最近は嶋田君と心の行き違いみたいなのを感じていた。
嶋田君ってこんな人だっけ?というようなことが多かった。
というか、僕が変わったのか?
今日は話が嚙み合っていた。
坂本 「もう会社辞めてるんでしょ?」
嶋田 「ああ、辞めたな。スッキリよ。」
坂本 「良かったね。」
嶋田 「そうだな。今は工場に勤務してんだ。」
坂本 「工場ね。どんな感じ?」
嶋田 「めっちゃ早送りだわ。」
坂本 「ん?1日が早いってこと?」
嶋田 「ちげーよ。工場のヤツらの動きがはえーんだよ。」
坂本 「バカっぱやなの?」
嶋田 「はっはっは。そうだな。バカっぱやだ。大きな機械を工場内で移動する時なんか吊るしながら、機械の周りをシュシュシュシュってこんな風に走り回るんだ。」
坂本 「あっはっはっは。そんな速いの?」
嶋田 「めちゃめちゃはえーよ。」
坂本 「へぇ~。そこだけじゃなくて他のところも速いの?」
嶋田 「全部だな。」
坂本 「嶋田君、頑張ってるじゃん。」
嶋田 「あぁ。」
僕たちは話込んでいた場所から少し散歩しながら、風を感じていた。
嶋田 「これからカラオケいかねーか?暇だろ?」
坂本 「うーん。また、今度にしようよ。気が乗らないんだ‥。ゲーセンの方がいいじゃん‥。」
嶋田 「なんだ、いかねーのか‥。」
・・・
嶋田君とその日別れてから、思い出したことがあった。
今まで僕が「あそこ行こうよ。」などと誘ったことはほとんど嶋田君は断ることはなかった。
しかし、僕は今日嶋田君から誘われたカラオケを断ったのだ。
あれで良かったのだろうか?
僕は行きたくない気分だったから素直に言ったことだったが、もしかしたら嶋田君は過去に気が乗らないけれど、僕に付き合ってくれていたこともあったかもしれない‥。
カラオケくらい、という気持ちはあるが、逆にカラオケくらい、という気持ちもある。
双方100同士の気持ちで遊びたい。