京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『ハンニバル・ライジング』

2007-05-16 | 洋画


□作品オフィシャルサイト  『ハンニバル・ライジング
□監督 ピーター・ウェーバー
□脚本・原作 トマス・ハリス
□キャスト ギャスパー・ウリエル、コン・リー、リス・エヴァンズ、ケヴィン・マクキッド

■鑑賞日 5月12日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆ (5★満点、☆は0.5)


<感想>
 なるほど、あのハンニバルにはこんな生い立ちが・・・。
 しかも香港臭『ラストサムライ』風味な日本の武士道が関わっていたとは。 確かにあの猿轡は鎧兜にリンクするかも。

 あの冷血無比なハンニバル・レクター。 『羊たちの沈黙』(1991年日本公開)からもう16年経っていることに驚きがある。
 それは未だにアンソニー・ホプキンスのレクター博士のインパクトは絶大で、ジョディ・フォスターとの肉薄したやり取りも、
 記憶の中で薄れることがない。 当時、『羊たちの沈黙』は試写会で、しかも渋谷公会堂(現C.C.Lemonホール)で観て、
 妙な汗をかいたことを忘れていない。

 しかしながら今回ハンニバル・レクターを演じたギャスパー・ウリエル。 その端正な風貌は大きくなっても
 アンソニー・ホプキンスと結べる線はないにしろ、彼なりのハンニバルはその風貌ゆえに冷徹さを増幅させている。

 彼はこのハンニバル・レクターの役作りのために、医大で解剖学の授業を受けたそうだ。
 そもそも撮影に使われたのは血のりやゴム製の内臓だったが、授業を受けた後、
 彼はまた皮を剥ぐところがもう一度見たいと言ったそうな。

 随所にアンソニー・ホプキンス演じたレクター博士の動作やしぐさ、クセを取り入れているところはよく役作りをしていたが、
 決して彼はマネをしていないという。 事実撮影の為にアンソニー・ホプキンスに会ってもいなかったそうだし、
 レクターについて語り合ってもいない。 彼自身のレクター解釈で臨んだようだ。 それはそれで素晴らしいことだが、
 このハンニバル・レクター以外の映画人としてのアンソニーと会っていたら、別なヒントも生まれたのではとも思う。

 日本との接点が、コン・リー演じるレディ・ムラサキに据えたことは日本人にとってはいかがなものだったのだろうか?
 他国から見れば日本人も中国人も韓国人も同じように見えるのだろうが(笑)

 ギャスパー・ウリエル、最初にスクリーンに出てきたとき、誰かに似ていると思いませんでした(笑)?
 そうそう鬼太郎・・・じゃない鬼太郎を演じているウエンツ瑛士 そしてしばらく見ていると
 あのお騒がせ舞踊家の和泉元彌にも似ていたりして(笑)
 深く左の頬にできる笑窪のような窪みはなかなか日本人にはないもので、うらやましくも感じた。
 彼はフランス人なんですね~

 これだけあのハンニバル・レクターの強い個性の根源的ストーリーを、ギャスパー、コン・リー以外
 メジャーな俳優もいない中で、多少(日本人にとって)の疑義はあったにしろ、まとめ上げた
 ピーター・ウェーバー監督もなかなか奇才かもしれない。
 2004年に『真珠の首飾りの少女』を撮った監督さんだが、コン・リーの使い方を観ているとなんとなく納得いくところもある。
 グリートを演じたスカーレット・ヨハンソンも良かったし。 横道にそれてしまいますが『真珠の首飾りの少女』のモデルと
 なった「青いターバンの少女」を描いたフェルメールの作品が、国立新美術館で今秋に「フェルメール“牛乳を注ぐ女”とオランダ風俗画展」と
 して開催されます。 「青いターバンの少女」が出品されるかどうかはわかりませんが、興味ある方はチェックしてみて下さい。
 ところでハンニバルとフェルメールの絵はまんざら関係ないわけでもないんですよ。 ま、興味のある方は調べてみて面白いと思います。


 「自分の生まれた時代を呪うとか懐古趣味は普遍的な人間の一つの有りざまである。
 フェルメ-ルもハンニバルも時代の発展と必ずしも向かい合ってない、ハンニバルはルネッサンス期前後のヨ-ロッパ文化を
 偏愛している、アメリカ的繁栄に背をむけているのである。 カッポ-ニ宮での司書という仕事を得て「この地で見いだした心の安息を、
 出来れば長く保っていきたいと願っている」と言っている。 現代文明を批判し、単純な発展史観、文明の進歩という
 パラダイムの見なおしを、私たちに問いかけているのである。」


