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CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ポガチャルvsマチューという構図(3)

2025-04-10 14:08:00 | プロ・ツール
 ロンド・ファン・フラーデレンをポガチャルが征し、今季のモニュメントは1勝ずつとなったポガチャルとマチュー。続くパリ~ルーベが最大の関心事で、パリ~ルーベで果たしてポガチャルがファンデルプールに勝てるのか?ポガチャルはパリ~ルーベでは勝てないという意見も目にします。勿論、今年が初参加になるので、目下連覇中のファンデルプールに勝てるのかと言われれば、断言は難しいことは確かでしょう。

 ただ、本調子のポガチャルがV4Rsで挑むのなら勝っても不思議はないと私は思っています。ストラーデビアンケでのポガチャルの強さは圧巻ですし、ツール・ド・フランスで同じコースを走った時の印象でも、むしろパリ~ルーベのパヴェ(石畳)は得意とするところで、長距離アタックが出来るポガチャル向きともいえるのです。

 勝負がヴェロドロームまで持ち込まれれば勝機が無いことはポガチャルも良く分かっているはずなので、当然、早目の仕掛けになると思います。ロンドでは波状攻撃を仕掛け、次々にライバルを振り落としていった作戦が功を奏すれば、再びの独走勝利もありうると考えているからです。ただ、ロンドに比べて登りのセクターが圧倒的に少ないことは事実です。

 また、パンクなどのメカトラが勝敗を分けることも多く、運も味方にする必要があるのです。単純なパワー勝負ならマチューなのですが、それが長時間となると話は別になります。スタミナ面では明らかにポガチャルが上で、世界選手権のように100㎞を越えるアタック合戦なら、ポガチャルに軍配が挙がるはずです。

 ポガチャルとしては、世界選手権のように逃げグループを上手に利用することが出来れば、十分に勝機はあると見ています。UAEとしては誰かを逃げに乗せての前待ち作戦も考えているはずです。ただ、ライバルチームがそれを許すとも思えないので、序盤から激しい展開が予想されます。

 UAEチーム・エミュレーツは既にメンバーを発表しています。ニルス・ポリッツ、ミッケル・ビョーグ、セバスチャン・モラノ、アントニオ・モルガド、ティム・ウェレンス、フローリアン・フェルメールスの8名です。ロンドの落車が影響したのかナルバエスの名前がありませんが、強力なメンバーです。

 モルガドかウェレンスあたりが先行してくれるとポガチャルには有利な展開が築けるはずです。ロンドでも一旦は仕事を終えて最後尾まで下がったモルガドが再び先頭に姿を見せた時のポガチャルの表情が印象的でした。落車の影響でナルバエスやウェレンスを欠き、最後までアシストに徹した姿に感動を覚えました。ウェレンスでは流石にマークがキツクなりそうなので、先行するならモルガドということになるはずです。

 ただ、ここのところUAEのアシストの位置取りがあまり良くないのは気がかりです。ロンドでは逃げ集団と1分差をキープするという最低限の仕事はしていましたが、ミラノ~サンレモではチプレッサの入り口で位置取りを下げてしまっていたのです。結果としてポガチャルのアタックは後ろからとなり、余計な脚使わざるを得なかったのです。

 勝利数こそ増えているUAEですが、嘗てのような強力なアシストの体制に綻びが見えるのは私だけでしょうか?ストラーデビアンケやロンド・ファン・フラーデレンはポガチャルの個の力で勝ち切りましたが、パリ~ルーベに関しては、ポガチャル自身が初参戦ということもあり、アシストの役割がさらに重要になると思っています。

 チームの作戦は間違っていないのに、それを実践しなければならないアシストが機能しなければ、ミラノ~サンレモの二の舞になってしまうでしょう。ヴェロドロームのスプリントに持ち込まれれば勝機は無いことはチームもポガチャルも分かっているはずなので、残り100㎞辺りからの波状攻撃が決まるかどうかが勝敗を分けることになると見ています。

 ポガチャルにとって最大の敵は経験値の無さでしょう。いきなりツール・ド・フランスを勝ってしまう選手ではあるのですが、クラシックレースでは初参戦から勝っているのは目下4連覇中のイル・ロンバルディアだけなのです。多少のミスが後に補えるステージレースには圧倒的に強いポガチャルですが、ワンデーレースでは1つのミスが命取りになるからでしょう。個人的にはパリ~ルーベの優勝確率は5分5分だと考えています。勿論、最大のライバルはマチューになるはずです。
 




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