douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

大阪・アート・カレイドスコープ2008 その2

2008-04-01 | 美術
船場エリアでは、作品の展示場所が近代建築。
近代建築好きとしては心ときめく。

船場ビルディングはあったのは、
屋上テラスに丸くカットされた鏡がいくつも置かれた行武治美の作品。
鏡の上を歩けます、というので歩いてみた。
晴れていたらもっと良かったかもな。
この船場ビルディングは中庭があるちょっと変わった作りで、
素敵にレトロだった。

他にも芝川ビルや伏見ビルも良い感じに古びていて、
見ていて楽しかった。
綿業会館の柵に取り付けられた大坪麻衣子の「記憶の連鎖」という銅版画は、
細い線が「記憶」のように儚げで良かった。

今回、全部の会場を回ってみて、歩き過ぎてすっかり疲れたんだけど、
作品を展示するということはなかなか難しいものなのだな、というのが感想。
「作品」として見るにはやはりホワイトキューブの方が見応えがある気がする。
特異な場所に展示すると、建物とか場所に力があるので、作品がかすみがち。
あえて、場所に作品を溶け込ませているものもあるのかもしれないけれど、
やっぱりその「場所」である必然性を示すためにも
もうちょっと作品に力があった方が良い気がする。

ただ、結果的に私はかなり大阪の歴史に思いを馳せたので、
イベントのコンセプトにはちゃんと合っていたのかも知れない。

大阪・アート・カレイドスコープ2008

2008-04-01 | 美術
3月1日から20日までの間、大阪市内で行われてたアートイベント。
古代から現代まで大阪に刻まれてきた歴史に現代のアーティストが
思いを馳せて作品を作っている。
大阪の市内各所に作品があり、ウォークラリーのごとく歩き回った。

まずは主催でもある大阪府立現代美術センターへ。
ここには三島喜美代と土屋公雄の作品。
三島喜美代の「work 08-k」は展示室を新聞紙の山で迷路のようにしているインスタレーション。
本物の新聞紙かと思ったら、すべて作り物。
どうせなら本物を集めれば良いのにな、と思った。
古い新聞の匂いとか圧迫感とか、多分本物の方が面白い気がする。
以前、川俣正が新聞紙を集めるアートプロジェクトを水戸でやっていたのを思い出した。
土屋公雄の「時の集積」は展示室に多くの時計を吊るしたもの。
無数の時計が刻む秒針の音が、不思議なリズムで心地良い。

歩いて難波宮跡史跡公園へ。
ここで印象に残ったのは平丸陽子の「view」。
藤棚に色とりどりの布がつり下げられていて綺麗だった。
布に取り付けられた鈴が風に揺られて鳴る。
横では少年たちが野球の練習をしているのに、どこか現実を忘れさせてくれる風景。

谷町エリアから船場エリアに移動する前に、
大阪歴史博物館に立ち寄った。
今回のテーマの一つの「大大阪」が何か全然知らなくて、
はっきり言って、初めて聞いた言葉だったため、
ちょっと勉強しよう、と思ったので。
なるほどねー。
子どもたちに混ざって、大阪の歴史を知った。
恥ずかしながら、全然知らない事ばかりだった。

地下鉄で船場へ。