ブエルタ・ア・エスパーニャの第15ステージはバルグランデ・パハレスの勾配がキツ過ぎたのか、総合上位に大きな変動はありませんでした。ベン・オコーナーはタイムを失ったものの、ログリッジのペナルティー等もありかろうじて1分3秒のリードを保ちました。
レースは山岳賞を狙ってかUAEが積極的な走りを見せ、ジェイ・ヴァインがポイントでワウト・ファンアールトに並ぶことに成功しています。一緒に逃げていたマルク・ソレルは早々に遅れてしまいますが、変わって合流したシバコフがジェイと交代で逃げの先頭を牽き続けます。
2度目の1級山岳をトップ通過しワウトとポイントで並んだジェイが脚を止め、シバコフが一人になりますが、ほとんど後ろを振り返ることもなく最後のバルグランデ・パハレスを先頭で登り続けたのです。本来なら先頭交代を要求しそうなところですが、後ろのメンバーを見て自力で引きちぎれると過信したのか、ここで牽制をすると後続に追いつかれると考えたのか、最後まで逃げに徹していたのです。
レースは山岳賞を狙ってかUAEが積極的な走りを見せ、ジェイ・ヴァインがポイントでワウト・ファンアールトに並ぶことに成功しています。一緒に逃げていたマルク・ソレルは早々に遅れてしまいますが、変わって合流したシバコフがジェイと交代で逃げの先頭を牽き続けます。
2度目の1級山岳をトップ通過しワウトとポイントで並んだジェイが脚を止め、シバコフが一人になりますが、ほとんど後ろを振り返ることもなく最後のバルグランデ・パハレスを先頭で登り続けたのです。本来なら先頭交代を要求しそうなところですが、後ろのメンバーを見て自力で引きちぎれると過信したのか、ここで牽制をすると後続に追いつかれると考えたのか、最後まで逃げに徹していたのです。
ラスト3kmの急勾配区間でずっと付きイチだったパブロ・カストリージョがアタックし、2番手のウラソフにも交わされましたが、総合を争う集団には先着しての3位でフィニッシュ。アルメイダをコロナで失い、アダム・イエーツも精彩を欠く中で、チームの意地を見せてくれた気がしています。
総合トップの座を狙っていたログリッジはバイク交換が裏目に出てしまったようです。超級へ登り始める前にリムハイトの低いホールにフロントシングルでリアに大きなギアを付けたスペシャルバイクに乗り換えたまでは良かったのですが、集団に追いつくのにチームカーのアシストを受けたとして20秒のペナルティーを科されてしまったのです。
逃げにチームメイトのアレクサンドル・ウラソフを乗せていただけに、逃げを捕まえ切れればログリッジの勝利も見えていたのですが、集団コントロールをクイックステップに丸投げしてしまった結果、逃げを許し、オコーナーとのタイム差を逆転することに失敗してしまったのです。
オコーナーはガルを失っていただけに、レッドブルがクイックステップと共闘して逃げを追っていれば違う結果になっていたのかもしれません。チームはウラソフのステージ優勝に懸けたのかもしれませんが、スペシャルバイク迄用意されたエースが最後は総合3位のエンリク・マスになんとか食らいつくという結果に終わってしまいました。
大きく総合順位が動くと思われたステージでしたが、最後の3kmの激坂区間を意識し過ぎて、総合上位の順位に大きな変動はありませんでした。もう少し早めにアタックしていればと見ている側は思いますが、選手たちは経験の無いあの激坂で自分がどうなるのか分からなかったというのが大きく影響したと見ています。12年前も総合勢が牽制し逃げが決まっていたのでした。
第12ステージの勝利に続きクイーンステージも征してしまったパブロ・カストリージョは来季は主力チームへの移籍になることは間違いないでしょう。付きイチだったとはいえ、逃げていたのはシバコフなのですから、彼の登坂能力は本物でしょう。年齢も23歳と若く、来年のブエルタはどこのチームのユニフォームを着ているか、今から楽しみです。
期待していたカラパスは奮闘し、オコーナーとのタイム差を2分代にしたものの、総合順位は変わりませんでしたし、総合3位のマスにも勝てませんでした。このままでは表彰台は厳しそうです。奮闘したのはログリッジのアシストを務めたフロリアン・リポヴィッツでしょう。これでカルロス・ロドリゲスを逆転し新人賞ジャージを獲得しています。
今日は2度目の休養日で明日から最後のバトルが始まります。第16ステージはUAEがジェイ・ヴァインの山岳賞獲得を目指して早目に動くはずです。流石のワウトも山岳賞は本気で狙っている訳ではないでしょう。問題はログリッジです。力は明らかに上の選手ですが、ツールの落車の影響が最終週に出てしまう可能性もあるのです。ツールではヴィンゲゴーが2週目迄は調子が上向きに見えたのですが、最終週に失速をしています。骨折明けでトレーニングが不十分だと、最終週にスタミナが切れることがあるからです。
総合上位勢には大きなタイム差はありませんから、1度でもバッドデイがあれば、一気に順位を落としてしまいます。レッドブルがUAEやヴィスマのような動きが出来るかどうかは分かりませんが、このままでは最後のTTで決着ということも考えられます。
前日、ワウトのために山岳を懸命に牽いていたキアン・アイデブルックスがコロナで離脱になりました。今年のジロでも第10ステージ迄、総合5位とマリアビアンカ(ヤングライダー賞)を着用していながら体調不良でリタイヤしていたのです。才能がありながらそれを最後まで活かしきれないのは残念でなりません。高い才能を認められボーラからヴィスマに移籍したら、ログリッジがボーラに移籍。ボーラに残っていたらログリッジの有力なアシストになっていたことは確実だったでしょう。ビッグチームへの移籍が必ずしも本人にプラスになるとは限らないのがこの世界の非情なところかもしれません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます