中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

どうなるヤクルト…

2008-01-12 11:15:56 | Weblog
 正月気分もすっかり抜け、プロ野球界は各選手の自主トレ真っ盛り。いろんな選手がいろんな場所で動くから、野球記者は移動に大変だ。きょうは東京、あしたは鹿児島。その後はグァムに飛び、戻ってきて大阪で…といった具合。ま、これは例えにすぎないが、この時期の担当記者は各地を飛び回っている。とはいえ、それはそれで楽しいもの。取材が終わり、原稿を会社に送りつけた後は、当地のうまい酒と名物料理に舌鼓を打ってドンチャン騒ぎ、なんてすごく楽しい。これが記者の役得でもある。

 そうしてキャンプを迎えるのだが、この時期に大きなトレード話が飛び込んできた。ヤクルト・藤井が日本ハムにトレードされたという。しかも3対3の複数。昨年中ならまだしも、もうすぐキャンプという時期のトレードの裏に、一体何があったのか。ヤクルト・高田監督が古巣に対して仕掛けたのか、それとも日本ハム・梨田監督の要望だったのか。その当たりは判然としないが、メンツを考えると、ヤクルトにメリットがあるようには思われない。

 藤井と言えば、阪神も苦しめられてきた左腕。最近こそ結果が出せず、不本意な形で終わっているものの、年齢的にももう一花咲かすだけの実力は持っている。肩ひじに問題があるのかもしれないが、ここ何年かの状況を見ていると、精神的なものがかなりあると思われる。高田監督に代わり、その当たりが解消されれば、と思ってみてきたが、まさか複数トレードの1人として出されるとは…。

 グライシンガー、ラミレスという投打の主力が巨人に移り、実力派左腕・石井一がFAで西武に去った。そして藤井だ。カリスマ的存在の古田前監督が抜けたのも大きいが、この4人の不在はどうしょうもない。仮に大物ルーキー・佐藤由が予想を上回る活躍をしても、到底おっつかないだろう。ただでさえ地味な高田監督だ。成績が下位に沈めば、神宮は閑古鳥が鳴くこと必至と推測する。

 ヤクルトが何を目指しているのか、さっぱりわからない。変革期にあるのは間違いないが、チームをどう作り直すというビジョンを明確にしないと、昔のようにお荷物球団化する恐れがある。プロ野球は上位球団が強いだけでは反映しない。各球団の力がそこそこ拮抗して激しくぶつかり合ってこそ、ファンの関心をひく。ただ、今年に限れば、このヤクルトと広島に食われたところは、V戦線から脱落するだろう。阪神にしても、ここだけには負けられない。

 チームが変わるのもいいが、神宮球場内の食べ物も何とかならないか…。もう少し安価で気の利いたものがあればなあ。高田さん、そこんとこもよろしく!