中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

新井の「護摩行」に関して

2009-01-15 18:42:27 | Weblog
 各地でプロ野球選手の自主トレが花盛りだ。我々「新聞マスコミ」は、そんな彼らの動きを逐一チェックし、読者に伝えるべく、連日取材にいそしんでいる。今朝、いつものようにラジオをつけると、某局のベテランアナが、各スポーツ紙の1面を見て、こんな感想を述べていた。

 「スポーツ新聞も、そこまで追いかけんでええんちゃうの?新井の水ぶくれの顔まで写真で撮らんでも…」

 正確なコメントではないが、だいたい主旨はこんな感じだった。どうでもいいアナウンサーが言うなら無視もしようが、この方は大の阪神ファンで、この番組のリスナーは多い。影響力がある。関西に住んでいる方なら、どなたかわかるだろう。だから、言っておかないといかん。

 新井が毎年恒例の「護摩行」を極秘でやりたいのなら、何も「自主トレ公開日」としなくていいし、球団も「取材お断り」と通知すればいい。新聞マスコミは「取材して結構ですよ」というところに出掛け、選手と接触しているのであって、無理矢理押しかけているのではない。

 新井の真剣な修行を、ファンの方々にお伝えしたい。彼の今季にかける覚悟を知らせてやりたい。その結果が、きょうの1面になったのだ。「撮っていいよ」「紙面にしていいよ」というものを、指をくわえて見ている新聞記者など存在しない。テレビ局のアナウンサーだってマスコミの一員じゃないか。何でそのことがわからないのか…。俺はラジオにそう突っ込んだ。

 新井だって、毎年の護摩行を皆に見せるためにやっているのではない。取材してほしいからしているわけでもない。ただ、取材を拒んでいないだけで、自分は自分のペースで動いているだけなのだ。これもラジオのパーソナリティーが「新井だけじゃなくみんな陰で努力している」などと、わかったようなことを言っていたが、新井や金本以上のことをしている選手はそういない。それは、他の選手が一番知っている。

 年末、我が社の「猛虎感動大賞授賞式」で、新井と会ったが、実にいい青年だった。30歳を越えた大人に青年というのも変だが、まさに「好青年」という単語がピタリ。苦しい護摩行を耐える新井が、今年どんな姿を見せてくれるか、楽しみにしている。