そろそろ林檎さん誕生日だし、ライブもそろそろだし。ってわけではない。
このタイミングは偶然。
全曲レビュー。
椎名林檎を薦めるっていう意味合いではなく、読んで「あー、そうだよねえ」と思いながら見てくれると嬉しいです。
褒めるばっかりも気持ち悪いので、健全なファンとして文句言うところは言おうと思います。
●幸福論(98.5.27)

①幸福論
デビュー曲。
十代(!!)の新人歌手、椎名林檎の「フレッシュさ」、「可愛らしさ」を前面に出したアレンジ。
万人受けのアレンジをされたこの曲には、後にJPOP界を席巻する「椎名林檎」たる在り方や方向性を見ることはほとんどできない。
この曲、実はサビの音程が難しいんだよね。カラオケではみんな大抵外してる。
作曲能力と歌唱力の素晴らしさを密かに発揮した曲だと思う。
②すべりだい
ニコニコ可愛い「幸福論」のカップリングに「すべりだい」を持ってくるところが椎名林檎のセンスであり、戦略。
まあ本人的には「すべりだい」を表題作にしたかったらしいけど。
ベースとエレピの変わったメロディから始まるイントロは、この後にどんなメロディが展開していくのかを全然予想させない。
だから聴いててゾクゾクしたのを覚えてる。
そしてこの曲のギターソロ。これはいかにも椎名林檎的。
ニコニコ「幸福論」の裏側に自己主張の「すべりだい」。
●歌舞伎町の女王(98.9.9)

①歌舞伎町の女王
「新宿系」の看板も手伝って、おそらく椎名林檎の曲で最も有名な曲のひとつがこの「歌舞伎町の女王」。
でもこの曲は椎名林檎のなかでもかなり特殊。
歌詞が物語調で、メロディはこってりした歌謡曲調。
まあこの世界観によって表現しようとしたテーマは、今も一貫してるよね。
②アンコンディショナル・ラブ
シンディ・ローパーのカバー。
原曲はいかにも80年代なポップソングだけど、このカバーはストリングスの美しい、静寂なアレンジに仕上がっている。
そして「歌舞伎町の女王」のカップリングということもあり、歌詞に本来は無いおどろおどろしさを感じる。
きちんと椎名林檎の曲になっている。
英語が下手なのがもったいない。
③実録 -新宿にて- 丸の内サディスティック~歌舞伎町の女王
こんな路上ライブがあったら、たとえ椎名林檎を知らなかったとしても、聴き入って2000円払うね。
●ここでキスして。(99.1.20)

①ここでキスして。
福岡のバンド時代からあった曲。
この曲は売れないはずがなかっただろう。
女子高生の健気なラブソングの皮をかぶっているけど、「あたしの思想を見抜いて」ってのはなんとも椎名林檎的。
②眩暈
隠れ名曲。もはや隠れてないけど。
椎名林檎の非凡さを煮詰めたらこうなりましたって感じの曲だね、これは。
サビの重ね録りされたボーカルが幻想的でグッド。
③リモートコントローラー
イントロのハープシコードが印象的な聖飢魔Ⅱ的ノリ。
その実は「コンポのリモコンがねーよ」っていうだけの曲。
●無罪モラトリアム(99.2.24)

①正しい街
イントロのドラムがあまりに印象的で今でも鳥肌が立つ。
この曲は1曲目しかあり得ない。
「正しい街」とは即ち椎名林檎の出身地福岡のこと。
要は上京ソングですね。
②歌舞伎町の女王
③幸福論(悦楽編)
可愛らしいデビュー曲はこのアルバムで破壊されてしまう。
この自己否定によって椎名林檎の方向性は完全に固まった。
悦楽編のメロディに乗ると、歌詞の意味も変わって聞こえる。
あまのじゃくな印象になる。
しかしまあ、歌は崩さずにきちっと歌うあたり自覚的な自演家。
本当は真面目で礼儀正しいってのがこのあたりから分かる。
④茜さす 帰路照らされど…
16、7の時に作った曲。
ストリングスとピアノの美しさが土台にあり、乱暴なアコギと自由なベースが生きている。
⑤シドと白昼夢
特にベースのフレーズがかっこいい。
よって俺はベースを買った直後、この曲を練習しまくった。
カラオケで誰かがこの曲歌うと、このベースを口ずさみウザがられる。
あとね、えーと、シドとか歌詞に出てくるジャニスとか、要らない。
歌詞に実在の人名入れるのってイタいよ。
⑥積木遊び
アルバムのお遊び的位置の曲。
「勝訴ストリップ」で言えば「ストイシズム」的位置。まあもうちょっとまじめにやってるけど。
これもイントロのベースがかっこいい。
実際弾こうとすると、半拍子(って言うのか?)の部分があったりでとても難しかった。
ライブではサビの部分で振りがつく。
お遊びっぽいのにかっこいい。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
そんな感じの曲。
⑦ここでキスして。
⑧同じ夜
うーん。個人的には惜しいと感じる曲。
楽器がイントロのバイオリンと、アコギだけっていうシンプルな構成なだけに、歌詞の背伸び感が浮き出ちゃってる。
歌詞中の「自己実現」とか「根源」とかの単語がメロディーにスーッと溶けていかないで、そのまま頭の中に引っかかる感じがする。
でも歌詞が歌っている内容は涙するに十分。
心を打つ曲であることには間違いない。
⑨警告
これぞロック・バンドって感じのサウンド。
曲の最後の息を吸う音がアルバム全体にメリハリをつけてる。
⑪モルヒネ
名曲が詰まったこの怒涛のようなアルバムは、「モルヒネ」という不穏な題のほのぼのソングで静かに幕を閉じる。
●本能(99.10.27)

