鄭州鉄道日記

河南省鄭州市で働いています。中国鉄道交通の要衝であるこの街から、中国の鉄道の情報を発信していければと思います。

国航A330ファーストクラスに乗ってみた

2011年04月12日 17時40分00秒 | 飛行機
今回、鄭州から広州へ行くにあたって北京廻りにしたのは、別にスターアライアンスゴールドメンバー昇格のためにできるだけ飛行機に乗る必要があるからというだけではない。
最大の目的は前から気になっていた中国国際航空A330型機のファーストクラスに乗ってみることであった。そのために燃料サーチャージ込み2690元の巨費が投じられたのである。


とにかく中国の飛行機とりわけ国内線は、鉄道に負けず劣らず情報が少ない。国際線を含めても出てくるのは、やれ機内食がまずいだの、ビジネスクラスシートがしょぼいだの、シートテレビが無いだのといったものばかりだ。

まあサービスの悪さは事実であるが、機材に関しては日本における中国航空情報の大半を占める日中間国際線だと、そもそも国内線使用のナローボディ機が多いわけで、国際線使用のワイドボディ機と比較するのは酷というものだろう。
日本の航空会社にしても、中国線は東京上海、東京北京、関空上海あたりを除けば国内線使用のナローボディ機(B737やA320)が多いから、シートテレビが無いなどの条件はほとんど同じだ。

かと言って、中国の航空会社の長距離国際線や国内幹線用のワイドボディ機がよかったかと言うとそうではなかったわけだが、最近はようやく進歩がみられるようになってきている。中国国際航空で言えばA330で初めてシェル型のライフラットシートが導入されたわけだ。今回はそれに乗ることになる。


8:40、北京西駅からの空港バスで北京国際空港第3ターミナルに到着した。
今日はファーストクラスだからラウンジが使えるわけで、さっさと搭乗手続きを済ませて向かいことにする。ためしに中国国内線で初めて自動チェックイン機を使ってみたが、さすがに国航のチェックイン機だとANAのマイル登録まで可能だった。ちなみに鄭州空港の自動チェックイン機なんてマイル以前に外国パスポートに対応していない。
ただ自動チェックイン機だとファーストクラスでも発券される搭乗券は別に金色になっているわけではなかった。



ブッキングクラスが「P」であることからわかると思うが、これは割引運賃である。
中国国内線ファーストクラス正規運賃は、以前は一律でエコノミー正規運賃の1.5倍だったのだが、昨年6月に優等クラスの「市場調整価格」導入に伴い、路線や運行会社によって料金がバラバラになった。概ね北京、上海、広州を発着する便はどれも値段が上がっており、北京~広州の場合はエコノミー正規の2倍超が普通だ。
今回は35%の割引運賃であるが、それでもこの2550元(+空港建設費・燃料サーチャージ計140元)というのは市場調整価格導入前の正規運賃と同額である。ただすごい安い時はこの区間でもエコノミー正規運賃と同額のものが出回ることもあるようだ。以前Ctripで見たことがある。
なお印象としては、国航より他の会社の方が安い優等クラス割引運賃がよく出ている気がする。

搭乗手続きを完了し、セキュリティーチェックを抜けて国航のファーストクラスラウンジへ入った。ラウンジを利用するのは初めてだ。



飲み物を飲みつつパソコンでインターネットとK180次の乗車記を書いて過ごした。


10:30、搭乗口へ向かう。ファーストクラスだから優先搭乗できるわけだが、早くも10:22に搭乗開始されていたようで、搭乗口にはもう列は無かった。ナローボディ機だとエコノミーでもファーストでも一番前の扉から乗るため、優先搭乗でファーストクラスに乗るといい晒し物だが、ワイドボディ機だとエコノミーとファーストで分けられていた。



今回乗るのはA330-300型機になる。中国国際航空が保有するA330の中でも最新鋭の機材で、プレミアムエコノミーも設定されている。昨年春から導入が開始されており、現在は国内幹線(北京~上海・広州・深センが多い)で使用されている。
国航が保有するA330は3種類あるが、後の2種類はA330-200で、そのうちの1タイプはエコノミークラスにも全席シートテレビが装着されている。これは欧米長距離線を中心に運行されているそうだ。



