douce vie

現代アートを中心に、色々と考えた事とかを日々綴っています。主に関西の展覧会の感想なども書いております。

筆舌に尽くしましょう

2005-01-24 | 
ヨコオ論タダノリ  荒俣宏著  平凡社

去年。初めて横尾忠則の絵を観た。
それはもうなんというか筆舌に尽くしがたい、独特の絵だった。
その横尾忠則の絵を筆舌を尽くして読み解こうと試みた本。
今まで単体で発表してきたものをまとめた本なので
全体としてのまとまりは、あまり、ない。

こういうと失礼かも知れないが、美術の専門家でない人だからこそ
好き勝手に解釈し、小学生がなぞなぞを解いたように喜んでいるところが非常に面白かった。
心から横尾さんを好きなんだなあって事が伝わって微笑ましかったし。

荒俣宏は横尾忠則と友達らしいので、ヨコオさんってこんな人っていう軽い紹介も交えつつ、
古今東西の様々な知識を引用し、横尾忠則の絵を理解する方程式を組み立てていく。
そして、もうおそらく筆者自身わけが分からなくなる程、ハイテンションに
「これはこうに違いない!」と結論付け、横尾さんに聞くと、
「分からない」とか「考えてない」とかいう返事が返ってくる。
そのギャップがまた横尾忠則という人物の魅力も伝えてくれて面白い。

横尾忠則の絵はそのモチーフのぐちゃぐちゃさもさることながら
色彩のぐちゃぐちゃさも素晴らしかったので、
一部でも良いから、カラーで載せて欲しかった。残念。

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