と各自が立ちあがっている。権力は恐怖の対象ではなく軽蔑と嘲笑の対象になっている。警察の暴力は、無数のカメラとインターネットで無力化している。軍隊が発砲したとしても、今は火に油を注ぐことにしかならない。
 もう一つは、大衆の不満をなだめる電撃的な打開策を提示することだ。しかし今そうした戦略的考慮も思考も現政府にはない。彼らはバリケードを築いて、大衆が自ら疲れるのを待っているのではないか。
 しかしこれも不可能、だとはいえないだろう。今の状態は力関係が均衡した「緊張した小康状態」に見える。警察は警察と大衆の接触自体を避け、大衆も警察車両やコンテナバリケードの上で「解放区」を形成し、祭り的な性格の集会やデモをくりかえしているが、それ以上に進む道を見いだせていない。今のような状態がいつまでも続くことはあり得ない。だからこれは一つの「戦略」たりえる。
 だがそうした「一般的結果」を期待するなら、今の大衆の流れを過小評価しすぎている。大衆の闘いのテーマは次第に拡大しており、上げ下げはあるものの全体的に上昇過程にある。大々的に集会に参加した経験は、新たな参加や反復的な参加を容易にしている(いつでも最初が一番困難)。熱心に参加する人びとの求心力が強く維持されており、大衆の流れが自然に疲弊し解消するのは容易ではなかろう。
 したがって、極限を想定し、その極限を通して現在と未来を想像してみることが、奇異な小康状態からの出口を見いだすために有用ではないか。
 大衆運動の自動的解消と反対方向にある極限値は、政府が「降伏」宣言を行うことだ。たとえば国民投票で退陣の道を歩むなど。もし現政府が国民投票を受け入れて、その後選挙になったらどうなるか。大衆の勝利を意味するか。むしろ歴史が再びくりかえされるのではないか。
 現在の状況を牽引し結果を権力へと変換させる組織はもとより、大衆運動の方向を牽引する「指導部」すらない状況。かといって大衆的「候補」もいない状況。その中での選挙の結果を予測するのは簡単だ。かつてのノテウのように、パククネ〔※〕が次期政府を構成するというのが最も容易に想像できる結果だ。〔※朴正煕の娘。同じ保守ハンナラ党でありながらイミョンバクと対立。国民の人気が高い〕
 大衆は流れであり、流れは氾濫して過ぎ去るが、それ自体としてはいかなる安定的な体制もつくらない。大衆の流れを安定的な体制へと形づくることができなければ、流れの過ぎ去ったあとには、ゴミのように残ったものがその場を埋める。
 68年5月革命がそうだった。大衆の巨大な高波によってドゴール政府は根本的危機に直面したが、その流れは、権力を掌握して新たな体制を樹立するいかなる物的構成体も形成しえず、その中でドゴールは選挙を通してあらためて政権を握ることに成功した。それを体験し、それを理論化しようとした人の言葉:「分子的な脱走と運動は、物的な組織にたち帰らなければ、性、階級、党の二項的な分布へ、その成分へとたち帰らなければ、なにものでもなかったのだ」。(トゥレーズ/カタリ、『千の高原』)
 6月抗争もそうだった。6月29日、チョンドゥファン政府は全面的な降伏を宣言したが、その後に行われた選挙で勝利したのはノテウ〔当時与党・民政党代表〕だった。大衆運動と選挙は非常に異なる原理と方式で動くからだ。それが68年革命と6月抗争の教訓だ。
 そうであるなら、「指導部」はともかくとしても、最低限「イミョンバク以後」に耐えられる、緩やかだが広範な協議的組織がつくられるべきではないか。進歩陣営の様々な組織と政党が「連席会議」の形ででも集まり、そこでイミョンバク以後の選挙で保守派と対決する候補を、大衆的な支持を確認する形で選抜する準備をすべきではないか。それは、まだ近づいてもいない「選挙」の問題を検討する組織ではなく、現在の状況の中で大衆運動が確認し確保すべき課題を政治的な議題として提起し、それを明確にする組織でなければならない。


今こそ「運動陣営」は100万ろうそくに応えるべき
【寄稿】国民の圧倒的多数と運動陣営の思いがこれほど一つだったことはあったか(要旨抜粋)

