僕は走り屋になってからずっとハチロクで速く走ることを目標にしてきた。
耐えていた時期が多かったかもしれないが‥。
つらい時も楽しい時も、悲しい時も嬉しい時も、パワーが無くても古くても、人に馬鹿にされても、個体が変わってもハチロクと一緒に歩んできたのだ。
それは‥、ハチロクが最高だからだ。
ただ‥‥、このままハチロクに拘っていたら、僕の走り屋人生は無くなってしまうだろう‥。
だから、好きではない13シルビアに乗ることを決めてはどうだ‥‥。
ずっとその場で動かずにただ何もしないで一点を見つめていた。
暗いトンネルの中で、希望の光が見えてきたような感覚を覚えた。
僕は1日考える時間を貰った後、ヨシタさんの提示した条件を飲んだ。
僕のハチロクに15万円を添えて、ヨシタさんのシルビアと交換だ。