douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

マリー・アントワネット

2007-03-15 | 映画
マリー・アントワネット ソフィア・コッポラ監督 アメリカ 2006

ガーリーでポップでキュートな雰囲気を楽しめる映画。
観終わった後にカラフルなマカロンが食べたくて仕方なかった。

王妃マリー・アントワネットがとにかく可愛らしくて。
キルスティン・ダンストってこんなに可愛かっただろうか。

内容とかはなんにもなくって、とにかく可愛いことが第一で。
ヴァージン・スーサイズでもそうだったけれども、
どんなに深い重いテーマがあろうと、
それをまったく感じさせず、「可愛い」の一言であらわしてしまう。
それがソフィア・コッポラの手腕かと思われます。

スライドショーのように次々と表れる、
色とりどりのインテリアやお菓子やドレスや靴。
可愛いものに囲まれて、でも全然気持ちは満たされない。
地位や財産に惹かれて周りに集まってくる人々。
連日のパーティやギャンブル。
退屈が怖くて、ただ目の前の不安から逃れるために遊び続ける。

なんかロックだ。素敵だ。

待っているのは破滅だとしても。

パフューム ~ある人殺しの物語~

2007-03-15 | 映画
パビューム ~ある人殺しの物語~ トム・ティクヴァ監督 ドイツ 2006

一言で言うとやりすぎ。
映像もストーリーも。原作は読んでないけれど。

えげつないCMに興味をひかれて観てみたものの、
途中で帰ろうかな、と思った。
そういう意味ではあのCMが効果的。
いやいや、一応最後のあのシーンを観よう、と思い直したからな。

香りという映像ではまったく表すことのできないものを
表現しようとした結果、こうなったのかもしれない、とは思う。
自分の体験以上のものを想像することは難しいし、
とくに香りなんて、想像できるものではない。
自分の体験から引き出して、あてはめてわかった気になるしかない。
悪臭や香水の香りは大体想像がつくが、
最後の匂いだけはまったく想像がつかない。
だから、ただただ無臭の映像がグロテスクに感じられた。

それに、天才であろうとなんであろうと、
登場人物のどこかに共感できるところとか憧れるところとかが
なくてはいけないと思う。ストーリーとして。
これはそういうのがまったくなくて。
官能的というには変態的すぎるし、
この主人公が何を考えてこんな残酷なことばかり
しているのかが、全然見えてこない。
ただただ、自分の欲求を満たすためだけに人殺しを繰り返し、
天才だ、と言われても、それはね、話としてどうだろう。
必ずしも共感は必要ないのだろうけど、
匂いも想像外、人間も想像外、となってしまったら、
何も残るものがなくなってしまう気がする。