金山のまぼろし

全力で生きる!!

344 カラオケに行く気になれない

2023-02-28 20:02:19 | 幻の走り屋奮闘記エピソード4

 

 

最近は嶋田君と心の行き違いみたいなのを感じていた。

 

嶋田君ってこんな人だっけ?というようなことが多かった。

というか、僕が変わったのか?

 

今日は話が嚙み合っていた。

 

坂本 「もう会社辞めてるんでしょ?」

 

嶋田 「ああ、辞めたな。スッキリよ。」

 

坂本 「良かったね。」

 

嶋田 「そうだな。今は工場に勤務してんだ。」

 

坂本 「工場ね。どんな感じ?」

 

嶋田 「めっちゃ早送りだわ。」

 

坂本 「ん?1日が早いってこと?」

 

嶋田 「ちげーよ。工場のヤツらの動きがはえーんだよ。」

 

坂本 「バカっぱやなの?」

 

嶋田 「はっはっは。そうだな。バカっぱやだ。大きな機械を工場内で移動する時なんか吊るしながら、機械の周りをシュシュシュシュってこんな風に走り回るんだ。」

 

坂本 「あっはっはっは。そんな速いの?」

 

嶋田 「めちゃめちゃはえーよ。」

 

坂本 「へぇ~。そこだけじゃなくて他のところも速いの?」

 

嶋田 「全部だな。」

 

坂本 「嶋田君、頑張ってるじゃん。」

 

嶋田 「あぁ。」

 

 

 

僕たちは話込んでいた場所から少し散歩しながら、風を感じていた。

 


嶋田 「これからカラオケいかねーか?暇だろ?」

 

坂本 「うーん。また、今度にしようよ。気が乗らないんだ‥。ゲーセンの方がいいじゃん‥。」

 

嶋田 「なんだ、いかねーのか‥。」

 

 

・・・

 

 

嶋田君とその日別れてから、思い出したことがあった。

 

今まで僕が「あそこ行こうよ。」などと誘ったことはほとんど嶋田君は断ることはなかった。

 

しかし、僕は今日嶋田君から誘われたカラオケを断ったのだ。

 

あれで良かったのだろうか?

 

僕は行きたくない気分だったから素直に言ったことだったが、もしかしたら嶋田君は過去に気が乗らないけれど、僕に付き合ってくれていたこともあったかもしれない‥。

 

カラオケくらい、という気持ちはあるが、逆にカラオケくらい、という気持ちもある。

 

双方100同士の気持ちで遊びたい。