douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

犬神家の一族

2005-12-23 | 映画
犬神家の一族  市川崑監督 1976 日本

犬神家で次々と起こる猟奇的な殺人事件を
探偵金田一耕助が解決する。
横溝正史の小説の映画化。

相変わらず、目の前でいいだけ殺されてから解決する金田一耕助。
湖から足が突き出ているスケキヨのシーンはあまりにも有名。
特に映画として可もなく不可もなくといった感じ。
時代的背景のせいか、良くわからないところも少々。

アカルイミライ

2005-12-18 | 映画
アカルイミライ  黒沢清監督 2002 日本

やるせない人たちのやりきれない現実のタイトルが「アカルイミライ」。
これはアイロニー?それとも希望?
わからないのだけれども、胸の奥にちりちりと焦げ付くような痛みがある。
スクリーンで見れば良かった。
そうすれば、もう少し痛みや不安の原因が分かったかもしれない。

夢の中にしか未来を見ない青年。
未来はただの現実の積み重ねでしかないと知っている男。
未来も現実も過去でさえも何も変わらない高校生。

クラゲが海をめざしたように、人もどこかをめざしているだろうか。

もの派ー再考@国立国際美術館

2005-12-11 | 美術
もの派ー再考  国立国際美術館

「もの派」。
聞いた事はあるのだけれど、
具体的にはどんな作品なのか、どんな人たちがやっていたのか、知らなかった。
ただ、石とかがぽんと置いてあるだけ、みたいなイメージがあって、
あまりそういうのは好きではなかったので、行く気はあまりなかった。
ただ、絶対に行くべき、と人から勧められたので、
なんだか、勢いに押されて、じゃあ今から行ってきます、と
閉館1時間前に美術館に入った。

パンフレットにはもの派とは「<もの>を素材そのままに、
単体であるいは組み合わせることによって
作品としていた一群の作家たち」とある。
もの派の発生そしてその発展を時代の動きなどの説明も混ぜつつの展示。

やはり、素材をそのまま、という形の作品が多かった。
大きな炭が、ぽん、と置かれていたり、
割れたガラスの上に大きな石が載っていたり(石によってガラスが割られた)
角材が何本も壁に立て掛けてあったり、
油粘土の固まりがあったり、といった感じ。

基本的に私の作品の好き嫌いの基準は色形が美しいかどうか、なので
その基準からいくと、これらを美しいとは思わない。
美術というものは美しいものを創りだす技術だと思っている。
ただ、その美の技術、表現というものに新しい方法を探すとしたら、
それは「美をみつける」という事になるのかもしれない。
日常のありふれたものの中から、「美」をみつけだす技術。
色形の美しさといった表面的なものだけではなく、
「もの」が持つ力強さや、人間との関係性を含めた存在感を見抜く目、
それが「もの派」なのかな、という気がした。

余談。
2つ目か3つ目ぐらいの展示室に、
ひときわ存在感を主張する円筒型のコンクリートの塊があった。
その天井まで届くコンクリートの円柱の
タイトルプレートを思わず探してしまったのは私だけではないのでは。
なんとかならなかったのだろうか。