
ポガチャルが残り数百メートルで10秒もの差をつけて勝利したフレーシュ・ワロンヌ。バイクは先日正式発表があったばかりのコルナゴV5Rsでした。V4Rsを軽量化したフラッグシップモデルです。10秒離されたとはいえ今年も2位と健闘を見せていたのがアルケアB&Bホテルズのケヴィン・ヴォークラン、3位はQ36.5のトーマス・ピドコックでバイクはビアンキ SPECIALISSIMA RCとSCOTTのADDICT RCでした。

エアロ化が進むロードバイクの中でも軽量と位置づけられるバイクが並んだのは偶然でしょうか?V5Rsのフレーム重量は未塗装で685g、SPECIALISSIMA RCは完成車重量が6.6㎏、ADDICT RC PRO HMXは完成車重量が5.9㎏と最軽量のロードバイクなのです。勿論、UCI規定があるため6.8kgに調整しているはずですが、ユイの壁のような急勾配ではエアロ傾向の強い重量のあるバイクではなく軽量バイクが強かった証なのだと考えています。

これはパリ~ルーベでCANYONのAEROAD CFRが3連覇しているのとは対照的です。また、ミラノ~サンレモも同様でしょう。勿論、選手の脚質もあるのですが、AEROAD CFRがグランツールのスプリントステージ以外でほとんど活躍出来ていないのは重量のせいだと考えているのです。これは登りに強い選手が多いモビスター・チームの低迷にも影響しているのではないかと推測しています。

また、今季低迷が続くヴィスマ・リアースバイクのサーベロS5にもいえる傾向だと見ています。サーベロにはR5という軽量バイクもあるのですが、最近はほとんどTVで見かけることが無くなっています。昨年のツールの後半の山岳ステージでもヴィンゲゴーはR5ではなくS5をフロントシングルで使用していたのです。今季は150㎜のショートクランクを使用してレースで勝ってはいるものの、勝利数が激減しているのが気がかりな材料です。

コルナゴも満を持してY1Rsというエアロロードバイクを開発しましたが、勝利はポガチャルのUAEツアーでのものだけなのです。今季31勝もしているUAEにあって、Y1Rsの存在感は無いに等しい状況のようです。これはバイクの成熟度の問題で、フレーシュ・ワロンヌでもY1Rsを敢えて使っているアシストもいました。パリ~ルーベやロンド・ファン・フラーデレンでは使えないバイクを敢えて使わせたのはデータを取るためでしょう。

勿論、バイクが良ければ勝てるほどワールドツアーは甘くありません。S-WORKS TARMAC SL8を使用するレッドブルがわずか9勝しか出来ていないのもまた事実なのです。一方でリドル・トレックがMadone SLR Gen8で15勝という成績を残しています。
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