①本能
これは流れ的に「勝訴ストリップ」のとこで書こうと思う。
とりあえず、曲がウケたのか。看護婦がウケたのか。
誤ったイメージの流布。
村上春樹でいえば「ノルウェイの森」ベストセラーの不幸。
②あおぞら
「本能」の後に「あおぞら」。
これは「幸福論」でも使われたギャップ戦略。
とても歌詞、メロディ共に可愛い曲。
個人的にはワワワワンっていうギター(何奏法って言うんだっけ?)は邪魔。
このワワワワンには「椎名林檎は一筋縄ではいかないぜ」っていうメッセージを感じるわけだけど、他にやり方があったのでは?
この可愛い曲も、後のライブで「悦楽編」として破壊されてしまう。
③輪廻ハイライト
20歳そこそこの子がジャズを歌って様になるんだからすさまじい才能だ。
歌詞カードの「空耳歌詞」の発想も面白い。
「カクテル・バー」のCMに使われてたなー。
●幸福論(マキシ・シングル)

①幸福論
「本能」に便乗して、マキシにしてみたら売れた「幸福論」。
うーん。売れる売れないってそういうことだよなあ。
②すべりだい
③時が暴走する
17頃の曲。
割れたピアノの音が不穏。
---------------
最近納得できないこと。
新垣結衣もでかい。
このタイミングは偶然。
全曲レビュー。
椎名林檎を薦めるっていう意味合いではなく、読んで「あー、そうだよねえ」と思いながら見てくれると嬉しいです。
褒めるばっかりも気持ち悪いので、健全なファンとして文句言うところは言おうと思います。
●幸福論(98.5.27)

①幸福論
デビュー曲。
十代(!!)の新人歌手、椎名林檎の「フレッシュさ」、「可愛らしさ」を前面に出したアレンジ。
万人受けのアレンジをされたこの曲には、後にJPOP界を席巻する「椎名林檎」たる在り方や方向性を見ることはほとんどできない。
この曲、実はサビの音程が難しいんだよね。カラオケではみんな大抵外してる。
作曲能力と歌唱力の素晴らしさを密かに発揮した曲だと思う。
②すべりだい
ニコニコ可愛い「幸福論」のカップリングに「すべりだい」を持ってくるところが椎名林檎のセンスであり、戦略。
まあ本人的には「すべりだい」を表題作にしたかったらしいけど。
ベースとエレピの変わったメロディから始まるイントロは、この後にどんなメロディが展開していくのかを全然予想させない。
だから聴いててゾクゾクしたのを覚えてる。
そしてこの曲のギターソロ。これはいかにも椎名林檎的。
ニコニコ「幸福論」の裏側に自己主張の「すべりだい」。
●歌舞伎町の女王(98.9.9)

①歌舞伎町の女王
「新宿系」の看板も手伝って、おそらく椎名林檎の曲で最も有名な曲のひとつがこの「歌舞伎町の女王」。
でもこの曲は椎名林檎のなかでもかなり特殊。
歌詞が物語調で、メロディはこってりした歌謡曲調。
まあこの世界観によって表現しようとしたテーマは、今も一貫してるよね。
②アンコンディショナル・ラブ
シンディ・ローパーのカバー。
原曲はいかにも80年代なポップソングだけど、このカバーはストリングスの美しい、静寂なアレンジに仕上がっている。
そして「歌舞伎町の女王」のカップリングということもあり、歌詞に本来は無いおどろおどろしさを感じる。
きちんと椎名林檎の曲になっている。
英語が下手なのがもったいない。
③実録 -新宿にて- 丸の内サディスティック~歌舞伎町の女王
こんな路上ライブがあったら、たとえ椎名林檎を知らなかったとしても、聴き入って2000円払うね。
●ここでキスして。(99.1.20)

