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ロードバイクの転がり抵抗を考える(2)

2015-02-10 05:06:43 | ロードバイクの科学

 タイヤの転がり抵抗は、タイヤを構成しているゴムが繰り返し変形する際に起きるエネルギー損失が、転がり抵抗の9割程度を占めると云われています。これはタイヤの空気圧が自転車とは比べ物にならないほど低い自動車では無視できません。自動車用タイヤの空気圧はkPaで表記されることが一般的で、自転車はBarやPsiで表記されることが多い為、なかなか実感できないと思いますが、およそ100kPa=1Barですから、300kPaは3Bar、400kPaでも4Barと自動車タイヤの空気圧はMTB並みの空気圧なのです。 Rollingresistance02



 加えて、魔法の数字と呼ばれたりする700Cの直径。自転車はこの大径ホイールの採用により転がり抵抗や回転軸の抵抗がエネルギー効率に及ぼす影響をかなり小さくしているのです。従って、自動車用タイヤを基準として抽出された『転がり抵抗』のデータをそのままロードバイクに用いると思わぬ誤解を与えてしまうことになるのです。とはいえ、『路面抵抗』とか『路面の摩擦抵抗』という正式な用語がないので、どうしても『転がり抵抗』という用語を使うことになってしまう訳ですが、ロードバイクの場合は『転がり抵抗』はある程度無視して、タイヤの『重量』や『グリップ力』などをベースに考える方がいいのではと思っています。 Pro4_01 そもそもパワーのある自動車では『路面との摩擦力』などは無視してもかまわないのでしょうが、非力な人間がエンジンである自転車では『路面との摩擦力』は無視できない存在です。同じ空気圧の23Cタイヤと25Cタイヤでの踏み出しを考えて下さい。25Cタイヤの方が踏み出しが楽だという人はいないはずです。最大静止摩擦力(最大摩擦力)は明らかに25Cタイヤの方が大きいのです。これを無視して、単に『転がり抵抗』が小さいから楽になると考えるのはむしろ暴論ではないでしょうか?空気抵抗に関しても23Cと25Cならさほど気にするレベルではないはずです。空気抵抗を考えるなら、リムの高さを2mmでも高くする方が効果があるはずです。 Rollingresistance03



 それでも『転がり抵抗』が気になる方は、タイヤ幅ではなく、タイヤの変形の元となるチューブに拘った方が無難だと思います。勿論、チューブレスタイヤが最も『転がり抵抗』が低いことになる理屈ですが・・・チューブもプチブルよりラテックスの方が『転がり抵抗』は小さいというデータが出ています。ただ、こと『転がり抵抗』に関してはどれだけ実感できるかは大いに疑問ですが・・・色々なインプレ記事などを見る限りではチューブレスタイヤなら、それなりの効果は感じられるようですね。 パワーメーターなどのワットが計測できる機器をお持ちなら、是非一度様々なタイヤと空気圧で出力を比較して頂ければと思います。タイヤ幅を狭く空気圧を高目にした方が出力は抑えられるはずです。但し、ロードでの実走ではタイヤ幅が狭く空気圧が高いと跳ねなどの影響でトルクが路面に伝わらないケースも多発しますので、自分の技能や目的に応じたタイヤ幅を選ぶことをお奨めしたいと思います。ロードバイクのタイヤが700×23Cが主流であることにはそれなりの理由があるのです。 Race_d_evo2_25c ただ、近年はラグジャリー感を重視した25Cタイヤが注目を集めています。プロツアーでもパリ-ルーベなどの悪路では25Cタイヤをチョイスする選手も少なくないのが実情なのです。個人的にも今年は25Cタイヤを6Barくらいの空気圧で乗ってみたいと考えているところです。自転車における幅広タイヤの選択は『転がり抵抗』を軽減させる為ではなく、より低い空気圧で路面から受ける振動を軽減させ、乗り心地を良くすることが目的なのです。当然のことながら、空気圧が低くなることでタイヤの変形度合いが高くなるので『転がり抵抗』も大きくなります。

 

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