金山のまぼろし

全力で生きる!!

106 悲観的な未来

2021-06-13 10:15:31 | 幻の走り屋奮闘記エピソード2

 

 

苦悩の連続だった。

 
ハチロクをチューンしたいのに、お金の入りが少ない仕事で、そんな状況をなんとか変えたくても、そもそも会社に入ってみてやってみないと分からないし、入ったら入ったでしばらく続けないといけないというジレンマの中、『凄く嫌な思いはしたくない』という気持ちが常にあり、その結果ラクそうなファミコンショップの店員を選んだのだ。
 
未来を想像しても不安定なアルバイトしか選べず、でも僕が仕事をしなければ家を出ることもできず家に一緒に住む母親は僕が働かなければ攻撃してくる‥んじゃないか‥と邪推してしまう。ていうかそれが現実だ。
 
そんな嫌な未来が続けば車どころでもなく、ボディビルの本格始動なんてできてない‥。
 
 
そもそも僕は仕事を会社の人たちとフルにするのが無理なのだ。
 
というか無理になってしまった。
 
 
僕は病気だよ、きっと。
 
 
 
ドリキンは自分の夢の為に昼は工場、夜はキャバレーの呼び込みで働きまくったらしい。
 
 
僕はそれはできない。
 
人と接したくないという軟弱な病気だから。
 
 
人との接点をできるだけ少なくしたい。
 
 
岡ちゃんにそのことを「トラックドライバーなんか喋らなくてよさそうだからいいと思うんだよね。」と逃げの気持ちで言ったら、真顔で「トラックドライバーは喋りまくりだよ。」と返された。
 
 
母親に思い切って言った時も「人と話しなさい!人と話せない人はダメなんだよ!」と目の色を変えて叱られたことがある。
 
 
 
仕事は基本やりたくない。
 
仕事をすれば人がセットになってついてくるからだ。
 
 
 
でも、やらなければならないのだ。
 
 
食べていけないから。
 
 
だから、一番マシな、一番ダメージを喰らわないような職種を選ぶ羽目になる。
 
 
 
このままいけば、ハチロクはおろかボディビルさえ、彼女も、全部手に入らないんじゃないか?
 
こんな苦しい事を定年まであと40年も悶え走り回らないといけないのか?
 
と考えるといっそう悲観の気持ちが強まった。
 
 
 
でも、レッドバッチシリーズの本を読んでいる時やヤングバージョン、オプション2を眺めている時は世界はキラキラと輝いていた。