イムスンス(民主労働党)
チャムセサン08年6月15日付

 6月10日夜に全国的に燃えあがった100万個のろうそくは、世界史上例を見ない感激的な場面だった。特に光化門では、子供と一緒に、恋人と一緒に、友達と一緒に出てきたろうそくの行列が果てしなく続いた。大統領選と総選挙の相次ぐ惨敗で失意に陥っていた運動陣営をあざ笑うかのように、国民は自らの階級的正体を現したイミョンバク政府に、就任100日目に100万ろうそくの怒りを贈った。
 慌てたイミョンバク政権は、不純勢力だ、背後勢力だと言って、国家機構を総動員して小中高の生徒のメールまで盗み見、授業中の生徒を引きずり出し、脅しつけることまでした。5月17日に、団体で登校拒否をしようというメールを友達数人に送った浪人生1人を検挙した。実際、残念ながら背後はいなかった。全てのネット利用者が、国民が、「ろうそくの背後は私だ」と名乗り出、「イミョンバク退陣」を叫ぶとき、運動陣営はその「背後勢力」のしっぽについて出てきたのだ。
 こういう状況だから、イミョンバク政府がろうそく隊列を運動陣営と非運動陣営に、暴力と非暴力とに分裂させようとしても効き目はない。はじめから運動陣営の統制外にあったろうそくは、政権にとっては見慣れぬものだった。光化門の路上で夜を明かすのは基本であり、携帯、インターネット、無線通信、デジカメ、ビデオを総動員した立体的情報戦により、通常「運動陣営」に対するように盾と棍棒を使用した警察は、世論の集中攻撃を受けた。こうした「非暴力直接行動」の前にイミョンバク政府が慌てふためく中、ついに6月10日、ろうそくは100万になった。
 今やボールはイミョンバク政権の側に投げられた。だが米国上院の意に逆らえないイミョンバクに再交渉は不可能だ。その場合、「非暴力直接行動」を掲げた100万のろうそくは重大な岐路に立つ。実際、6月10日の100万の海を通して、「非暴力直接行動」で行いうるほぼ全てのことをやってしまったからだ。かといって近いうちに総選挙や大統領選があるわけでもない。6月11日未明にコンテナ前でくりひろげられた「発泡スチロール論争」〔※〕はまさにこうした状況を示した。
〔※巨大な発表スチロールで階段をつくったことによりコンテナを乗り越えられる状況になったなか、その先どうするかをめぐって行われた論争〕
今や100万ろうそくは、イミョンバク政権だけでなく運動陣営にも答えを求めている。ろうそくを握った国民は、もはや反動メディアが押しつけるイメージで運動陣営を見てはいない。今ろうそく集会で発言権を得ている唯一の政治家は、運動陣営のカンギガプ議員〔民主労働党〕だけだ。なぜ彼が国民の支持を得ているのか考えるべきだ。運動陣営全てがカンギガプになれば、世の中は変えられる。


【社説】注目される「ろうそくの進化」

ハンギョレ08年6月15日付(要旨抜粋)

 ろうそく集会が新たな姿で進化している。ソウル市庁前で集会を開始した数万の市民は13日夜、ヨイドの韓国放送〔KBS〕前へ移動し、政府の言論掌握策動に抗議するデモを行った。米国産牛肉問題が核心だったろうそく集会のテーマが広がる様相だ。
 今ろうそく集会の現場とインターネットでは、今後の進路をめぐって熱い討論が繰り広げられている。核心テーマの一つは、牛肉問題以外に国民の声を無視して推進されたり、そのおそれが大きい政策にどう対応するかだ。言論掌握策動、教育の市場化、大運河、公企業・医療の民営化、水管理の私有化などだ。「BSE国民対策会議」がこうした議題を集会で取り上げるとしたのは、参加者らの意見を積極的に反映した側面が強い。
 言論掌握策動は国民をあざ笑う代表的な例だ。国民の熱望を込めたうつわであるろうそく集会は、政府がきちんとした姿勢を示すまで進化を続けるだろう。

