中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

仕事始めは「東京ドーム」で…

2009-01-02 15:17:57 | Weblog
 いつもの年なら、正月2日は「帰省」と相場が決まっていた。三重・鳥羽が私の故郷。小さな漁師町に帰り、耳の遠くなったお袋の顔を見て、95年に死んだ親父の墓参りをするのをずっと習わしにしてきた。だが、今年はちと違う。東京ドームで行われる「マスターズ・リーグ」に、本紙評論家・江夏豊さんが監督として出場する。日程が出た瞬間、家族を連れて「見にいこう」と決めた。そして、実際、2人のどら息子を連れてやってきた。

 むろん、こっちは仕事である。マスターズ・リーグの正月開催と言えば、恒例で大勢のお客さんが入る。年の初めにふさわしいビッグイベントなのだ。ただ、昨今の世界的不況で、リーグのスポンサーが開幕直前で降りたため、2億円に近いお金が入らなくなり、そのおかげで予定の試合ができなくなったという。今季で8年目を迎えているリーグにとって、今は存亡の危機と言っていい。

 プロ野球界に貢献してきた選手(そうでない選手もいる?)が集い、今現在の力をフルに出して戦うマスターズ・リーグ。これまで、世の親父さんたちに、どれだけ勇気を与えてきたことか。組織内でいろんな問題があるのは承知しているが、それでも、ここまで続いてきたリーグは絶対に潰してはいけない。その昔を懐かしめるのは、このリーグしかない。高校野球には高校野球の、プロ野球にはプロ野球のよさがあるように、マスターズにはまた味わい深い趣(おもむき)がある。

 今、グラウンドでは「東京ドリームス」のメンバーによる少年野球教室が開催されている。多くの子供たちが、目をキラキラさせながら指導を受けている。その昔、自分もかの水原茂さん(元巨人監督)に教えてもらったことがあった。プロ野球選手だった人に教えられるなんて、最高じゃないか。こういう催しはどんどん続けていってほしい。降りたスポンサーさん、この光景を見てよ。

 外は快晴。少し寒いが、気持ちがいい。夜は熱くなることだろう。一杯飲みながらの観戦。ええやろうなあ。