 この映画をご本家アンソニー・ホプキンスが観たかどうかわからないが、もし観たとしたら是非感想が聞いてみたい。

 『羊たちの沈黙』のエンディングシーンは深く心に刻まれているものの、冒頭どういう始まり方だったのか思い出せない。
 1カットでもいいからアンソニーをどこかで観てみたかったなぁ(笑)

 余談だが、『羊たちの沈黙』を撮ったジョナサン・デミ、最近目立ったヒットもないのだが、好きな監督だけに頑張ってヒット出して欲しいなぁ・・・。

 


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40 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは~♪ (由香)
2007-05-16 09:07:10
ハンニバルの誕生秘話としては、ちょっと弱かったと思ったのですが、ギャスパー君の美しさには満足出来ました(笑)
でも言われてみれば・・・ウエンツ&和泉に似てたかも・・・顔の長さが
返信する
ご覧になったのですね! (aiai)
2007-05-16 12:43:04
映画全体としては勿体ない印象でしたが、ギャスパー君は綺麗でした!
和泉元彌とは、確かに顔の長さが似てる気がします(笑)。左頬の窪みは、ドーベルマンに噛まれた後だと別のブログで拝見しました怖い~。
返信する
ですよね~ (cyaz)
2007-05-16 12:58:47
由香さん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ギャスパー君の美しさには満足出来ました(笑)
やっぱ、そこですか(笑)?

>でも言われてみれば・・・ウエンツ&和泉に似てたかも・・・顔の長さが
ホント、綺麗だったけど長かった(爆)?!
返信する
ドーベルマン~ (cyaz)
2007-05-16 13:00:01
aiaiさん、TB&コメント、ありがとうございますm(__)m

>ギャスパー君は綺麗でした!
やはり女性はそこですか(笑)?

>和泉元彌とは、確かに顔の長さが似てる気がします(笑)。左頬の窪みは、ドーベルマンに噛まれた後だと別のブログで拝見しました怖い~。
ド、ドーベルマンですか><
でもそれって夢がない・・・。
返信する
はじめまして (mana)
2007-05-16 17:07:52
TBありがとうございました。

他国からのアジア人は皆同じに見えるらしいですからね。
私達から見た西洋人も同じでしょうけど(^_^;)

「羊たちの沈黙」冒頭、天井に死体がぶら下がってるシーンから始まりませんでした?私の記憶も定かではありません(^_^;)

4作共楽しめた映画でした。
返信する
こんにちは! (オリーブリー)
2007-05-16 17:15:35
ハンニバルシリーズは大好きなので楽しみでしたが、思いのほか、ギャスパー君がステキでした!!
ミーハーなんで(笑)他の出演作も観てみたいです♪

そうそう、ドーベルマンは痛すぎます!
でもあの傷がまた不気味な雰囲気の効果ありましたよね(^^)

今、小説読み始めました♪
返信する
ランニング? (えい)
2007-05-16 17:29:09
ジョディ・フォスターがランニングして汗かいているシーンが印象的。
なんか、そこを呼び出されて始まった気がしたけど…。
でもあれって、途中だったかな。
返信する
Unknown (とりこぷてら)
2007-05-16 18:51:49
映像がとてもキレイで、コン・リーもギャスパー・ウリエルも美しかったですね。

ジョナサン・デミ、「フィラデルフィア」「羊たちの沈黙」「クライシス・オブ・アメリカ」とか好きな作品多いですょ。

TBありがとうございました。
返信する
確認~ (cyaz)
2007-05-16 21:59:40
manaさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>他国からのアジア人は皆同じに見えるらしいですからね。私達から見た西洋人も同じでしょうけど(^_^;)
そうかもしれませんね(笑)

>「羊たちの沈黙」冒頭、天井に死体がぶら下がってるシーンから始まりませんでした?私の記憶も定かではありません(^_^;)
そうでしたっけ(笑)?
DVDで確かめてみないと^^
返信する
頬肉~ (cyaz)
2007-05-16 22:02:16
オリーブリーさん、TB&コメントありがとうございますm(__)m

>思いのほか、ギャスパー君がステキでした!!
ミーハーなんで(笑)他の出演作も観てみたいです♪
みなさん、彼の魅力に惹かれていますね^^

>そうそう、ドーベルマンは痛すぎます!でもあの傷がまた不気味な雰囲気の効果ありましたよね(^^)
効果的でしたね!
でも彼も頬肉を食べてましたが(笑)
返信する

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