金山のまぼろし

全力で生きる!!

2 確認の為に走り屋をしてみよう

2005-12-04 14:16:23 | 幻の走り屋奮闘記エピソード1


あくまでも、岡ちゃんがうるさいので合わせるだけだ。

走り屋になるならない、の前に心に決めていることがあったので、例え僕が走り屋になったとしても事故ったり怪我しないような程度で確認の為でしかやるつもりはなかった。


当時、僕は既にボディビルを極めた、感があった。

といってもボディビルをやって筋肉の鎧をまとっていたわけではなく、「頭の中にある必勝理論を実行するのみ」の状態だったのだ。

身体の各部位をウエイトを使わずに関節を動かし、狙った筋肉の収縮を意図的に行うだけで筋肉痛に出来ていた。


20代からでも目標に一直線に行けたら、10代からボディビルを初めて行き当たりばったりで迷うよりダントツに無駄を省けるだろう、と思っていた。


僕のボディビル必勝理論は雑誌を読みまくって構築したものだ。

「この人が書いた筋肉についての記事は、この人と言ってることが違う‥」などと色々な人が言っているメソッドをパズルのように組み合わせて、あれこれ比べながら考えながら2年間コツコツ知識を積み重ねてきて、知識的にマッチョだった。


実は僕は勘違いをしていて‥ひょっとしたらもう逆転できなくなってしまっている厳しい現実だったら‥なんて冗談を思ってみる。


日本トップのボディビルダーになったイメージをいつも抱きつつ、それを支えにして、ボディビルに人生をフォーカスして2年間生きてきたのだから、僕のボディビル理論は正しいはずだ。


世界のトップビルダーの記事を読み漁り、その英雄たちのボディビルに対する情熱を、文字を通してゾクゾク感じていた。


僕は全てが整頓されていて悩みも何一つ無い最高の環境にしてから、トップビルダーになることに挑戦しなければ、自分の肉体をモンスターのように肥大させ続けることは不可能だ、とも思っていた。

面白いからボディビルをやるんじゃない。

ボディビルから僕は選ばれている。

まずは日本トップのボディビルダーにならなければ生きている意味はないんだ。


そんな渦中にいたが、ボディビルを始める(全開で一気にトップに上昇する)ためには、大前提があった。



「身長をあと7センチ伸ばさないと自分ではない」という強迫的な思いだ。


「ボディビルダーである前に真っ当な身長の人間であれ。」


こんな風に他人にいうと「坂本君は身長高いのだからもういいじゃない。身長高過ぎると気持ち悪いよ。」と言われる。


そんなこと言う人は意識低いんじゃないのか!



‥20歳。

もう、半分諦めかけている。

17歳から今まで0.5センチくらいしか伸びていない。

あんなに辛い思いをしながら、あんなに身長を伸ばしたいと懇願して3年経っても、その結果が0.5センチなのだ。


しかも、ボディビルで関節に大きな負担を掛ければ骨端軟骨に過度な負担が掛かり骨が伸びなくなってしまう。

身長を伸ばすには、あくまでも適度な関節への負荷なら許される。


自分の認めた身長の数値じゃないと自分じゃない!!


そんなジレンマの中、今の所その数値に届かないでいる僕はいつも自分を否定していた。


そんな時に僕の目にとまったのが“走り屋”である。 

  

実験だ。


今、ボディビルをしてはいけないから。

後で快進撃ができるから‥。

  

我が“ボディビル理論”を他のジャンルで試してもうまくいけば、「僕の物事の熟成を進めていく考えが正しかった。」と、思えることができる‥。

 

まず走り屋である程度速くなる。

その為にはクルマだ。


僕の余裕の能力で速くなるとしても、これから乗るクルマによって走り屋としての運命は決まると思う。

ただ見た目が好きとかで選んでしまえば、そのあと苦労するのは必死。

できるだけ安くて、乗り潰す為の練習台になるクルマを中古車雑誌で探した…。