機内に入ると36席のファーストクラスシートが2・2・2の配列で並んでいる。乗客は10名ほどだった。
シートの操作は当然ながら電動で、肘掛の先端に「着陸態勢」「食事」「睡眠」などの主なパターンのボタンが設置されている。ただ一押しで変わっていくわけでなく、ずっと押し続けねばならないのが難点だろうか。テーブル収納部分のふたを開けると、シートの各部分の調整ボタンが設置されていた。



座席の下には電源コンセントが設置。これはプレミアムエコノミーにもある。

自分が最後の方だったようで、10:50には早くもドアクローズとなった。ここで機内食のメニューが配られた。日系の会社だとかつてはエコノミーでも配っていたものだが、最近は経費削減で全く見なくなった。なので機内食メニューは久しぶりだ。



春季メニュー(3~5月)は牛肉料理が固定で、あとは月替わりで鶏肉と魚の3択となっている。鶏肉を選択した。照り焼きチキンだ。飲み物は昼から酒を飲む気はしない、というか夜は焼肉屋で飲むので大人しくプーアル茶にした。

その後はターミナル目の前の滑走路から離陸。ここのところ乗る飛行機がことごとく遅れていたのに比べると、特によく遅れる北京空港でありながらとてもスムーズだ。西に大きく旋回し、保定あたりからまっすぐ南下して行った。



シートテレビだが、言語選択は中国語、英語に加えてフランス語となっている。エアバスだからだろうか。映画、音楽、ゲーム、航路図などがあるが、やはり中国らしくソフトがハードに追いついていない印象はぬぐいきれない。基本的には航路図を見て過ごした。




水平飛行に入ってから昼食サービスが始まった。まずは飲み物に続き冷菜とサラダ、スープ、パンが出てきた。パンは選べて食べ放題です。



ちなみに飛行機でスープを飲むのは13年前ロンドン行き日航機がオーバーブッキングでビジネスクラスになって以来だ。
あの時は弟と違う物を頼んだにもかかわらず、同じものが出てきたので指摘したら、客室乗務員に
これはオードブルでございます。
と言われてしまった。あれは今までの人生で一二を争う恥ずかしい思い出だ。

続いてスープに変わりメインが登場。注文後、中国で日本風の味付け(照り焼き)はまずかったかと思ったが、普通においしく安心した。



食後はコーヒーを飲んだが、国航は
いつになったらネスカフェ・ゴールドブレンドを卒業できるのだろうか?

よくメニュー表にゴールドブレンドと書けるよな。ミルクは便によって液体の場合と珈琲伴侶の場合があるが、今回は液体だった。ふだんコーヒーはブラックで飲むものの、ゴールドブレンドをそうする気にはならずミルクを入れたのだった。

その後は小説を読んだり、この搭乗記を考えたりして過ごした。途中で鄭州の東方を通過。とにかく南下し続ける。



しかしシートを試しにフラットにしてみたが、シートそのものが平でも、あくまでライフラットで傾きがある分やはり違和感がある。最近はビジネスクラスでもフルフラットが普通になってきているようだから、その辺の変化も期待したいものだ。



着陸約20分前に機内放送で降下開始を知らせてきたが、
ただ今の広州の気温は29度
と言われげんなりする。Tシャツは半袖にしてきたが、薄手とはいえコートは持っているだけで暑苦しいぞ。

そして南側へ回り込むこともなく、北側からまっすぐ広州白雲空港の滑走路に着陸。定刻通り到着した。搭乗ゲート内の蒸し暑い空気とエアコンの空気の混ざり具合が南国っぽくていいですな。

その後は地下鉄の機場南駅に直行し、3号線電車で広州東駅の定宿にしているホテルへ向かったのだった。(夜は焼肉chachaを訪問)




つづく


※A330ファーストクラスは国際線ではビジネスクラスとして運用されている。

※現在はA330以外にも、B747とA340が機内改装の上でほぼ同タイプのビジネスクラスシートを導入しているらしい。(B747とA340は3クラス制なので国内線でもビジネス。)そちらの情報に関してはこちらを参照。



ブログランキングのクリックよろしくお願いします。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