douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

『モロッコ』

2006-11-14 | 映画
モロッコ ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督 アメリカ 1930

アフリカのモロッコ。
外人部隊の兵士とキャバレーの歌姫のラブストーリー。

ストーリー的にはなんだかつまらないかんじがするんだけど、
ディートリッヒの演じるこの歌姫がもう、素晴らしい。
とにかく神秘的なぐらい美しい。
ゲイリー・クーパーも良いんだけれども、
なんといってもディートリッヒ。凄い。
モノクロなのが、また美しいんだろうな。
とにかくディートリッヒに見蕩れた映画だった。

エコール・ド・パリ展

2006-11-06 | 美術
エコール・ド・パリ展ー素朴と郷愁ー @兵庫県立美術館

19世紀末から20世紀前半のフランス好きの私としては
見逃せないエコール・ド・パリ展に行ってきた。

私はこの展覧会を観るまで少し勘違いしていたかも。
「エコール・ド・パリ」派という絵画の様式があると思っていた。
どうも、そうではなくて20世紀前半、世界各地から若い芸術家たちが
パリに集まり、出会い、交流をした。
この現象というかこの画家たちをエコール・ド・パリと呼ぶみたいだ。

モディリアーニ、キスリング、シャガール、藤田嗣治・・・
異国でお金もなく、ただ情熱だけがあふれ、
時には仲間で、時にはライバルの画家たちと
カフェなどに集まっては議論をしたり。

展覧会自体はそれほど良いとは思えなかったんだけど、
時代の熱気、というか若い芸術家たち
(といっても私よりも年齢上だったりするが)
のことを思うと、なんかこみあげるものがあった。

特にモディリアーニに関しては
モンパルナスの灯(過去の記事にリンク)」というジェラール・フィリップ主演の
映画を最近見たせいで、感慨もひとしお。

エコール・ド・パリの画家たちはアフリカなどの
プリミティブ芸術に感銘を受けて、今までの西洋絵画とは
違う絵画を作り上げている。
また、ルソーのような絵画の指導を受けたことのない
素人による絵画が評価されたりもしている。
これは段々と、価値が多様化し、
様式という言葉でくくることができなくなってくる現在に
つながるなあ、という感じがする。

そして現在、これだけ情報があふれた時代っていうのは
ある意味、損だよな、と思ったりした。
新しいものになかなか出会えないし、
未知のものへの純粋な憧れがない。
私が冷めている、というだけかもしれないけれど。