①ここでキスして。
福岡のバンド時代からあった曲。
この曲は売れないはずがなかっただろう。
女子高生の健気なラブソングの皮をかぶっているけど、「あたしの思想を見抜いて」ってのはなんとも椎名林檎的。
②眩暈
隠れ名曲。もはや隠れてないけど。
椎名林檎の非凡さを煮詰めたらこうなりましたって感じの曲だね、これは。
サビの重ね録りされたボーカルが幻想的でグッド。
③リモートコントローラー
イントロのハープシコードが印象的な聖飢魔Ⅱ的ノリ。
その実は「コンポのリモコンがねーよ」っていうだけの曲。
●無罪モラトリアム(99.2.24)

①正しい街
イントロのドラムがあまりに印象的で今でも鳥肌が立つ。
この曲は1曲目しかあり得ない。
「正しい街」とは即ち椎名林檎の出身地福岡のこと。
要は上京ソングですね。
②歌舞伎町の女王
③幸福論(悦楽編)
可愛らしいデビュー曲はこのアルバムで破壊されてしまう。
この自己否定によって椎名林檎の方向性は完全に固まった。
悦楽編のメロディに乗ると、歌詞の意味も変わって聞こえる。
あまのじゃくな印象になる。
しかしまあ、歌は崩さずにきちっと歌うあたり自覚的な自演家。
本当は真面目で礼儀正しいってのがこのあたりから分かる。
④茜さす 帰路照らされど…
16、7の時に作った曲。
ストリングスとピアノの美しさが土台にあり、乱暴なアコギと自由なベースが生きている。
⑤シドと白昼夢
特にベースのフレーズがかっこいい。
よって俺はベースを買った直後、この曲を練習しまくった。
カラオケで誰かがこの曲歌うと、このベースを口ずさみウザがられる。
あとね、えーと、シドとか歌詞に出てくるジャニスとか、要らない。
歌詞に実在の人名入れるのってイタいよ。
⑥積木遊び
アルバムのお遊び的位置の曲。
「勝訴ストリップ」で言えば「ストイシズム」的位置。まあもうちょっとまじめにやってるけど。
これもイントロのベースがかっこいい。
実際弾こうとすると、半拍子(って言うのか?)の部分があったりでとても難しかった。
ライブではサビの部分で振りがつく。
お遊びっぽいのにかっこいい。
蝶のように舞い、蜂のように刺す。
そんな感じの曲。
⑦ここでキスして。
⑧同じ夜
うーん。個人的には惜しいと感じる曲。
楽器がイントロのバイオリンと、アコギだけっていうシンプルな構成なだけに、歌詞の背伸び感が浮き出ちゃってる。
歌詞中の「自己実現」とか「根源」とかの単語がメロディーにスーッと溶けていかないで、そのまま頭の中に引っかかる感じがする。
でも歌詞が歌っている内容は涙するに十分。
心を打つ曲であることには間違いない。
⑨警告
これぞロック・バンドって感じのサウンド。
曲の最後の息を吸う音がアルバム全体にメリハリをつけてる。
⑪モルヒネ
名曲が詰まったこの怒涛のようなアルバムは、「モルヒネ」という不穏な題のほのぼのソングで静かに幕を閉じる。
●本能(99.10.27)

①本能
これは流れ的に「勝訴ストリップ」のとこで書こうと思う。
とりあえず、曲がウケたのか。看護婦がウケたのか。
誤ったイメージの流布。
村上春樹でいえば「ノルウェイの森」ベストセラーの不幸。
②あおぞら
「本能」の後に「あおぞら」。
これは「幸福論」でも使われたギャップ戦略。
とても歌詞、メロディ共に可愛い曲。
個人的にはワワワワンっていうギター(何奏法って言うんだっけ?)は邪魔。
このワワワワンには「椎名林檎は一筋縄ではいかないぜ」っていうメッセージを感じるわけだけど、他にやり方があったのでは?
この可愛い曲も、後のライブで「悦楽編」として破壊されてしまう。
③輪廻ハイライト
20歳そこそこの子がジャズを歌って様になるんだからすさまじい才能だ。
歌詞カードの「空耳歌詞」の発想も面白い。
「カクテル・バー」のCMに使われてたなー。
●幸福論(マキシ・シングル)

①幸福論
「本能」に便乗して、マキシにしてみたら売れた「幸福論」。
うーん。売れる売れないってそういうことだよなあ。
②すべりだい
③時が暴走する
17頃の曲。
割れたピアノの音が不穏。
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最近納得できないこと。
新垣結衣もでかい。