京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

「一分間だけ」/原田マハ

2014-05-29 | Book

「一分間だけ」/原田マハ(宝島社)

 

誰しも多かれ少なかれペットを飼った経験はあるだろう。
この小説も、ファッション雑誌編集者の藍と浩介夫婦が、
ある日を境にゴールデンレトリバーのリラを飼うことから始まる。
最初のうちは協力し合いながら夫婦仲良くリラの面倒をみていたし、
犬好き繋がりで友人も増えた。 しかし、仕事が生きがいの藍は、
日々の仕事の忙しさに翻弄され、少しずつ自分を見失っていく。
更に浩介との離婚、その浩介も共通の友人といい仲になってしまう。
残されたリラとの生活に苦痛を感じ始めた頃、リラが癌に侵されてしまう。
愛犬との闘病生活のなかで、藍は「本当に大切なもの」に気づきはじめる。

原田マハさんの小説はいくつか読んだ。
タイトルの「一分間だけ」の指す意味は、ネタバレになるので言わないが、
もう一つの「あと10分だけ」でもそれは良かったのかも。
浩介の「一分間だけ」と、リラへの「あと10分だけ」。

この小説の主人公たちと環境は違えども、
子供の頃は両親に無理をいって子犬を飼った。
しかしながら、大きくなるにつれて扱いづらく、
結局、面倒をみるのも親任せに。
そうしているうちに亡くなってしまった。

ペットを飼うことって子供にとっては色んな勉強ができると思う。
また、最近では子供が手を離れてしまった夫婦が
飼い始めることも多い。 そこから犬を通じての
コミュニケーションも広がっていく。
決して人間と犬の距離は離れはしないだろう。

この小説もいつものように電車の中で読んでいたが、
あっと言う間に読み進んでしまい、
やはり最後は涙ぐんでしまった。
それは、この小説に感情移入をしたことと、
過去に犬を飼っていたということが、
胸に去来したこととリンクしたのだろう。


このあと続いて「犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語(山口 花)」を
読んで、更に犬と人間の繋がりと温かさを感じました。


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