 
左派が座派にならないためには
【論説】ろうそくはブラックホールだ

イドクチェ(論説委員)/チャムセサン08年6月19日1時10分付

 2ヶ月余りの間に米国産牛肉問題は、公営放送防衛、韓半島大運河反対、医療民営化反対、0時間目授業の自主化反対などへと進化している。ブラックホールのようにあらゆるテーマがろうそくの中に飲み込まれている。果たしてろうそくはブラックホールとなって青瓦台へと進撃するのか。
 現在ろうそくは非常に敏感な状況に置かれている。当初から市民の「原初的利己主義」に訴えたのがろうそくの運命であるため、その利己主義の高地を乗り越えるのは並大抵ではない。
 江南〔高級住宅街〕のおばさんがろうそく集会に参加したのは、結局自分の家族を人間BSEから守るということの発露だ。もし現在政府がそろばんをはじいている総合付加価値税の緩和政策が出されてきたら、江南のおばさんは再び江南に戻る公算が大きい。
 ろうそくは現在、複雑系そのものだ。階層、地域別に関係が絡み、混じり合っている。ろうそくを空中から見れば巨大な飴のように見えるが、その中にはそれぞれ異なる多くの分子が含まれている。であるならば、こうした人びと――分子間の非対称性をどう考えるべきか。
 エリアス・カネティは『群衆と権力』の中で、閉ざされた群衆が開かれた群衆へと進化成長するには「放電」が必要だと言う。一種の解放感を感じることが放電だ。カネティは、閉ざされた群衆が開かれた群衆へと進化することを「噴出」と呼ぶが、これは6・10で現れた。問題は、群衆が絶えず成長するには、欲求をどう放電させるかということだ。放電がなされなければ、コンテナが物語るように群衆はその中で自ら倒れてしまいかねない。
 米国産牛肉は自分の命に直結する問題だが、大運河問題は、すぐに死の恐怖につながる問題ではない。
ろうそくは現在、方向がない。ろうそくの「原初的利己主義」にもっと食いつかなければならない。こうした観点から見ると、なぜ「遺伝子操作トウモロコシ」が問題とされないのか。見慣れたものより見慣れぬものをまずテーマにすれば群衆は恐怖を感じ、その恐怖はすぐには解消しない。
国家と資本が労働者という観念を見慣れぬもとのしてイデオロギー的に操作してきたため、ろうそくは労働者という観念に対し見慣れぬ感情を持つ。巷では、一方ではろうそくの翼で、他方では民主労総の翼で両面作戦を辞さずとしているが、この作戦は、ろうそくの中に分け入り、ろうそくの中で展開する作業ではない。ろうそくの外部で行う作業は、ろうそくの成長進化と何の関連もない。ろうそくはろうそくとして成長進化しなくてはならない。ろうそくの起源である「原初的な利己主義」に訴え、その訴えでろうそくの火種を長期的に育ててゆき、ろうそくの中でろうそくの未来を考えるべきだ。
左派が座派になってしまわないためには、ろうそくの芯からろうそくの方向を考えなければならない。それ以外は外部なりにやるべきことをやるべきだ。ろうそくをたいまつにするのが優先だ。
 これら双方の融合は、人為的にろうそくの情勢に介入して成されるのではない。双方の相乗効果または偶発性で促進されるのだ。ろうそくはいま臨界点に達している。


運動陣営と左派知識人の話に魅力はない
【寄稿】ろうそく集会で「ガバナンス」を見る

チェジヌォン/チャムセサン08年6月19日14時35分付

 「大統領退陣を叫ぶ政治デモを『直接民主主義』だと我田引水で評するのは知識人の観念のたわごとであり、この機会に現在の民主主義を越える、ある制度をつくるべきだという主張は、全ての政局に綱領をはめる運動陣営の悪いくせだ。一方、『制度政治が重要だ。進歩政党が必要だ』という主張の単純な繰り返しは、具体的情勢と現実の主体を埋没させた一般論に過ぎない」(イジェヨン「【チェチャンジプ批判】進歩政党が街頭に残らなければならない5つの理由」)
 上のチェジャンジプ批判の文章を逆に解釈すると、最近の運動陣営と左派知識人の苦悩をかいま見ることができる。ろうそくデモ以後の政局と役割について最近の運動陣営と左派知識人は本性上、「左派は座派に終わってはならない」「政党政治を強化すべき」「政権退陣へと進むべき」「主体の再形成だ」などの論理を展開しているようだ。
 筆者はろうそくデモに3回参加した。ろうそくデモの意味はいくつも解釈できるだろうが、筆者が重要だと思うのは、ろうそく集会の過程で自然に開かれて形成された市民の「自由発言台運営」に関する部分で、筆者はこれを、疎通と表現される代案権力の萌芽(すなわち疎通権力)だと見たい。
 ろうそくデモ以降、何をすべきか。左派であれ右派であれ、運動陣営であれ政府であれ政党であれ、民主労総であれ市民団体であれ、何を考えるべきか。筆者は、ガバナンスを考えるべきだと思う。自らの独占的な権限と権威を多様な行為者に委任し分散させることにより、多様な行為者を参加させるべきだ。こうした面で、BSE対策委が設けた市民討論会は意味がある。ここから今後の展望が出てくる。先験的かつ閉鎖的な運動陣営と左派知識人だけの話はもう魅力はない。
 特に政党のガバナンスを考えるべきだ。権威と権限を独占的に行使してきた既成政党の在り方から脱却し、意思決定と候補者選出方式を、党員ではなく一般市民に開放することだ。こうした面で、チェジャンジプが強調する「強い政党」または「政党政治の強化」というスローガンは、「政党ガバナンス」という概念に反するという点で時代錯誤だ。