douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

三つの個展:伊藤存×今村源×須田悦弘

2006-08-26 | 美術
三つの個展:伊藤存×今村源×須田悦弘 @国際美術館

三人の現代作家の個展。
広いフロアを3つにわけての展示。

入ってすぐは今村源。
一見、よくある日用品に見えるのだけど、実は違う。
内側に取っ手と注ぎ口のついたポットとか、斜めになった椅子とか。
どれも使い込まれたように見えるだけに不思議な感覚。
パイプをつなげた作品は浮遊感があっておもしろい。

須田悦弘は精巧な植物の彫刻。
木製とは思えない程のリアルな花弁や蔓の様子にびっくりする。
床に埋め込まれたライトの横とか、細い通路の奥とか、
展示空間が凝っている。
メインの展示は地下3階だけど、地下2階にも作品があって、
その詳しい場所は明かされていない。
探して、ありゃこんなとこに、という意外さが良い。
作品自体もとても美しく、それだけでも成立するけれど、
そこに展示場所の意外性が加わって、とても面白い。

そして伊藤存。今回一番見たかった。
刺繍による作品。どれもなんだかすごく可愛い。
欲しくなる作品が多い。これ部屋に置きたいなーとか、
買うならあれかね、いやいやあっちも良いでしょ、とかそんな話が友人と弾む。
植物や動物のモチーフに刺繍という手段がなんだか暖かみを感じるし有機的。

美術館の展示というより、ギャラリーの展示のような雰囲気がある展覧会だった。
なんなら作品の横に赤いシールとか貼ってあってもおかしくないような。
作品リストを見ると、3人とも半分ぐらいは今年制作の新作。
随分と、短納期...いや、そんなもんなのだろうか。
伊藤存の作品は新作以外ほとんど売れていた。残念。
って、買えるような値段じゃないよなー、絶対。